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広島ドラフト、高卒1年目からモノが違った前田智徳

2019年02月01日

2/1、日刊ゲンダイ31面「川端順の常勝軍団のつくり方」より

1989広島トドラフト4位 前田智徳
熊本工高・外野手

午後6時からのナイターでも緒方孝市監督の球場入りは早い。朝10時には編成の部屋を訪れ、「川端さん、スコアラーはまだ来てないですか?」と言うものだから、スコアラーの朝も早くなった。

ホームゲームの場合、午前中に相手チームの映像を見る。カープの練習が終わり、ミーティングやコーチとの打ち合わせを一通り終え、相手チームが練習をしている午後4時から4時半。30分から1時間ほど監督室にこもり、目を閉じて瞑想していることがあるようだ。監督は眠れない日が多いと聞く。

緒方、金本知憲、新井貴浩が「努力型」なら、「天才型」は前田智徳(1989広島4位)である。

1990年、ベテラン選手だった私は宮崎・日南の二軍キャンプにいた。他に北別府学さん、大野豊さん、達川光男さん、川口和久ら一軍の主力が、二軍で調整していた。熊本工からドラフト4位で入団したルーキー前田のフリー打撃を見た。バットが内から出て、しなる。開かないため、センターに引っ張っているような鋭い打球を飛ばしていた。モノが違うのがすぐに分かった。

とはいえ、まだ卒業式も迎えていない高校生。日南・天福球場での紅白戦で対戦した私は、捕手・達川さんのサイン通り、直球、スライダーで追い込み、外角低めの直球で1球外した。最後は「バタボール」と呼ばれる私の伝家の宝刀・パームボールを投げた。

「三振や」と思ったら、全くタイミングが外れることなくジャストミート。強烈なライトライナーだった。こいつは必ず出てくる、と思った。前田は打撃論をこう語っている。「投手の一番良い球はアウトロー。これをイメージしながら、インサイドに来たら腰の回転で打つんです」

普通は逆である。詰まるのが嫌だから、内角を意識して外角に対応しようとする。前田は腰を回転させ、内角ギリギリの直球を右翼に打っても、打球が切れず、ファウルにならない。体が勝手に反応する、まさに「天才」である。落合博満さんや江藤智のように、バットをしならせながらボールを運ぶ技術があった。

シャフトをしならせるのも抜群。ゴルフの話である。特筆すべきは集中力。野球は左打ちだが、ゴルフは右で打つ。凡人とは練習場で違いが出る。普通は一心不乱に打つところ、前田は1球ずつボールの後ろに立ち、打ちたい方向を目視してから丁寧に打つ。練習のための練習は決してしない。

引退後、一時はプロを目指していたほどだ。スコアはほぼ70台。カープ関係者の中で一番の腕前だ。性格は物静か。納会などの酒席でも決して騒がない。飲めるのか、飲めないのか、それとも飲まないのか・・・。前田の乱れた姿を一度も見たことがない。



上の記事は広島の前編成部長、川端順氏(1983広島ドラフト1位)が書いたものです。

下は1989ドラフトで広島が指名した選手です。前田智徳は4位指名入団。プロでの成績はこちら

広島の1989ドラフト指名選手
1位佐々岡 真司NTT中国投手
2位仁平 馨宇都宮工高外野手
3位前間 卓鳥栖高投手
4位前田 智徳熊本工高外野手
5位山口 晋島田商高投手
6位浅井 樹富山商高外野手
プロ入り後の成績


draftkaigi at 07:03│ │広島 
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