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坂克彦(阪神戦力外)、独立リーグの選手兼コーチに

2016年12月19日

12/19、スポーツニッポン5面「ユニホームを脱いだ男たち」より

2003近鉄ドラフト4巡目 坂克彦
常総学院高・内野手・18歳

覚悟はしていた。昨季までは内野のユーティリティー選手として重宝されていたが、今季は1軍出場なし。戦力外通告を受けた翌日、坂は「本当に悔しい一年だった。一度、1軍に呼んで使ってくれとは思ったけど仕方ない。プロ野球選手は必ずどこかでユニホームを脱ぐのだから。自分はこのタイミングだったということかな」と振り返ったが、こう続けた。

「まだ体は動く。阪神のユニホームを最後に、という気持ちより、まだユニホームを着たいよ」。ポツリと漏らした言葉が正直な気持ちだった。

11月12日、甲子園で行われたトライアウトを受験。「坂」の名前がコールされると、慣れ親しんだ本拠のスタンドから大歓声が起きた。「初めて試合中に泣きそうになった。球を見るのに必死だったよ」。声援を力に1打席目に二塁内野安打、4打席目に右前打とマルチ安打を記録。意地のアピールでNPB球団からのオファーを待ったが、電話は鳴らなかった。

「最初はNPBへのこだわりもあったけど。トライアウトも終わって、だんだん自分の気持ちに一区切りは付けられた。甲子園のファンの人たちの前でプレーできたことが何よりの幸せだった」

常総学院から03年のドラフト4巡目で近鉄に入団。翌04年オフ、球界再編に伴うオリックスとの球団合併で楽天へ移り、06年にトレードで阪神に移籍した。3球団を渡り歩いてきた上で、大事にしてきた信条がある。

「近鉄のユニホームを着た選手だっていうことが、自分にとって野球を続けられる大きな原動力。毎年一人、また一人と減っていって、もう今では数えられるぐらいでしょ。自分のプロ野球人生をスタートさせてくれた球団だし、近鉄戦士という肩書が大好き」。

野球を続けることが、これまでお世話になった人への一番の恩返しだと自覚している。熟慮の末、今後は東大阪を拠点に活動している独立リーグ「06BULLS」に選手兼コーチで入団予定「指導にも興味はあった。自分の経験を生かして、一人一人に合った指導で技術を教えていければ」。そう意気込みを語る表情に、迷いはなかった。



下は2003ドラフトで近鉄が指名した選手です。坂克彦は4巡目指名入団。プロでの成績はこちら

近鉄の2003ドラフト指名選手
自由枠香月 良太東芝投手
自由枠(行使せず)
1巡目(指名権なし)
2巡目吉良 俊則柳ケ浦高外野手
3巡目(指名権なし)
4巡目坂 克彦常総学院高内野手
5巡目新里 賢法政大捕手
6巡目中本 和希近大工学部内野手
7巡目栗田 雄介千葉工大卒投手
プロ入り後の成績


draftkaigi at 12:00│ │戦力外通告 
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