ドラフト選手の家庭の事情、森木大智(阪神1位)
2021年11月10日
11/10、日刊ゲンダイ27面「ドラフト選手の家庭の事情」より
「小学6年の秋には、174センチの私と同じくらいの背丈がありました」。森木(動画)が小学3年で入団した「高岡第二イーグルス」の石元恭一監督がこう言った。当時、体の線はまだ細かったが、能力は飛び抜けていた。同クラブを引退する直前の小学6年夏には127キロをマークするまでになった。
入団のきっかけは父・育悟さんとの縁。石元監督は育悟さんの1学年上で、同じ高岡中学校の軟式野球部に在籍。石元監督が内野手で育悟さんがエースだった。「足も速くて運動能力が高かった。真面目に野球に取り組んでいました」(石元監督)
地元の人たちに話を聞くと、両親もスポーツ万能だった。育悟さんは高校時代はサッカー部に所属し、インターハイに出場した経験があるという。母の仁美さんは身長が高く、バレーボールの選手として活躍。今は中学校の教師をしているそうだ。
森木はそんな両親のDNAを受け継いだのだろう。小学時代から投げるだけでなく、打っては小学校の校舎の.3階に本塁打をぶっ放した。入団当初は捕手として、小学野球では珍しく盗塁をバンバン刺した。前出の石元監督が言う。
「小学3年の夏から捕手でレギュラーでした。二塁へノーバウンドでいいボールを投げるものだから、周りのチームは盗塁のサインを出すのを躊躇していました。足も速かった。試合中の走塁はもちろん、冬場のランニング練習でも森木だけはみんなが5周走る中、プラスで何周か走り、ダッシュもやっていた。走るのが苦にならない。捕手をやっていても声もよく出るし、試合を引っ張る。率先して準備、片づけもやる、そんな子でした。野球がうまいことを周りの部員に偉ぶったりもしない。だから、私は彼を怒った記憶がないんです。お父さんには入団と同時にコーチをやってもらっていたんですけど、野球への取り組む姿勢など、スポーツ選手としてきちんとしなさいよ、ということを伝えていたように見えました」
小学時代から森木にはプロ入りという明確な目標があった。それは、中学3年時に軟式で150キロをマークして「スーパー中学生」と呼ばれ、大谷翔平に憧れていたときも、高校入学後にケガなどもあって思うような投球ができないときも、変わらなかった。
「小学5年のときに初めてプレーを見て、背が高く、将来性があると思ったと同時に、凡打を打っても全力疾走していたし、積極的に声掛けもやっていた。ぜひ、一緒に野球をしたいと思いました」。森木との出会いをこう振り返るのは、高知中時代から6年間、指導した高知高の浜口佳久監督だ。
中学入学後は柔軟性やバランスを重視した体づくりに取り組んだ。高2の春に左足首を骨挫傷するなど、ケガをしたときも、二人三脚で乗り越えてきた。浜口監督がこう言う。
「今春に一度、進路について話し合ったときに、『現時点でプロで通用するかどうかは分からないし、大学や社会人で経験を積むことも視野に入れながら、自分自身の力や周囲の評価も聞いた上で、最終的に決めよう』という話はしました。そして夏、森木から『指名順位に関係なく、プロに行きたいです』という言葉を聞き、それなら、と」
1位指名した阪神を含め、プロの評価は高かった。
「今は学校でウエートをやったり投球練習をやったりしています。まずは体力を強化して、プロの練習に慣れて。大きな目標を設定し、コツコツと野球に取り組めるところが彼のいいところ。野球に取り組む姿勢や人間性の部分は心配なく送り出せるのかなと思っていますし、一年でも長く、プレーしてほしいです」
浜口監督は手塩にかけた教え子を間もなく、プロへと送り出す。
下は2021ドラフト会議で阪神が指名した選手です。1位指名・森木君のスカウト評はこちら
2021阪神ドラフト1位 森木大智 高知高・投手・動画 |
「小学6年の秋には、174センチの私と同じくらいの背丈がありました」。森木(動画)が小学3年で入団した「高岡第二イーグルス」の石元恭一監督がこう言った。当時、体の線はまだ細かったが、能力は飛び抜けていた。同クラブを引退する直前の小学6年夏には127キロをマークするまでになった。
入団のきっかけは父・育悟さんとの縁。石元監督は育悟さんの1学年上で、同じ高岡中学校の軟式野球部に在籍。石元監督が内野手で育悟さんがエースだった。「足も速くて運動能力が高かった。真面目に野球に取り組んでいました」(石元監督)
地元の人たちに話を聞くと、両親もスポーツ万能だった。育悟さんは高校時代はサッカー部に所属し、インターハイに出場した経験があるという。母の仁美さんは身長が高く、バレーボールの選手として活躍。今は中学校の教師をしているそうだ。
森木はそんな両親のDNAを受け継いだのだろう。小学時代から投げるだけでなく、打っては小学校の校舎の.3階に本塁打をぶっ放した。入団当初は捕手として、小学野球では珍しく盗塁をバンバン刺した。前出の石元監督が言う。
「小学3年の夏から捕手でレギュラーでした。二塁へノーバウンドでいいボールを投げるものだから、周りのチームは盗塁のサインを出すのを躊躇していました。足も速かった。試合中の走塁はもちろん、冬場のランニング練習でも森木だけはみんなが5周走る中、プラスで何周か走り、ダッシュもやっていた。走るのが苦にならない。捕手をやっていても声もよく出るし、試合を引っ張る。率先して準備、片づけもやる、そんな子でした。野球がうまいことを周りの部員に偉ぶったりもしない。だから、私は彼を怒った記憶がないんです。お父さんには入団と同時にコーチをやってもらっていたんですけど、野球への取り組む姿勢など、スポーツ選手としてきちんとしなさいよ、ということを伝えていたように見えました」
小学時代から森木にはプロ入りという明確な目標があった。それは、中学3年時に軟式で150キロをマークして「スーパー中学生」と呼ばれ、大谷翔平に憧れていたときも、高校入学後にケガなどもあって思うような投球ができないときも、変わらなかった。
「小学5年のときに初めてプレーを見て、背が高く、将来性があると思ったと同時に、凡打を打っても全力疾走していたし、積極的に声掛けもやっていた。ぜひ、一緒に野球をしたいと思いました」。森木との出会いをこう振り返るのは、高知中時代から6年間、指導した高知高の浜口佳久監督だ。
中学入学後は柔軟性やバランスを重視した体づくりに取り組んだ。高2の春に左足首を骨挫傷するなど、ケガをしたときも、二人三脚で乗り越えてきた。浜口監督がこう言う。
「今春に一度、進路について話し合ったときに、『現時点でプロで通用するかどうかは分からないし、大学や社会人で経験を積むことも視野に入れながら、自分自身の力や周囲の評価も聞いた上で、最終的に決めよう』という話はしました。そして夏、森木から『指名順位に関係なく、プロに行きたいです』という言葉を聞き、それなら、と」
1位指名した阪神を含め、プロの評価は高かった。
「今は学校でウエートをやったり投球練習をやったりしています。まずは体力を強化して、プロの練習に慣れて。大きな目標を設定し、コツコツと野球に取り組めるところが彼のいいところ。野球に取り組む姿勢や人間性の部分は心配なく送り出せるのかなと思っていますし、一年でも長く、プレーしてほしいです」
浜口監督は手塩にかけた教え子を間もなく、プロへと送り出す。
下は2021ドラフト会議で阪神が指名した選手です。1位指名・森木君のスカウト評はこちら
阪神の2021ドラフト指名選手 | |||
1位 | 森木 大智 | 高知高 | 投手 |
2位 | 鈴木 勇斗 | 創価大 | 投手 |
3位 | 桐敷 拓馬 | 新潟医療福祉大 | 投手 |
4位 | 前川 右京 | 智弁学園高 | 外野手 |
5位 | 岡留 英貴 | 亜細亜大 | 投手 |
6位 | 豊田 寛 | 日立製作所 | 外野手 |
7位 | 中川 勇斗 | 京都国際高 | 捕手 |
draftkaigi at 07:03│
│阪神