ドラフト会議
情報局
2017ドラフト
高校生の候補
2017ドラフト
大学生の候補
2017ドラフト
社会人の候補
スカウト
評価
2017ドラフト
指名予想
ホームに
もどる

ドラフト選手の家庭の事情 (亜大・九里亜蓮)

2013年11月30日

11/30、日刊ゲンダイ39面「ドラフト選手の家庭の事情」より

広島ドラフト2位 九里亜蓮 (動画)
亜細亜大・投手・22歳

「まるでビーバップハイスクールのような中学時代でした」。
九里(動画)は昔をこう振り返る。「ビーバップハイスクール」とは、主人公の不良コンビが毎日のようにケンカに明け暮れる80、90年代にヒットした人気漫画のことだ。

鳥取県米子市でアメリカ人の父、マーク・アントニオ・シェックさんと母、早登江さんの間に生まれた。父はブレーブス傘下の3Aで遊撃手としてプレーした元プロ野球選手。大学までは野球の他にアメリカンフットボール、バスケットボール、アイスホッケーの4大スポーツを並行してやっていた。

アスリートの才能を受け継いだ九里は言う。「体は強いと思います。これまでケガをしたことがないんです。肩とかヒジが痛くなったことも一度もない。これは父のおかげかもしれません」

父に付いて小3で渡米したものの、1年で帰国。小6の時に両親が離婚した。早登江さんは父親代わりとして営業の仕事に従事するようになった。出張が多く、家を空けるため、九里は早登江さんの母・淳子さん(77)と暮らすようになった。

事件は米子・後藤ケ岡中の入学式の日に起きた。もともと、髪は茶色。大柄で目立つ存在だったため、いきなり3年生の不良グループに囲まれ、痛めつけられた。「上級生が大人数でやってきてやられてしまったんです。それで昔、父に言われたことを思い出したんです」。

九里が言う父の言葉はこうだ。「男ならケンカでやられたら次の日にやり返せ!」。今年大ヒットした半沢直樹の「倍返し」の精神そのもの。九里は翌日、3年生の番長のクラスに単身で乗り込むと、タイマンを申し込んだ。九里は1対1の勝負で番長に圧勝。あまりの強さに不良グループに即スカウトされ、「特攻隊長」に任命された。

仕事が忙しく、留守がちな母と会えない寂しさもあって、荒れた中学生活が始まった。金髪に染め、他の中学との「対外戦」もやった。ある時、お互い「恨みっこなし」で臨んだはずのタイマン勝負で、負けた相手が被害届を出して大騒ぎ。そんな時、いつも謝ってくれたのは淳子さんだった。

このままじゃダメだ・・・。グループから抜けるのは容易ではなかったが、野球への未練だけは断ち切れなかった。米子ビクターズ(現米子ボーイズ)で野球を再開。中3の夏、エースとして岡山で行われる全国大会へ出場を決めた。淳子さんが言う。

「中3の夏休みの頃が一番問題が起きましてね・・・。更生しようとしている亜蓮を面白く思わない不良グループから『大会に出るな』とか、いろいろな嫌がらせを受けました。何とか亜蓮を守らないとと思いました」

全国大会には無事に出場した。が、仕返しされる可能性があった。まず早登江さんが教育委員会に転校を訴えたものの、中3の夏では認められないと却下された。そこで今度は淳子さんがツテを頼って市議会議員に懇願。米子市で自宅から一番遠い東山中に2学期から転校することができた。

ただ、「待ち伏せされる可能性があるので、淳子さんが学校への行き帰りを必ず車で送迎する」という条件付きだった。

苦しかった中3の夏、逃げずに全国大会で投げたから岡山理大付高から声が掛かった。ここからプロへの道をこじ開けた。亜大1年時から成長を見続けた大学の先輩でもある広島の松本スカウトは言う。

「コントロールがいいし、いい落ちる球も持っている。入団したら直球の質を上げて欲しい。ヤンチャな時代を乗り越えてきただけに、今どきの選手にあまりない、負けん気の強さとか根性とか、そういう精神的な強さも評価しています」

妹の聖莉奈さんは現在、日大2年生。身長173センチで抜群のスタイルを誇り、タレント事務所に所属。モデルになるのが夢という。

九里は「おばあちゃんと母に旅行をプレゼントしたい。でも『金は自分で使え!』って言われそうだから、何かの抽選で当たったことにしないといけませんね」と笑う。これからは右腕一本で母と祖母孝行をするつもりだ。



九里君のピッチング動画はこちら

draftkaigi at 08:48│ 広島 | ドラフト選手の家庭の事情
ドラフトニュース検索