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山口鉄也(巨人)、第二の人生はアカデミーのコーチ

2018年12月07日

12/7、スポーツニッポン4面「ユニホームを脱いだ男たち」より

2005巨人(育成)ドラフト1巡目 山口鉄也
米国・ルーキーリーグ・投手

左肩の激痛で、掛け布団をはぐことができない。9月13日の朝だった。目を覚ました巨人・山口鉄(2005育成1巡目)は肩が上がらず、起き上がることができなかった。「前日はなんともなかったけど、急に肩が上がらなくなって。限界かなと頭をよぎった」。

前日に楽天との2軍戦に登板し、1回1安打無失点。左肩を気にするどころか「気分よくマウンドを降りた」と言う。今年は1軍登板なく、3度の故障に見舞われていた。実戦復帰しては、痛め、リハビリ。無限ループに「心が折れるときもあったし、精神的にもキツかった」。

そしてこの朝、4度目が来た。今回は予兆すらなく突然で、引き際を悟ることになった。

05年、当時はまだ聞き慣れない育成選手として入団。ブルペンで同期の支配下選手がコーナーに制球するのを目の当たりにした。「これがプロか・・・。自分にはこれだという武器がない。本当に何もない」。プロ入りしただけでもうれしかった気持ちはすぐになくなり、当時3人しかいなかった3桁の背番号に「恥ずかしい」という気持ちが芽生えた。

生き残るため、肘の高さをスリークオーターに下げた。頭角を現すきっかけになった。転機はもう一つ。支配下登録された翌年の08年だ。満塁のピンチで、捕手の阿部から掛けられた言葉だった。「ど真ん中に投げてこい。ホームラン打たれてもいい」。

とにかく腕を振って直球を投げ込み、打ち取った。ベンチに戻ると「3割打ったらいいバッター。ど真ん中だって簡単には打てない」と言われた。育成時代から目指したコーナーを突く投球に「開き直り」が加わった。勝負どころで強気に攻めることができる。同年からプロ野球記録の9年連続60試合登板と突っ走った。

育成の星は新人王をはじめ、最優秀中継ぎ投手を3度、WBCで世界一も達成した。「願えば叶う」と信じてきた。プロ13年間で642試合に登板。3年前から左肩に不安を抱えてきた。周囲から「蓄積疲労」という言葉が聞こえるようになったが「それがどうしても嫌だった」と反発。

かき消すようにリハビリを続けたが、今年は07年に1軍デビューしてから初めて1軍登板なしに終わり、引退を決断した。来季、ジャイアンツアカデミーのコーチに就任することが決まった。小学6年生までの児童に「野球の楽しさを知ってもらいたい」と目を輝かせる。体現してきた「願えば叶う」ことを伝える先生になる。



山口鉄也は2005育成ドラフト1巡目で指名され入団。プロでの成績はこちら


draftkaigi at 10:00│ │戦力外通告 
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