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一匹狼と呼ばれたスカウトが獲得した宮西尚生

2019年12月27日

西日本スポーツ17面「一匹狼と呼ばれたスカウト山田正雄」より

2007日本ハム大・社3巡目 宮西尚生
関西学院大・投手

スカウト冥利に尽きる選手がいる。2007年度大学生・社会人ドラフト3巡目で、日本ハムに入団した関学大・宮西尚生投手(2007日ハム3巡目)。山田が同年11月のGM就任直後に獲得した。歴代単独トップの通算337ホールドをマーク。球界屈指のタフネス左腕だ。

意外にも大学4年時の評価は低かった。宮西の2年時をチェックしていた山田は「球の勢いやスライダーが良かった」と期待した。だが4年時の投球を見て「あれ?」と驚いた。「何で、こんなになっちゃったのかなと。状態は悪かった」。この時点では、球団内でもドラフト候補ではないと判断していた。

投げ方が変わっていた。「2年時は腕の位置が低かった」。だが4年時は上手投げになっていた。状態が悪い投手は他球団の評価も当然、低い。「腕を下げたら面白いと思った」。他球団からドラフトで指名されないかもしれない投手を山田はプッシュ。球団内での議論の末に指名が決まった。

宮西の1年目、08年2月に沖縄・名護で行われた1軍キャンプ。山田は、左腕の投球をチェックした。大学4年時と同じく「腕が上がっていた」。

その後、投手コーチの厚沢とたまたま会話をする機会があった。投球フォームについて聞くと「この投げ方は絶対に下です」と即答。意見は一致したが、球団では1年目投手の投球フォームをいじらないルールがあった。山田は厚沢に腕を下げるように打診し、元に戻すことが決まった。

上手投げのクセはなかなか直らなかった。キャンプ、シーズン中でも山田が気がつけば「上がっているぞ」と厚沢に伝え、厚沢が宮西に腕を下げさせた。「腕の位置を変えただけで別人になることがある。腕が上がると全然ダメ。不思議なんですよ。本人も分かっているけど上がる」

徐々にフォームは固まった。サイドスローの左腕は球界を代表するリリーパーに成長。山田の発想で選手が生まれ変わった好例だ。「宮西の中に厚沢に対してすごく感謝の思いがある」。当然、左腕は、山田にも深く感謝している。

他にも掘り出し物はいる。09年度ドラフト5位で日本ハムに入団した東芝・増井浩俊投手。通算163セーブの球界屈指の守護神。東芝時代の増井の快速球、制球力を評価していたが試合で「投げれば打たれた」。投球の際、「間がなかった」と分析し「変えたら良くなるかもしれない」と指名に踏み切った。

球団や現場コーチの尽力もあり、フォームはプロ入り後に修正された。ためをつくり、右の軸足に体重が乗って間もできた。下位指名で大成した成功例だ。

「ドラフトの下位で指名した選手が大事。いい選手は上で持っていかれちゃう。今(アマ時代)はダメだけど、ここをちょっと変えたら、という発想」。独自の視点、発想の転換で大化けする可能性がある選手を獲得する。それこそが、スカウトの腕の見せどころなのかもしれない。



下は2007大学・社会人ドラフトで日ハムが指名した選手です。宮西尚生は3巡目指名入団。プロでの成績はこちら

日本ハムの2007大・社ドラフト指名選手
1巡目多田野 数人アメリカ3A投手
2巡目指名権なし
3巡目宮西 尚生関西学院大投手
4巡目村田 和哉中央大外野手
プロ入り後の成績


draftkaigi at 07:00│ │日本ハム 
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