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江草仁貴(広島)、第二の人生はデイサービス

2017年12月12日

12/12、スポーツニッポン4面「ユニホームを脱いだ男たち」より

2002阪神ドラフト自由枠 江草仁貴
専修大・投手・22歳

野球で泣いたのは、プロ入り後、初めてのことだった。15年間の現役生活に終止符を打った9月27日のウエスタン・リーグ、阪神戦。同じく引退試合に臨んでいたかつての盟友・狩野と1打席限定で真剣勝負をした。渾身の134キロ直球を投げ込み、結果は左翼線二塁打。慣れ親しんだ甲子園のマウンドを降りると、涙が自然と頬を伝った。

「プロは負けても終わりじゃない。負けても打たれても、また次の日がある。でも、あの日は本当に最後だったので」。

引退しようと思ったのは今年が初めてではない。8試合の登板に終わった昨季もシーズン途中から何度となく頭をよぎった。「体がしんどかったというのが一番。痛い所が増えてきた。出番も減って成績も伴わなかった」。思いとどまったのは連覇を目指すチームの戦力になりたかったからだ。

05年に阪神でリーグ制覇した時は中継ぎの一角として貢献。桟原、橋本、江草の頭文字を取り「SHE」として投手陣を支えた。あの喜びを再び味わいたい。球団から契約更新の意向を受け、現役続行を決断した。「強いチームでもう一回、優勝の輪に入りたい。契約をしてくれるなら、もう1年やってみようと思った」

思い通りにはならなかった。今季中盤に調子を上げた時期もあったが、長く続かない。「いつもなら、その感覚の後もう一段階上がる。でも、その状態になる前に打たれ出してしまった。それで限界なんだな・・・と」。8月。自らと向き合い、けじめをつけた。

若手の台頭も決断を後押しした。ブルペンで同じ左投手と並んで投げると、球質や球威が劣っていることを感じるようになった。中でも1年目・高橋昂の投球には圧倒された。「何か全然違う。ショックというか、消えていくしかないな・・・という感覚だった」

折しもチームは連覇を目指して一直線の時期。広島県福山市生まれで生粋のカープ男子は、偉業に水を差したくはなかった。阪神に勝ち、優勝を決めたのは9月18日。その2日後に会見を開いた。人懐こい心優しき左腕らしい気遣いだった。

今後は広島市内でリハビリ型デイサービス事業所を経営する。来年にはロンドン五輪バレーボール女子で銅メダルを獲得した佳江夫人との間に第2子が誕生予定。15年間、ブルペンを支え続けたように家族を支えていく。



下は2002ドラフトで阪神が指名した選手です。自由枠で入団の江草仁貴のプロでの成績はこちら

阪神の2002ドラフト指名選手
自由枠 杉山 直久 龍谷大 投手
自由枠 江草 仁貴 専修大 投手
1巡目 (指名権なし)
2巡目 (指名権なし)
3巡目 (指名権なし)
4巡目 中村 泰広 日本IBM野洲 投手
5巡目 久保田 智之 常磐大 投手
6巡目 三東 洋 ヤマハ 投手
7巡目 林 威助 近畿大 外野手
8巡目 田村 領平 市和歌山商高 投手
9巡目 新井 智 ローソン 投手
10巡目 伊代野 貴照 ローソン 投手
11巡目 萱島 大介 ローソン 内野手
12巡目 松下 圭太 三瓶高 外野手
プロ入り後の成績


draftkaigi at 07:06│ 戦力外通告 
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