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スカウトの逆襲、甲子園で結果を出せなかった選手

2018年04月23日

4/23、日刊ゲンダイ39面「スカウトの逆襲」より

2016DeNAドラフト4位 京山将弥
近江高・投手・18歳

「開幕から3連勝したDeNAの京山は高卒2年目。確かドラフト4位ですよね。彼がエース格になるかどうかは分かりませんけど、あんなふうに他球団がノーマークの選手を下位で獲得できませんか?」

先日のスカウト会議で仏頂面のエラいさんがこう言ったから、ウチの関西地区担当スカウトは背中を丸めて小さくなってたっけ。京山は滋賀の近江高校出身だけに、関西担当は自分が嫌みを言われたと思ったんだろうな。

近江のエースとして16年夏の甲子園に出場、1回戦の常総学院戦に2番手で登板するも、6回を10安打6失点と打ち込まれた右腕だ。地区予選での好投をひそかに評価していた関西担当も、球団内の他のスカウトの目の前で火だるまになった投手の獲得を強く推すことはできなかったに違いない。

オレたちにとって、この時期のスカウト会議は針のムシロさ。大学野球のリーグ戦が始まり、今年のドラフトの大まかな方針を決めていく。その過程で話題に上るのは、なぜか、他球団で活躍するノーマークだった選手たち。能力があるのになぜ、ウチは評価しなかったのかと、オレたち担当スカウトが上層部から強烈な皮肉を浴びせられることになる。

それでいてウチが上位指名しながら鳴かず飛ばずの選手に関しては、会議で俎上に載せることすらしない。例えば、パソコンおたくのエラいさんが自信満々で獲得したスラッガーなんてヒドいものさ。甲子園で残した数字は秀逸、出塁率や長打率はバツグンだったものの、2年たっても3年たっても体力不足。おまけに練習嫌いときてるから絶望的だ。

それでも、最終的に決断して獲得にゴーサインを出したのは上層部だから、会議で話題にしようものなら自分たちに責任が降りかかる。それを避けているとしか思えないんだ。

「選手を結果や数字だけで判断するな。いいと思った選手がいれば、マメに足を運んで野球への取り組み方や性格までチェックしろ。試合前のウオーミングアップやベンチ内での様子などに必ずヒントはあるはずだ」。部長はこう言って日頃からオレたちにハッパをかけてるけど、会議でつるし上げられるのはコリゴリだからね。

案の定、関西地区担当は、「担当地区でめぼしい選手がいれば、とりあえず評価しておくのが無難かもな。その選手が万が一、他球団で活躍したとしても、自分は評価してたと言えるからね」。なんて、早くも言い訳を考えてたよ。

(プロ野球覆面スカウト)




下は2016ドラフトでDeNAが指名した選手です。4位・京山君のスカウト評はこちら


DeNAの2016ドラフト指名選手
× 柳 裕也    
× 佐々木 千隼    
1位 浜口 遥大 神奈川大 投手
2位 水野 滉也 東海大北海道 投手
3位 松尾 大河 秀岳館高 内野手
4位 京山 将弥 近江高 投手
5位 細川 成也 明秀学園日立高 外野手
6位 尾仲 祐哉 広島経済大 投手
7位 狩野 行寿 平成国際大 内野手
8位 進藤 拓也 JR東日本 投手
9位 佐野 恵太 明治大 内野手
プロ入り後の成績


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