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パ・リーグ4球団の高校生一本釣りの波紋

2021年10月13日

10/13、日刊ゲンダイ終面より
ここまでスポーツ紙の予想が外れるのも珍しく、事前に1位指名選手を公表したのは、たったの2球団。ほとんどの球団が手の内を明かさないまま本番に臨んだ結果なのかどうか、1位選手の一本釣りが6球団もあったのは異例と言えば異例だろう。

11日のドラフトは、西武が4球団競合の末に西日本工大の隅田知一郎のクジを引き当てた一方で、単独1位指名が6球団もあった。中でも、パ・リーグ4球団の指名は異例だった。楽天が昌平の吉野(動画)を指名すると、日本ハムは天理の達(動画)、ソフトバンクは明桜の風間(動画)、そして、ロッテも市和歌山の松川(動画)と高校生を指名した。

12球団のスカウト活動は、昨年からのコロナ禍で選手を視察する機会が限られている。トーナメント方式で負けたら終わりの高校生を優先的に視察したことも影響しているにせよ、それ以上に育成の意識と意欲が高い。

吉野は185センチの恵まれた体躯で高校通算56本塁打。コロナ禍で実戦の機会が少なかったことを考慮すれば、かなりの数だが、スポーツ各紙は外れ1位候補にすら入れていなかった。1位指名の理由について、石井GM兼監督はこう言った。

「高校生の一番の打者で、将来の中心選手になってくれるということが優先順位として一番大きかった。監督としては即戦力の選手が欲しいなというのはもちろんあるが、(GMとして)球団のことを考えた時に目先のことだけじゃなく、3~4年後というところをしっかりとプランニングしていかないといけない」

達を指名した日本ハムも、吉村GMがドラフト前日、「その場の補強ではない。最も高いポテンシャルの選手」と言っていた。

「達は高校生の中で潜在能力の高さはピカイチ。193センチの長身で、長い腕と可動域の広さを存分に生かしつつ、低めにボールを集める制球力の高さも兼ね備えているが、体は成長過程。ロッテの佐々木朗希のように段階を踏んで育てる必要がある」(セ球団スカウト)

ソフトバンクの風間やロッテの松川も将来性を見込んでの指名。今年は即戦力を重視した西武やオリックスにしても近年は高校生を上位指名し、中心選手に育てようとする傾向がある。

一方のセは、巨人を筆頭に「即戦力」重視のドラフトだった。阪神とDeNAが高校生を1位指名したくらいで、短期的な「補強」を優先した。

一昨年の19年ドラフトはその傾向が顕著だった。育成に時間を要する大船渡高・佐々木朗希を1位指名したのはパの4球団。より即戦力に近いといわれた星稜高・奥川恭伸を1位指名したのはセの3球団だった。

「将来性のある高校生は当たり外れがあるものの、潜在能力の高い選手を時間をかけて中心選手に育て上げようとする意識はパの方が強い。それが10年連続で交流戦を勝ち越し、日本シリーズも昨年まで8連覇するなど、『パ強セ弱』の一因になっているのではないか」とは、パ球団のスカウト。

今年のドラフトの結果が出るのは数年後だが、パの優位は今後も続きそうな気配だ。



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