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スカウトの逆襲、メジャーが日本の中学生を狙っている

2017年11月13日

11/13、日刊ゲンダイ39面「スカウトの逆襲」より
日本にいる協力者から聞いた話だ。あるメジャー球団のスカウトが日本の中学生を狙っているという。シニアに所属している選手なのか、ボーイズなのかは分からない。投手か野手か、ポジションも定かではない。ただ、中学生ながら190センチ近くあり、大阪の甲子園常連校も目を付けていたというから、逸材には違いない。

くだんのメジャー球団は、その強豪校との争奪戦を制して、選手を獲得する勢いだと聞いた。入団が決まった暁には親御さんともどもファーストクラスで渡米、球団が懇意にする巨大な娯楽施設内のホテルに招待すると、そのスカウトは話しているそうだ。

中学3年生というから、まだ15歳。おそらく契約可能な16歳になるのを待って渡米させるつもりなのだろう。メジャー球団は「青田買い」もする。11月に静岡で行われたU15のアジア選手権では、ヤンキースやマリナーズのスカウトが、147キロをマークした台湾の中学生をチェックしていた。

世界大会で目に付いた中学生を球団が保有するアカデミーに入れ、ルーキーリーグから育てようとする球団も中にはあるが、大半は成長を見守る追跡調査だ。

わたしは日本の高校生すら取らない。頭も体も大人になり切れていない17、18歳が単身、米国でメジャーへの階段を踏み出すには精神的にも肉体的にも無理があると考えているからだ。言葉や食べ物を含めた日常生活から問題が生じるし、隙あらばライバルを蹴落とそうというマイナーの過酷な生存競争を勝ち抜けるとも思えない。

アジア出身の高校生が直接、海を渡って成功した例は秋信守(レンジャーズ)くらい。韓国からはこれまで100人以上の高校生が渡米しているから、成功する確率は極めて低いと言わざるを得ない。メジャーで通用しなかったというならまだしも、そこにたどり着くまでの競争で淘汰されてしまうのだ。

まして高校生以上に未熟な中学生が、いきなり海を渡って成功する確率はほとんどゼロに近いのではないか。これまで日本の中学生がいきなり海を渡った例がないのもそんな背景があるからだ。

中南米出身で身体能力がバツグンの中学生をドミニカ共和国やベネズエラのアカデミーで鍛えるというならともかく、彼らと比べてひ弱な日本の中学生が直接、メジャーを目指しても結果は火を見るより明らか。心身ともにボロボロになって戻ってくるとすれば、メジャーのスカウトも罪つくりだ。 (メジャーリーグ覆面スカウト)



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draftkaigi at 07:00│
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