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イチローを発掘した名スカウト、自殺の真相(その5)

2017年07月21日

7/19、日刊ゲンダイ31面「球界への遺言」より 

1998オリックストドラフト1位 新垣渚
沖縄水産高・投手・18歳



「いや~、栽監督はヒドいですよ」。1998年11月26日の夕方、電話をかけてきた三輪田勝利の第一声がこれだった。20日のドラフト会議で「ダイエー以外なら進学」の新垣渚投手(沖縄水産高)を1位指名。交渉役で編成部長の三輪田は現地へ飛んだが、本人はもちろん、沖縄水産高野球部の栽弘義監督に会うことすらできない。

栽監督の知人から持ち掛けられた裏金5000万円の要求をのむと伝え、ようやく会えることに。栽監督と話をしてきた三輪田は堰を切ったようにこう続けた。

「だって代表、僕はここに1週間いて、話をするどころか、会うことすらかなわなかったんですよ。それがきょう、グラウンドに行って、タクシーから降りるなり、監督の方から僕の方に近づいてきたんですから」。これまでグラウンドにいながら顔も見せなかった栽監督が、自分から挨拶に出向いてきたというのだ。三輪田があきれたのは無理もない。こちらが裏金の要求に応じたとたん、態度が豹変したのだから。

三輪田の話は続く。「三輪田君、君はすごいね。早稲田ってのは、すごい力を持ってるね。僕はこの3日間、早稲田のOBからものすごく責められたよ。三輪田をこれ以上、困らせるなってね。僕はもう、どうしようもない。早稲田に負けたよ。新垣を取ってくれと、栽監督はこういう言い方をするんですから」

なにはともあれ、とりあえず、道は開けた。「そうか、良かったやないか。結局、カネが効いたんやないか」、「会社には迷惑をかけることになりますけど、これで新垣は取れますよね?」。新垣獲得に関して確信にも似た感触が生じたのだろう。三輪田の声は弾んでいた。

「栽監督は、早稲田のOBに迷惑をかけるといかんから、僕が全部、新垣に会う段取りをする、三輪田君、あすには会えるからもう心配するなと、こうですよ」、「それは良かったやないか。あした、すぐに会え!」

聞けば、翌27日夕方6時に自宅で本人と両親に会う段取りになっているという。こちらからは三輪田と九州担当スカウトの山本公士の2人が出向くことになった。三輪田とは、新垣家への手土産は何にしたらよいかといった話もした。

栽監督が「新垣を取ってくれ」と言っている以上、何も心配することはない。我々にとっては万々歳じゃないかと、そんな会話もあった。三輪田の声のトーンは明らかに明るかった。しかし、三輪田との会話はこれが最後になった。(つづく)



上の記事はオリックス・元球団代表の井箟重慶氏が書かれたものです。

下は10年前(2007年)の日刊サイゾーの記事ですが、本当の話だったんですね。

「アマチュア球界・プロ野球界は裏金で成り立ってきた過去がある。特に名将といわれる監督ほど黒い噂は絶えない。5月に逝去した沖縄水産高校の栽弘義監督が、沖縄本島に栽御殿と呼ばれる豪邸を建てたのは有名な話」。スポーツ紙記者がそう語るように、西武ライオンズのスカウト活動に伴う不正行為に端を発したアマチュア球界の裏金問題。(以下略)



下は1998ドラフトでオリックスが指名した選手です。新垣渚は1位指名されるも入団拒否しました。

オリックスの1998ドラフト指名選手
1位新垣 渚沖縄水産高投手
2位川越 英隆日産自動車投手
3位相川 良太東海大内野手
4位木村 昌広日立製作所投手
5位徳元 敏東農大生産学部投手
プロ入り後の成績


draftkaigi at 07:06│ │オリックス | ドラフトのウラ話
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