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スカウトの逆襲、追い続けた大谷翔平獲りに失敗

2017年12月10日

12/11、日刊ゲンダイ39面「スカウトの逆襲」より

2012日本ハムドラフト1位 大谷翔平
花巻東高・投手・スカウト評

悔しいし、つらい。ここ2、3日はほとんど食事もノドを通らないくらいだ。大谷翔平(2012日ハム1位)に関して言えば、どのメジャー球団の、どのスカウトよりも熱心に追い続けてきた自負がある。アリゾナキャンプでは彼が移動するたびにフェンス越しに追い掛け、日本でも試合前の打撃練習は間近で食い入るように見てきた。大谷はもちろん、わたしがどこのだれか間違いなく分かっていたはずだ。

熱意はしかし、空回りした。わたしが籍を置く球団は代理人を通じて行ったプレゼンの段階ではじかれた。面談にすら臨めなかった。ウチの球団がプレゼンとして送付したのは、先方の質問事項に答える形の書面とビデオだ。日本語でもしたためた具体的な起用法については、今後の補強に支障が生じるため明らかにできない。

が、ビデオは本拠地と本拠地球場がいかに魅力的かをアピールした内容だ。球場全体の景観や内部をドローンで撮影、マウンド上にはホームのユニホームを着た大谷がいるCG映像も使った。大谷が好む映画や音楽を調べ、映像にはそれに関する球場付近のモニュメントも盛り込んだ。日本語のナレーションも付けたビデオは、時間にして10分程度だったように思う。

ビデオの内容はおそらくどこも似たり寄ったりだろうが、チームによってはビデオに監督やGM、主力選手が登場したところもあると聞いた。しかし、ウチのGMによれば、本拠地が「東海岸」という理由でふるいにかけられたという。北米大陸は東と西で3時間の時差がある。移動を考えたら、圧倒的に西海岸のチームの方がしんどいのに、それでも大谷は西海岸を望んだようだ。

「大谷は西海岸にこだわっているみたいだ。日本のプロ野球選手はみな西海岸が好きなのか? だとすれば今後、ウチはどうやっても、日本人選手は獲得できないんじゃないか?」。GMからこう詰問されたので、松井秀喜も松井稼頭央も上原も田中将大もスタートは東海岸、心配することはないと答えた。

わたし自身、実は大谷獲得に自信というか期待があった。球場で目が合ったとき、ニッコリとほほ笑んでくれたように感じたこともある。だから取れると思うほど楽観的ではないが、今回のショックからは当分、立ち直れそうもない。 (メジャーリーグ覆面スカウト)



下は2012ドラフトで日本ハムが指名した選手です。大谷翔平は1位指名され入団。高校時代のスカウト評はこちら


日本ハムの2012ドラフト指名選手
1位 大谷 翔平 花巻東高 投手
2位 森本 龍弥 高岡第一高 内野手
3位 鍵谷 陽平 中央大 投手
4位 宇佐美 塁大 広島工高 内野手
5位 新垣 勇人 東芝 投手
6位 屋宜 照悟 JX-ENEOS 投手
7位 河野 秀数 新日鉄住金広畑 投手
プロ入り後の成績


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