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ドラフト選手の家庭の事情、甲斐野央(ソフトB1位)

2018年11月15日

11/15、日刊ゲンダイ29面「ドラフト選手の家庭の事情」より

2018ソフトバンクドラフト1位 甲斐野央
東洋大・投手・動画

「甲子園だけがすべてじゃない。もうひとつの夢があるやろ。それを絶対かなえてやる!」。大学3年の秋季大会で活躍した東洋大・甲斐野央(動画)は、父の有生さんに力強く断言した。

有生さんは兵庫県の社高校出身。当時は投手として甲子園出場の夢を抱いていたが、事情により途中退部してしまった。野球が嫌いでやめたわけではない。だからこそ、なおさら野球への思いが募ることになった。父が果たせなかった夢は、子供に受け継がれることになる。

甲斐野は3人兄弟の末っ子。9歳年上の長男は東洋大姫路で、7歳年上の次男は西脇工業で聖地を目指した。「3人とも、初めて野球場に連れていったのは高校野球の兵庫県大会開会式なんです。やっぱり、甲子園に出てほしかったですから」(有生さん)

しかし、兄2人は甲子園出場を果たせず、悲願は末っ子に託されることになった。「甲斐野の甲は甲子園の『甲』。野は野球の『野』。その中央に立ってほしいという願いから、央と名付けたんです」と有生さんはこう続ける。

「とにかくじっとしていない子で、いつも野球をして遊んでいました。ただ、私はデザイン関係の商社、妻の映子は市役所勤めの共働き。お兄ちゃん2人は年が離れているでしょう。だから、ティー打撃ができるネットとティーマシンを庭に用意してやると、放課後はずっと打ち込んでいましたよ。あとは、近所の工場で壁当て。当時はあの壁がキャッチボールの相手でした。ボールがすっぽ抜けて工場倉庫のガラスを割ったことも何度あったか・・・。工場は、またか!という反応でした(笑い)」

長男と同じ東洋大姫路に進んだ甲斐野は、2年夏の県大会決勝進出が最高成績。夢かなわず、東洋大に進学した。東洋大の高橋前監督が言う。

「高校では三塁と投手だったので、入学直後は主に野手起用。3年になってから本格的にリリーフで投げるようになった。本当は先発で大きく育てたかったんですが……。性格は天然で、どこかズレたところのある子。よく僕に『集中しないでどこ見てんだ!』と怒られてました(笑い)」

甲斐野がドラフト候補として名前が挙がり始めたのは3年の秋季リーグ。5勝1敗、防御率2.06の成績を残し、ベストナインと最優秀投手に選ばれた。その時、父にかけたのが冒頭の言葉だ。

「私はプロ野球選手にもなりたかったんです。というのも、社高校の2年後輩の森脇浩司くんが、高卒で近鉄に入って活躍していた。それを見ていたら、私も・・・という気になりましてね。野球部こそやめましたが、草野球は続けていた。ひたすら練習して鍛えて、プロの入団テストを2、3年続けて受けましたが、1次試験は受かるんですけどね・・・」(有生さん)

父が抱いたもうひとつの夢を「ドラフト1位」という最高の形でかなえた甲斐野。憧れているサファテのごとく、MAX159キロの剛球でファンをうならせることができるか。



下は2018ドラフトでソフトバンクが指名した選手です。1位・甲斐野君のスカウト評はこちら

ソフトバンクの2018ドラフト指名選手
× 小園 海斗    
×辰己 涼介    
1位甲斐野 央東洋大 投手
2位杉山 一樹三菱重工広島 投手
3位野村 大樹早稲田実高 内野手
4位板東 湧梧JR東日本 投手
5位水谷 瞬石見智翠館高 外野手
6位泉 圭輔 金沢星稜大 投手
7位奥村 政稔三菱日立PS 投手
育1渡辺 陸 神村学園高 捕手
育2岡本 直也 東農大北海道 投手
育3重田 倫明 国士舘大 投手
育4中村 宜聖 西日本短大付高 外野手


draftkaigi at 07:07│ │ソフトバンク 
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