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ヤクルト、松坂大輔をドラフトで指名回避した真相

2020年01月31日

1/31、夕刊フジ27面「元ヤクルトチーフスカウト島原公二のトリ物帖」より

1998西武ドラフト1位 松坂大輔
横浜高・投手・18歳

1998年のドラフトは横浜高で春夏甲子園を制覇した松坂大輔投手(1998西武1位)の担当でした。

どこの球団のスカウトも、夏の甲子園は基本的に初戦しか見ません。ところが松坂の時は球団から「甲子園に残って、松坂が負けるまで見ていろ」と指示されました。こんなことは、私の30年のスカウト生活でこの時だけ。他にもヤクルトでは聞いたことがありません。

もちろん夏の決勝を見たのは、松坂の時が最初で最後。「細かいところまでチェックしておけ」ということでしたが、松坂はまさに怪物。

横浜高は全国で練習試合を行いましたが、私はほとんどの試合に足を運びました。しかし、ドラフト前に松坂本人と両親に新橋のホテルで会った時のこと。松坂の父親にあいさつしても反応がよくなかった。それで「松坂はヤクルトに来る気はないんだな」と直感しました。

松坂の意中の球団は横浜(現DeNA)と噂されていました。横浜の担当スカウトは横浜高の練習や試合に熱心に通っていたそうですが、私は横浜に比べると回数が少なかったことが影響したのではないかと、関係者から聞きました。

逆指名制度でも、高校生は以前と同じ抽選でしたが、ヤクルトはダメもとで強行指名するようなことはしません。親会社の幹部から「何があっても、獲りたい選手を指名しなければダメだ。いいと思う人を推薦しなさい」と今までないほど応援されましたが、最終的に松坂は総合的な判断で回避。横浜、日本ハムとの競合の末、意中ではなかった西武が交渉権を獲得し、入団しました。

ヤクルトは愛工大名電高の右腕・石堂克利投手(1998ヤクルト1位)を単独で指名。ドラフト前のスカウト会議では球団の上層部に「今は松坂と差がありますけど、4年後も抜くことはありませんが、いいところまでいきますから。石堂で大丈夫です」という説明がされたのですが、これには驚きました。

普通は「将来は松坂よりもすごい投手になっています。それぐらいの逸材です」と言うものです。それだけ松坂のレベルが高すぎたということでしょう。



下は1998ドラフトで西武が指名した選手です。1位指名入団・松坂大輔のプロでの成績はこちら

西武の1998ドラフト指名選手
1位 松坂 大輔 横浜高 投手
2位赤田 将吾日南学園高内野手
3位星野 智樹プリンスホテル投手
4位柴田 博之東北福祉大外野手
プロ入り後の成績


draftkaigi at 13:33│ │ヤクルト 
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