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今年ドラフトかからなければ即引退の厳しい世界

2020年05月02日

5/2、夕刊フジ43面より
新型コロナウイルスの猛威が、後がない立場でNPB(日本野球機構)球団入りを目指す、独立リーグの選手たちの心を折ろうとしている。かつてオリックス、阪神などでプレーし、今季からBCリーグ・群馬ダイヤモンドペガサスの監督を努める牧野塁氏(1992オリックス3位)が、現場に広がる危機感を夕刊フジに激白した。

チームは4月14日の練習を最後に活動停止。現在は各自で自主練習を続ける。牧野氏が選手宅の付近を通りかかった際、遠目からチェックしても「体の動きが元に戻っていることは否めない。1人だと妥協してしまう部分もあるだろうし」。

練習場所も確保できない。緊急事態宣言が全国に拡大以降はグラウンドが借りられず、「やむを得ず空き地で2、3人で練習しても苦情が届く状況。何とか解消できないか」と頭を抱える。

独立リーグの環境や金銭面での厳しさは覚悟していても、実戦を遠ざかりながら選手生命を浪費する事態は想定外だ。選手たちの立場は日に日に逼迫していく。

「NPBの場合は、当落線上の選手でも育成契約や減俸でチームに残れるかもしれませんが、独立リーグはもともと崖っぷちの選手が多いわけで、1年1年が勝負。今年のドラフトにかからなかったら、引退がすぐそこにある世界です」

牧野氏は2009年限りで引退後、横浜(現横浜DeNA)の打撃投手を経て、楽天のジュニアアカデミーコーチを7年間務めた。昨年は独立リーグ・徳島の監督に就任1年目で年間優勝。手腕を買われ、今季は群馬を指揮することになった。

だがコロナ禍の前では、これまでの豊富な指導経験の引き出しを探っても、選手にかける言葉を見つけるのは難しい。

「今年がNPB入りに向けて勝負の年という選手は分かりますから、何とか心が折れないようサポートしていますけど、初めてのことだらけで先が見通せないのは辛い。どう選手のモチベーションを見いだして、助言すればいいのか」

練習が止まって2週間後の4月27日、ウェブ会議アプリシステムを使って初めて全体ミーティング。「花は厳しい冬を乗り越えて春に咲く。大輪を目指して今は踏ん張ろう」と声をかけた。

「学生ならまだやり直せますが、独立球団を辞めたら次は(野球と)違う道になる。開幕さえすればアピールできるチャンスはあるのに…」。時間だけが無情に過ぎていく。指揮官は選手のためにできることを、自問自答する日々だ。



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