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巨人、ドラフト失敗続きの3年間は「情報戦の敗北」

2018年10月21日

10/21、スポーツニッポン4面より

2017巨人ドラフト1位 鍬原拓也
中央大・投手・動画

「巨人は大丈夫なのか?またか?」。昨年10月末のドラフト会議。ある球団の控室で巨人が話題にあがっていた。巨人が1位で交渉権を獲得した中大・鍬原(動画)は右肘を故障していた。開幕には絶対に間に合わない。心配する声が漏れていた。

他球団の予感は的中した。複数の関係者によると、巨人は過去の故障歴はつかんでいたが、右肘の現在の状態を完全には把握し切れていなかったようだ。事実、当時の鹿取義隆GMはドラフト会議後のある日、スポニチ本紙の取材に「右肘?ないない。何も報告は来てないし、何も聞いてないよ」と答えている。

1月10日の新人自主トレ初日。やはり鍬原は一部別メニューだった。視察後、普段は温厚な人柄の斎藤投手総合コーチが「(1軍)キャンプに間に合わない時点で開幕には間に合わない」と感情をあらわにした。

無理もない。前年もドラフト1位の吉川尚が右肩に不安を抱え、同2位・畠はドラフト会議後に右肘の手術を受けていたからだ。両選手とも開幕に出遅れた。何年も情報戦に敗れていた。

高橋監督の就任に合わせ、球団は3軍を設置。当時は戦力の過渡期だった。監督就任会見に同席していた当時の白石興二郎オーナーは「若い選手を鍛え、指導していくことが求められる」と語った。若い指揮官に期待したのは世代交代の推進。だが、優れた素材がなければ、軸となる選手の育成は不可能だ。

毎年、12球団が平等に参加できるドラフト会議は、戦力強化を図る最高の舞台だが、15年のドラフト1位・桜井も未勝利。巨人は3年連続で本当の「即戦力」を獲れなかった。鍬原は今季、6試合登板で1勝2敗、防御率6.83に終わった。

例えば、セのライバルであるDeNAの東は1年目の今季に11勝5敗、防御率2.45の好成績を収めた。高橋監督就任時の3年間、ドラフト会議は失敗続きだった感を否めない。FA、トレードも含め、球団側に求めていたバックアップを受けられなかった新人監督は苦悩の道を歩んだ。



下は2017ドラフトで巨人が指名した選手です。1位・鍬原君のスカウト評はこちら

巨人の2017ドラフト指名選手
×清宮 幸太郎  
×村上 宗隆  
1位鍬原 拓也中央大投手
2位岸田 行倫 大阪ガス捕手
3位大城 卓三NTT西日本捕手
4位北村 拓己亜細亜大内野手
5位田中 俊太日立製作所内野手
6位若林 晃弘JX-ENEOS内野手
7位村上 海斗 奈良学園大外野手
8位湯浅 大健大高崎高内野手
育1比嘉 賢伸 盛岡大付高内野手
育2山上 信吾常磐高投手
育3笠井 駿東北福祉大外野手
育4田中 優大羽黒高投手
育5広畑 塁 立正大捕手
育6小山 翔平関西大捕手
育7折下 光輝 新野高内野手
育8荒井 颯太 関根学園高外野手


draftkaigi at 10:37│ │巨人 
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