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前川(智弁学園)、阪神スカウト陣どよめく37号弾

2021年08月26日

8/26、スポーツニッポン終面より  

前川右京(智弁学園高・外野手)
177cm・左投左打・動画

勝利を決定づけると同時に相手の戦意を喪失させた。智弁学園・前川(動画)が、また打った。

9回1死一塁、カウント1―1から4番手の左腕・小沢耕介のスライダーを仕留めた。この日、初めて前に飛んだ打球は右翼から左翼に強く吹いていた浜風をものともせず右中間席に飛び込む高校通算37号。視察した阪神・和田豊テクニカルアドバイザーらスカウト陣も、どよめく一撃だった。

「苦しい試合だったけど、左投手から打てて良かった。風も吹いていたが芯(しん)で捉えライナーを打つことを意識していた」

初回、四球の後の4回は左腕バデルナのスライダーに空振り三振するなど7回までの4打席は徹底マークにあい2四球2三振。ベンチで隣に座る岡島光星に打席での印象を聞くと「力が入っているからバットが出てこない。楽に行け」と助言され、素直に聞き入れた。

試合前に届いた兄・夏輝さんの「甲子園を楽しめ」のメッセージも思い出した。9回、塁上にいた岡島は「それまで顔も硬かったが笑顔になって打てると思った」と言い、次打者席にいた山下陽輔も「オーラが出ていた。雰囲気があった」と変化を感じ取っていた。

甲子園の浜風と向き合ったスラッガーのバットの軌道が目に焼き付いている。今春の選抜前にテレビ番組の企画で、金本知憲氏が同校のグラウンドを訪問。「腰の回転を使えばボールは飛ぶ」という言葉に聞き入り、目の前でバットを振られた。あれから5カ月。鉄人のスイングに少しだけ近づけた手応えがあった。

2回戦の横浜戦の初アーチから2戦連発。左右の違いこそあれ、比較され続けたOBの岡本和(現巨人)に甲子園での本塁打数で並んだ。「最後にホームランを打って終われた。次も最高の準備をしていきます」。仲間と交わした日本一の誓い。開眼した今なら必ず実現できる。

(8月25日 甲子園大会3回戦  智弁学園 7-1 日本航空)



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draftkaigi at 06:41│ │阪神 
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