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名スカウトが選ぶセンバツ注目のドラフト候補13人

2017年03月21日

THE PAGEより (source)
春のセンバツが始まった。第89回選抜高等学校野球大会は、第2日を終えたが、すでに敗退したチームも含め、ネット裏のプロスカウトが熱視線を送る今秋のドラフト候補達が複数出場している。ヤクルトのスカウト時代に古田敦也らを発掘した片岡宏雄さんに元プロスカウトの目で注目の選手をピックアップしてもらった。

今大会のドラフト候補は不作だという。

「清宮が注目を浴びているが、全体的に不作だ。特にピッチャーがいない。あくまでも候補として名前を何人か挙げたが、プロスカウトの世界で言うB評価の投手が多い。誰が見ても間違いない1位候補、いわゆるA評価の投手は見当たらない。

ただセンバツは、まとまりのある“春先向き”の投手がチームを引っ張ってくる傾向にあるし、選手は成長途中。春から夏に大きく変わるので、各スカウトも定点観測のつもりで、大きくリストを広げて去年秋からの成長度や、夏までの課題の修正能力などを見ていくものだ」


ピッチャーは6人。右腕が履正社・竹田祐(動画)熊本工・山口翔(動画)東海大市原望洋・金久保優斗(動画)福岡大大濠・三浦銀二(動画)で、左腕が静岡・池谷蒼太(動画)日大三・桜井周斗(動画)の2人だ。

履正社と日大三が初日に直接対決して、竹田と桜井がマッチアップ。桜井は9回に崩れたが、8回まで13奪三振を奪うピッチングを見せた。ストレートは140キロ前後で、武器とするスライダーは鋭く、履正社の3番を打つ注目のドラフト候補の一人、安田尚憲から、昨秋、清宮幸太郎(早実)を5打席連続三振に打ち取った話題のスライダーで連続三振。

一方、竹田は174球の完投。こちらはストレートが135キロ程度で、13安打、10三振、5失点。もう一人のドラフトの逸材、日大三高の金成麗生との直接対決は4の1だった。

日大三高の桜井は上背がないが、リストが使えて球離れがいい。豪腕ではないが、ボールは低めに集まるので左のワンポイントで育てて使いたいと考える球団はあるのかもしれない。ボールに角度があり、スナップを効かせたスライダーがよく落ちる。右打者にはクロスファイファーに左打者はインサイドから外へボールが流れるため左打者はタイミングをとりにくいのだろう。最後はバテたが、バッティングもいいし野球センスを感じる。

履正社の竹田は、まだ下半身に安定感がない。序盤の制球の乱れは、そこが原因。成長を見守りたい。現状では、Bの下の評価か。初日に出場した3投手で、最も伸びシロと素材としての可能性を感じさせたのは負けた熊工の山口。まだ細身で、時折、突っ込むので制球がバラつくが重心低く肘も柔らかく使う」

熊本工の山口は智弁学園戦で9回で11安打9失点して甲子園を去ったが、175球を投げて最速は148キロ、コンスタントに143キロ前後のスピードは出ていた。

東海大市原望洋の金久保は、まだ線が細いが、変化球とストレート(最速147キロ)を同じように腕が振れる。そこにはセンスを感じる。打者は打ち辛いだろう。静岡の左の池谷は上背はないが、体全体をうまく使える。高校生では珍しく変化球を投げる時に腕が緩まない。福岡大大濠の三浦は、打者のタイミングをはずすコツを心得ている」

片岡さんが野手でピックアップしたのは別表の7人。

履正社・安田(動画)日大三・金成(動画)智弁学園・太田英毅(動画)の3人はすでに登場。金成は初戦敗退となったが、太田はプロ注目の山口から9回一死二塁の場面でレフトスタンドへ2ランを放り込んだ。170球を超えて疲れた山口の131キロの高めのストレートを見逃さなかった。3拍子揃ったショートストップだ。

「すでに日大三は初日のカードで姿を消えてしまったが、金成はバットスイングが速く、竹田の揺さぶりゆさぶりに対しても大きく崩れることはなかった。一塁手となると、なかなかプロが手を出しにくいポジションだが、体格も含めて素材としては魅力。

安田も、清宮同様、日大三の左腕、桜井のスライダーに戸惑った。待ちきれずにバットが先に動く。桜井のボールの出所の見極めが難しく間を作れなかったのだろう。清宮に比べると、まだバッティングに硬さがある。ただ、いくら金属バットとはいえ、コンパクトに振って逆方向のフェンスにまでボールを運ぶパワーはたいしたもの。サードの守備も軽快で清宮と、安田の2人が、このセンバツでは頭ひとつもふたつも抜けた存在。

太田は、そこまでのプレーヤーとしてのスピードを感じなかったが、彼のように3拍子揃ったショートは、どこの球団も欲しい」

今大会はショートに好素材が多く、太田以外にも、守備力に定評がありバッティングでは広角に打てる宇部鴻城・嶋谷翔平(動画)、片岡さんからは名前が出なかったが、ロッテに進んだ先輩の平沢大河とも比較される仙台育英・西巻賢二らがいる。

「将来性を考えてキャッチャーにも注目したい。福岡大大濠の古賀は、ショートからコンバートした変わりダネ。スローイングは捕球してからが非常に早い。“止める”という基本技術もある。バッティングはパンチも兼ね備えていて、キャッチャーは育成に時間がかかるが、欲しい球団は多いだろう。神戸国際大付の猪田は、少し動きに固さがあるが、キャッチャーに必要な基礎体力はありそう」と、片岡さんは、注目キャッチャーとして福岡大大濠・古賀悠斗(動画)神戸国際大付・猪田和希(動画)の名前を挙げた。

古賀は2年秋にショートからキャッチャーに転向。スローイングの秒数はプロでもなかなか出せない1.8秒台で、通算42本塁打を誇る。猪田も2年秋にレフトからキャッチャーへ転向した。秋の予選では4本塁打をマークしている強肩強打のキャッチャーだ。

さて最後に2度目の甲子園登場となる通算79本塁打の怪物、早稲田実・清宮幸太郎(動画)についてだが、片岡さんは、「成長は著しいが明徳の左投手にどういうバッティングができるかをチェックしたい」という。

「昨秋、日大三高の桜井に5三振を喫したが、左投手に対してはボールを見ているけれどタイミングがとれず、間のあるスイングができていなかった。こういう決定的な弱点を最初から持ってプロへ行くのは厄介。秋から春にどう対応できるようになっているかを見てみたい」

早実は23日に明徳義塾と対戦するが、明徳義塾のエースの北本佑斗は清宮が苦手とする左腕である。1992年夏の甲子園で、星稜高時代の松井秀喜を5打席敬遠で歩かせ、物議を呼んだ経験のある明徳義塾の馬淵監督は「全打席敬遠はしないが、場合によってはあるかも」と早くも牽制、心理戦を仕掛けている。ドラフト候補生たちの活躍に注目するのもセンバツ観戦の醍醐味のひとつだろう。



2017高校生のドラフト候補一覧はこちら



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