菊地吏玖(札幌大谷)に5球団、中日が評価
2018年06月30日

菊地 吏玖 (札幌大谷高・投手) 183cm・右投左打・動画 |
気迫を押し出し、強豪に立ちはだかった。札幌大谷の右腕・菊地(動画)が自己最速の144キロ直球を主体に、7回を散発4安打11奪三振無失点。「(試合前の)ブルペンでは感覚が違ったが、マウンドに上がれば直球が伸びてくれた」。
プロ5球団のスカウトの前で、三塁を踏ませない快投。東海大札幌打線をねじ伏せ、中日の八木スカウトも「ポテンシャルが高い、良い選手」と賛辞を贈った。
投球でリズムに乗ると菊地劇場の開演だ。0-0の3回1死一塁。「何も考えずに振ったら入ってくれた」。内角直球を強振すると、高々と舞った白球は右翼席に突き刺さった。エースの通算9本塁打目で勢い付いた打線は、8安打7得点でコールド勝ち。「まさかコールドになるとは。この勝ちは大きい」。過去3年間、練習試合も含めて勝ち星がなかった天敵を破り、縦じまアレルギーも払拭した。
集大成と位置づける今夏、全ての悔しさを振り払う。昨秋の全道大会初戦は、旭川実に延長戦の末敗れた。「自分のせいで負けた。悔しさしかない」。責任を背負い込み、下宿の勉強机には自身が献上した「18安打8失点」と記した紙を貼って奮い立たせてきた。
24日の初戦は北広島西に10-0で6回コールド勝ちも、登録メンバー全員が自主的に頭を丸めた。気合の五厘刈り。「何としても勝ちたくて。一体感を体で感じる」。結束は、さらに高まった。船尾隆広監督が「最高の仕上がり」と信頼を置く大黒柱は、「甲子園で勝つのが目標。この勢いに乗り、まずは全道」と力強い。同校初の甲子園へ。歴史を変えるのは、菊地だ。
(6月29日 札幌地区大会2回戦 札幌大谷 7-0 東海大札幌)


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│中日