田中浩康(DeNA戦力外)、野球の指導者めざす
2018年12月05日

2004ヤクルトドラフト自由枠 田中浩康 早稲田大・内野手・22歳 |
10月初旬に巨人と3位争いのデッドヒートを繰り広げている裏で、非情な通告を受けた。今季はわずか31試合の出場で打率・188。9月20日に出場選手登録を抹消されたが、ポストシーズンに入れば出番があると信じていたタイミングだった。10月9日。チームがCS進出を逃したことで、自らの気持ちにも整理がついた。2年ぶり2度目の戦力外通告。
「現役を続けたい気持ちはあったけど、チームの順位が確定したことで気持ちが固まりました。最後までやり抜いたという思いはあるので」。未練がないと言えばうそになるが、踏ん切りはついた。14年間のプロ野球人生にピリオドを打つことを決めた。
16年限りでヤクルトを戦力外となったときは現役にこだわった。コーチ就任の話もあったが、翌17年から活躍の場をDeNAに移した。「一度は野球を辞める覚悟をしたけど、DeNAで夢の続きを見せてもらった。心から野球を楽しめた2年間だった」
ヤクルト時代に同僚だったラミレス監督から「ダッグアウト・キャプテン」に指名され「自分には若い選手に声を掛ける役目があった」という。「(チームをまとめるために)どうした方がいいか、相談させてもらったこともある」と主将の筒香も言う。若いチームに経験豊富なベテランの存在は貴重だった。
数多くの思い出があるが、移籍1年目だった昨季の開幕戦は忘れない。神宮でのヤクルト戦。6番・二塁でスタメン出場した。「名前をコールされて両チームのファンから大声援を受けた。言葉にできないぐらい、いろいろな気持ちが入り交じった」。
試合前は複雑な感情だったが、プレーボールの直後からDeNAの勝利だけに徹した。2回の1打席目で左前打を放ち「うれしかったですね。移籍もまたプロ野球の醍醐味。それも経験できたわけですから」と振り返る。
新たな夢に向かって動きだす。「どういう形でもいいので野球に携わっていきたい。指導者は目標の一つ。いつ声を掛けていただいても大丈夫なように準備はしたい」。
今月中旬には、学生野球資格の回復研修を受ける予定だ。体力維持のために週2回のジム通いを継続している。「現役を辞めたら体の痛みがなくなると思っていたけど、全然治らない。でも、グラブを見るとキャッチボールがしたくなるんですよ」。いつまでも野球への情熱は変わらない。

ヤクルトの2004ドラフト指名選手 | |||
自由枠 | 田中 浩康 | 早稲田大 | 内野手 |
自由枠 | 松岡 健一 | 九州東海大 | 投手 |
1巡目 | (指名権なし) | ||
2巡目 | (指名権なし) | ||
3巡目 | (指名権なし) | ||
4巡目 | 川本 良平 | 亜細亜大 | 捕手 |
5巡目 | 上原 厚治郎 | 沖縄電力 | 投手 |
6巡目 | 丸山 貴史 | 愛工大名電高 | 投手 |
★プロ入り後の成績★ |
draftkaigi at 11:00│
│戦力外通告