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ドラフト選手の家庭の事情、松川虎生(ロッテ1位)

2021年11月17日

11/17、日刊ゲンダイ31面「ドラフト選手の家庭の事情」より 

2021ロッテドラフト1位 松川虎生
市和歌山高・捕手・動画

「あんなに早く呼ばれるなんて思わなかった。今呼ばれたのって、あのマツカワコウ? と。ハンカチ握りしめて泣く準備してたんですけど、ビックリしすぎて涙なんて一滴も出なかった」。そう振り返るのは、母の紗絵美さん(43)。

ロッテからの単独1位指名に、中学時代に所属していた「貝塚ヤング」の川端末吉監督は「自分の息子のときよりも涙腺が緩んでしまった」と言う。息子とはヤクルトの川端慎吾(2005ヤクルト3巡目)だ。

「うちに来た頃から肥えていたけど、グラブさばきもバッティングも柔らかくて、これはモノが違うなと。球速は(同じ貝塚ヤング出身の)小園健太(DeNA1位)より速くて、中学3年になっても小園と変わらなかった。松川を見に来たのは甲子園の常連校ばかりで、大阪桐蔭の西谷浩一監督が見に来たことも。20校以上はいたと思います。それでも調子に乗らず、今でもLINEで(動画などを送ってきて)『バッティングどうですか?』と聞いてくる。第二の親子の関係です」

紗絵美さんが笑って述懐する。

「小さい頃から優しくて人懐っこい子でした。川端監督のことが大好きで、『家に泊まりに行ってもいい? 遊びに行っていい?』としょっちゅう言うから、『自分は暇かもしらんけど、監督は忙しいんやから、あんまり連絡しいなや』と言ったんです。普通、何回か断られたら、あんまり連絡せんでしょ? それなのに、本人は全然気にしなくて、しつこく泊まりに行きたいと話していた。一度だけ監督から『ええよ』と言われたときがあって、電車に乗ってひとりで監督の家に行っていました」

川端監督が振り返る。

「珍しい子でしょ。監督の家なんて、遊びに来いと言っても嫌がるのが普通なのに。でも、いざ家に来たら話もせず無言のまま。じっとして家に飾ってある私や息子や娘のトロフィーを見ながら、おとなしく座ってケーキ食べているだけなんです」

野球を始めたのは小学1年のとき。兄の竜也さん(19)がプレーする姿をきっかけに、やりたいと言ったという。竜也さんは岸和田産業高まで野球部で投手。現在は大阪府内で会社員をしながら草野球チームをつくり、投手を続けている。

高校生になると肉体改造に着手。市立和歌山の半田真一監督によれば、「松川は脂肪が多くて入部した当時は106キロくらいありました。食事指導の担当者とトレーナーでメニューを作り、3年間で脂肪量より筋肉量を増やして最終的に96キロくらいまで絞った」という。

体を絞るため、紗絵美さんは2つの料理を禁じられた。

「2年生に上がる頃には、『揚げ物』と『夜の白米』は禁止されました。だから、お弁当にから揚げを入れた記憶がありません。夜はおかずだけ。何でもおいしいと言って食べてくれます、生野菜以外は。中学のとき、川端監督が『野菜が嫌いなら別に食べんでええで』と言ったので、『ほらママ、食べんでいいやん』と言われましたが(笑い)」

自宅は市立和歌山の最寄り駅から3駅離れた場所にある。大工の棟梁の父・倫久さん(44)が建てた一軒家で、高校にはそこから通っている。身内で最も野球熱が強かったのは紗絵美さんの父。少年野球の監督を務めた経験があり、紗絵美さんの兄もそのチームに所属していた。熱狂的な阪神ファンで「虎生(こう)」の名付け親でもある。

「私の父はずっと阪神ファンだったんですけど、ドラフト会議の日からロッテファンになりました。指名の後に電話があって、『こんなにうれしいことはない』って泣いてましたね」(紗絵美さん)

高校時代にバッテリーを組み、DeNAに1位指名された“相棒”の小園は書道10段で知られるが、川端監督は「松川もお父さんが代わりに書いたんちゃうかと思うくらいキレイな字。子供の字やない。(チームでつけさせていた)野球ノートにコメントを書くのが恥ずかしいくらいやった」と話す。

その達筆でノートの1ページ目に大きく書いた目標は2つ。「プロ野球選手になる」「誰からも愛される選手になる」。目標達成は近そうだ。



下は2021ドラフト会議でロッテが指名した選手です。1位指名・松川君のスカウト評はこちら

ロッテの2021ドラフト指名選手
1位松川 虎生市和歌山高捕手
2位池田 来翔国士舘大内野手
3位広畑 敦也三菱自動車倉敷投手
4位秋山 正雲二松学舎大付高投手
5位八木 彬三菱重工West投手



draftkaigi at 07:05│ │ロッテ 
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