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ドラフト候補がプロを拒否して大学に進学する理由

2018年08月10日

8/10、日刊ゲンダイ27面より
10日に登場する木更津総合(東千葉)は3年連続出場。毎年のようにプロ注目の選手を輩出しながら、ほとんどが進学している。一昨年の左腕・早川(早大)、昨年の左腕・山下(法大)、遊撃手・峯村(日大)がそうだ。なぜプロではなく大学なのか、五島卓道監督に聞いた。

記者
「今年、プロ注目の野尻(3年、投手)も進学が濃厚だと聞いています。なぜ、直接、プロに行く選手が少ないのですか」

五島監督(木更津総合)
「何も知らない高校生のまま、プロに行くことが果たしていいのか、という疑問があるからです。特に最近は野球賭博とか、いろいろな問題があったでしょう。そういう世界に、まだまだ子供の高校生を飛び込ませていいものか。大学でさまざまな経験を積んでからでも、プロ入りは遅くはないと思っています」

記者
「確かにプロといっても、良い大人ばかりではない」

五島監督(木更津総合)
「そうですね。お酒の飲み方ひとつにしても、大学で若い仲間たちとワイワイやりながら覚えた方がいいかもしれない、ということもある。ただ、誤解してほしくはないのですが、部員全員が全員、直接プロはダメだ、ということではない」

記者
「と、いいますと」

五島監督(木更津総合)
「プロが、ドラ1で獲得します!という選手がいたら、私だって考えますよ。でも、ウチにはそこまでの選手は入ってこないので(笑い)。これが高校から直接プロ入りを反対するもうひとつの理由です。つまり、ドラ1ならある程度、球団が面倒を見てくれるでしょう。でも、高卒でドラフト下位ともなれば、そうはいきませんよ」

記者
「プロ入り後の待遇などの問題ですね」

五島監督(木更津総合)
「もちろん、大学進学が遠回りになるケースもあるとは思います。それに、やっぱりプロ入りは子供たちの夢ですから。確かに大学4年間を遠回りだと思うあまり、大学在学中にダメになってしまう選手もいるかもしれない。でも、そういう子は高校から直接プロに行っていたとしても、大体通用しませんよ」

記者
「これまで、下位指名でもいいから直接プロに行きたい!と言った部員はいないのですか?」

五島監督(木更津総合)
「事あるごとに、今話したようなことをコチョコチョと・・・ね(笑い)。私だけではなく、周囲もそうやって説得していますから。実際は何が正しいのかわかりませんけどね。私が大学(早大)、社会人(川崎製鉄神戸)と歩んできたから、その道が一番いい、と思っているのかもしれない。やはり高卒で下位指名は、『ちょっと待てよ、それなら大学に4年間行ってからでも遅くないぞ』と考えてしまう。ホント、松井秀喜みたいなのがいれば、直接プロに行かせるのも反対はしませんけどね(笑い)」

記者
「高卒下位指名なら、球団によっては2、3年で切られるケースもある」

五島監督(木更津総合)
「私が常々部員に言っているのは、『プロに行くことを目的にするな』ということです。プロは、あくまでお金を稼ぐ場です。サラリーマンの生涯賃金を、わずか数年で稼いでしまうのがプロ。でも、引退後の人生の方が長いし、そこまで稼ぐ前にクビになるケースもある。プロを最終的な目標とするのではなく、あくまで就職先のひとつ、と考えてほしいんです」

(以下略)



下は木更津総合(旧校名=木更津中央)からドラフト指名された選手です(大学、社会人経由も含む)

選手名指名年度とプロ入り後の成績
三平 孝広1967巨人14位
佐藤 清三郎1967巨人15位
宇佐美 和雄1968西鉄3位
長谷川 勉1974南海1位
鈴木 徳義1974大洋4位
古屋 英夫1977日本ハム2位
与田 剛1989中日1位
井納 翔一2012DeNA3位
高橋 慎之介2014(育成)巨人4位


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