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2020ドラフト総括(デイリー特命スカウト)

2020年11月12日

デイリースポーツ10面「デイリー特命スカウトネット裏雑記帳」より
今年のドラフトはコロナ禍の影響で例年とは感じの違うドラフトになった。試合が見られずデータは少なかったかもしれないが、ある意味、選手の人気にとらわれず、スカウトの判断通りに指名できたのではないだろうか。

いつもなら各地区の担当者が早くから目を付けて追いかける。お目当ての選手が大舞台で活躍すれば、メディア露出も増えて知名度が上がり、スターが生まれる。実力本位でドラフト戦術を立てるのは基本だが、そういった人気やスター性も順位の判断基準になるものだ。

しかし、今年は選手の知名度が上がる機会もほとんどなかったため、スカウトの評価がそのまま順位に反映されることが多かったと思う。

各球団の戦略で印象に残ったのは、競合のリスクを回避してトヨタ自動車・栗林を一本釣りした広島。また、近大・佐藤の外れ1位で花咲徳栄のスラッガー井上を指名したソフトバンクと、福岡大大濠の153キロ右腕・山下を指名したオリックスは、クジを外した時点で思い切りよく即戦力から将来性に方針を転換した。

また、最も目についたのは、巨人の育成ドラフト指名の多さだ。史上最多の12人指名は、次世代のチーム作りを期待したのだろう。

今ドラフトが早大・早川(楽天1位)近大・佐藤(阪神1位)を中心に動いたことは間違いないが、直前で鍵を握る選手がもう一人出てきたのも異例だった。中京大中京高の最速154キロ右腕・高橋(中日1位)だ。

夏の甲子園での交流試合を見たスカウトなら必ず獲得したいと思った選手で、高校生時代の松坂大輔以上といっても過言ではない存在。しかし、早い時期から慶大へ進学希望と言っており、プロ側も大学へ行くものと思い込んでいた。

入試に落ちてプロ志望届の締め切り直前に届けを出した時には、各球団のスカウトも慌てふためいたことだろう。それほど、戦略全体に関わる存在だった。

その頃にはもう大学、社会人の指導者へ、1位指名の旨を伝えてあいさつを済ませている球団が大半。高橋が急にプロ志望に転じたとはいえ、簡単に方向転換はできない状況だった。プロ志望が分かっていれば、違う戦略も取れたと歯ぎしりした球団もあっただろう。

ドラフトの評価は、その球団が意中の選手を引き当てたかどうかによる。しかし、そこから先はまた別で、1位の選手が必ず活躍するとは限らない。コロナ禍という特別なドラフトでプロ入りした今年の選手たちの活躍を楽しみにしたい。


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draftkaigi at 07:00│ │ドラフト総括 
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