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あるスカウトの怒り、甲子園大会の球数制限

2021年04月18日

4/18、夕刊フジ34面より 

畔柳亨丞(中京大中京高・投手)
177cm・右投右打・動画

1日に東海大相模高の優勝で幕を閉じた第93回選抜高校野球大会で大きくクローズアップされた高校野球の球数制限問題。喉元過ぎれば何とやらで、世間ではすっかり話題に上らなくなったが、選抜大会で初適用された「1週間で500球以内」とする投球数制限は現場の指導者に重い問いかけを残した。

選抜で球数制限が注目されたのは、大会屈指の右腕だった中京大中京高のエース畔柳亨丞投手(動画)が準決勝で見舞われた必然のアクシデントが大きなきっかけだった。

初戦が大会第6日と遅かった中京大中京は準決勝までの4試合が1週間の中に詰め込まれる過密日程に。準々決勝までの3試合で先発した畔柳は投球数制限もあって準決勝では先発を回避しリリーフに回った。

だが、5日間で379球を投げ抜いてきたエースの右腕はすでに限界を超えていた。準決勝・明豊戦の4回2死から登板したが最速151キロの快速球は見る影もなく、31球で降板。試合後の「肩を作っているときから肘が重くて、力が入らない状態だった」との言葉には悲痛さだけが漂った。

この登板をつぶさにみていたあるスカウトは「1週間で500球という制限の意味のなさがこれ以上ない最悪の形で証明された。これは高野連による人災ですよ。夏の予選はすぐに始まる。1試合当たりの球数の制限やイニング制限、過密日程の解消は早く改善するべき」と怒りとともにぶちまけた。

実は現役の高校野球部監督も「いま各地で行われている春季大会をなくして、夏の予選を5月中に始めれば週末だけの試合で県予選が行えるはず。何よりも日程の緩和を最優先で考えるべき」という提言を夕刊フジに寄せている。

前出のスカウトは「一部の高校野球の関係者やファンは『高校野球で燃え尽きたいと考えている選手もいる。子供たちの気持ちを尊重して燃え尽きるまで投げさせるべき』という。一見、球児の気持ちをおもんぱかっているようにみえるがとても危険で刹那的だ。選手の将来的な可能性を摘み取ることを全く考慮していない。健全ではない」と規制に反対する一部の関係者やファンに対して指摘する。

高校野球という日本が築き上げてきた文化が、球児の可能性を狭めるという最悪の構図を変えるために変えられるものはまだ残されているはずだ。



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draftkaigi at 07:03│ │高校 
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