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【スカウト甲子園日記】風間球打(明桜)

2021年08月24日

8/24、日刊ゲンダイ26面「覆面スカウト甲子園日記」より 

風間球打(ノースアジア大明桜高・投手)
182cm・右投左打・動画

馬淵監督が率いる明徳義塾の戦略勝ちだった。22日の明桜戦のことさ。明桜には今大会ナンバーワン投手と称される最速157キロ右腕・風間球打(動画)がいる。その風間を攻略するために、明徳の打者は待球を徹底した。少しでも多くの球数を放らせ、スタミナを奪うためだ。

その結果、風間は6回で139球も投げさせられ6安打2失点、5与四球でKOされた。

この日の風間の最速は152キロだった。雨でノーゲームになった12日の帯広農戦は最速149キロ。その仕切り直しで行われた15日の最速は150キロだ。「自己ベストとの差が激しいんじゃねえか」なんて声が聞こえそうだが、これは甲子園のマウンドとの相性によるものだろう。

風間は速球派投手に多い「上体先行型」。極端に言うと、上半身を突っ込むように投げている。この投げ方だと、踏み出した前足をマウンドに突き刺して固定することが不可欠だ。

157キロを出した地方球場はマウンドの傾斜がキツイうえに軟らかい。勢いをつけて前に踏み込めるうえ、踏み出した左足で地面をしっかりえぐれて踏ん張れる。球をリリースするまでの“タメ”がつくれて、球に全出力を乗せることができたんだ。

そこへいくと、甲子園のマウンドの傾斜は緩やかだし、下はプロ仕様でガチガチに固められている。下半身主導の投手ならともかく、風間のようなタイプには不向きだ。これだと前足は刺さりにくいし、上半身の勢いもそがれちまう。

地方大会を見てきたウチの担当スカウトは「球をリリースしてから、蹴った軸足の右足が地面につくタイミングが従来よりも若干早い」と言っていた。つまり、十分なタメをつくれていないってことだね。

まだ高校生だし、こんなマウンドで投げる経験はほとんどなかったはず。それでも試合を重ねるごとに、着実に球速はアップしていたからね。負けはしたものの、むしろこの適応力は評価していい。

本人は高卒でのプロ志望を明言している。技術が十分であれば、あとは性格だ。各球団の担当はあらかた調査を済ませているはずさ。

スカウトはどうやって選手の性格をチェックするのか? 監督に尋ねるのはもちろん、オレは地方大会や普段の練習場所に“野球好きのおじちゃん”として潜り込んで、周囲から聞き取りをしたことも数知れない。

「練習熱心なの?」「監督がいないときにサボってない?」なんて、控えの後輩や保護者に聞いたりするのさ。本当はマズいのだが、身分を隠してこっそり本人に話しかけたこともある(笑い)。そうやってなるべく多くの判断材料を持って、秋のスカウト会議に臨むんだ。



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draftkaigi at 07:01│ │高校 
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