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阪神スカウトが明かす1989ドラフト舞台裏と駆け引き

2020年02月12日

2/12、デイリースポーツ12面「元阪神スカウト菊地敏幸のドラフト舞台裏」より
選手の運命を左右するドラフト会議。12球団のスカウト陣が情報を収集し、戦略を立てて臨む1年に一度の大イベントだが、指名の裏側にはいろいろな駆け引きやドラマがある。阪神で13年までスカウトとして選手獲得に尽力し、鳥谷や井川の担当を務めた菊地敏幸氏が思い出のドラフト会議を振り返る。

第1回は1989年度ドラフト会議。

この年は私のスカウト1年目。プロ野球未経験でしたが、社会人野球のリッカーのコーチ時代に山内和宏(1980南海1位)中西清起(1983阪神1位)を見ていたので「これがプロで通じるレベルなんだ」というのはありました。

そんな中、本物と思える選手に出会いました。松下電器の潮崎(1989西武1位)NTT中国の佐々岡(1989広島1位)NTT東京の与田(1989中日1位)もすごかったですが、抜けていたのは新日鉄堺の野茂(1989近鉄1位)。阪神は即戦力投手を狙っていたこともあり、野茂1位は不動。問題はもっぱら外れた場合のことでした。

高校生にも注目選手がいました。上宮の元木(1990巨人1位)です。巨人逆指名を公言していたため阪神は静観しましたが、野茂の抽選に外れたダイエーが強行。「巨人に思い通りにさせるか」というのがあったのでしょう。これもドラフトの面白さです。

この年のドラフトで注目したい点はもう一つ、下位指名の高校生です。阪神は5位で西日本短大付の新庄(1989阪神5位)を指名しました。

九州地区では新庄と熊本工の前田(1989広島4位)が有名でしたが、2人とも甲子園で大活躍はしていません。それでも新庄は上位で消えるだろうというのが当初の読みで、投手中心の指名だった阪神とは縁がないと獲得を諦めていました。担当スカウトだった渡辺省三さんも評価はしていましたが、上位で推すことはありませんでした。

ところが新庄は残っていました。阪神にとってはラッキーとしか言いようがありません。5位ではありますが、もっと上で指名されてもおかしくない選手ですから。その後の活躍を見れば新庄が大当たりだったことは一目瞭然です。

他球団を見渡しても前田が広島の4位、上宮の種田が中日の6位など下位指名の高校生がバリバリの1軍選手にまで成長しています。これはすごいことです。

その翌年、初めて担当で指名したのが静岡高校の山崎一玄(1990阪神3位)でした。その彼が入団後のある日「なんで高卒で入団した選手の3、4年後よりも、同い年の大学、社会人1年目の方が1軍で使える選手が多いんですかね」と言ってました。

それについて私は実戦経験の差だろうと考えました。当時は高卒でも上位ならば多くの出場機会を与えられるが、下位はそうはいかない。それでもはい上がった高卒下位指名の選手は、すごい実力と精神力の持ち主です。



下は1989ドラフトで阪神が指名した選手です。プロでの成績はこちら

阪神の1989ドラフト指名選手
1位 葛西 稔 法政大 投手
2位 岡本 圭治 近畿大 内野手
3位 麦倉 洋一 佐野日大高 投手
4位 古里 泰隆 福岡第一高 投手
5位 新庄 剛志 西日本短大付高 内野手
6位 吉田 浩 高岡第一高 外野手
プロ入り後の成績


draftkaigi at 08:09│ │阪神 
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