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吉田輝星(金足農)、ドラ1候補を大解剖! 

2018年10月19日

10/18、夕刊フジ26面より

吉田 輝星 (金足農高・投手)
176cm・右投右打・動画

「甲子園に出る前と後では、周囲の注目が大きく変わりました。周りの環境が変わっても自分のやるべきことをぶれずにやっていきたい」。10日の進路表明会見で決意を述べた金足農・吉田輝星(動画)は、この夏を経て最も大きく人生が変わった高校生といえるかもしれない。

吉田が育った秋田県潟上市は、県庁所在地・秋田市の北東に位置する人口3万3000人のベッドタウン。金足農は秋田市の西端、潟上市との市境にある。18万平方メートル超の広大な敷地を持つ同校は牛、豚、鶏を飼育し、それぞれの畜舎には猫が住み着くなど、身近に生き物があふれている。

ところが、当の吉田は生き物が苦手。父の正樹さんは、小学校からの帰り道に野良犬と出くわし思い切り遠回りして帰ってきた息子の姿をしみじみと振り返る。マウンドで見せる気迫、負けん気とは裏腹に、今でもチームメートからカエルを近づけられると大声を上げて逃げ出すほどだ。

野球との出合いは小学1年。金足農で投手だった正樹さんが参加していた草野球チームに連れて行き、一緒にキャッチボールなどで遊んだのがきっかけで、一気にのめり込んだという。「最初はこっちが連れ出していましたが、すぐに私やおじいちゃん(祖父の理正さん)が無理やり連れ出される感じになっちゃって。投手をやり出したのは小学4年の後半くらいからです」

父や祖父を相手に繰り返すキャッチボールで基本的なフォームを身につけ、天王中3年時には最速128キロを計測し、潟上市選抜に入った。軟式野球の中学生としては、ずば抜けているわけではないが、平均以上の好投手ではあった。

才能が大輪の花を咲かせたのは、父の母校である金足農に進学してから。「1年の夏合宿の走り込みで徹底的に追い込んで、余計な脂肪はすべて落としました。ご飯も1食3杯食べなければならなくて、体重がしっかりついた上で体にキレも出てきました」と吉田。

徹底した走り込みが課される夏合宿を経て、1年夏には最速140キロをマーク。一躍将来のドラフト候補として注目されるようになった。さらに年を越すと、早朝5時半から8.5キロを走り込むなど「地獄」と表現される冬合宿で下半身強化に努めた。

「下半身の鍛え方には本当に自信があります」と本人が豪語するように、合宿前に購入した私服のズボンはしゃがんだ際に太もも部分が張り裂けた。2年の9月からは、投手育成に定評のある八戸学院大・正村公弘監督の指導を仰ぎ、スライダーを習得。今夏の秋田大会では150キロを記録しプロのスカウト陣から1位候補に推されるまでに成長した。

第100回大会の節目に突如現れたスター候補の素顔は「家では携帯を手放さずにゴロゴロしてばかり」と正樹さんにあきれられるほど、お笑いの動画をこよなく愛する普通の17歳だ。好物は「豚のタン」となかなか渋い。

地元東北のスター獲得を狙う楽天、若手投手の充実を目指す横浜DeNA、その年一番のスター選手を獲得してきた日本ハムなど複数球団が1位候補として検討を重ねている。1度は正村監督への恩義から八戸学院大への進学を決めたが、甲子園での大ブレークを経てプロ行きへと進路を変更。変転する運命をその右腕で切り開いていけるか。



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