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ドラフト選手の家庭の事情、ブライト健太(中日1位)

2021年11月22日

11/22、日刊ゲンダイ35面「ドラフト選手の家庭の事情」より 

2021中日ドラフト1位 ブライト健太
上武大・外野手・動画

50メートル5.8秒、遠投100メートル。並外れた身体能力を持ったブライト健太(動画)は、東京都足立区内の団地で生を受けた。父と母、弟の丈(17)との4人家族だ。

ガーナ人の父、アドゥ・ブライト・ジョンさんはサラリーマン。20代の頃に仕事を求めて来日し、日本語は堪能だ。母国ではバレーボール、陸上、ボクシングと幅広いジャンルのスポーツを続け、ボクシングはプロライセンスを取るほどの実力があったという。

専業主婦の母・陽子さんも高校までテニスとバスケットボールをしていたスポーツウーマンだった。健太の好物は母が作るスペアリブと父が作るガーナの郷土料理・ガーナシチュー。シチューはたまねぎやトマトをトロトロになるまで煮込んだ、辛味の強い料理だ。

「年に数回、父の気分が乗ったときに作ってくれる特別なご飯。父はとうもろこしの粉を練ったものを手で取って食べるけど、僕はお米で食べる。何杯もおかわりしてしまうくらい米が進みます」(健太)

実家では日本語と英語が入り交じった会話だというが、健太はこう言って苦笑いする。

「よく聞かれるんですけど、自分は全然、英語が話せない。それが本当に残念です(笑い)。あ、でも、父と話していることは全部理解できる。僕のことは『ちょっと英語ができる日本人』だと思ってもらえれば」

都立葛飾野高までは無名だった。ただ、こんな逸話がある。3年春の東京都大会2日前、右足首靱帯を損傷。強豪・日大三戦では松葉杖をつきながらベンチ入りすると、コールド負け直前で代打出場を直訴した。右足はまともに動かせず、バットを杖にしてバッターボックスへ。右足を浮かせて構えると、何とかバットに当て、“ケンケン”で全力疾走。内野安打にしてみせた。

この「伝説」について本人はこう振り返る。「笑っちゃうくらいボコボコにされていたので、どうにか爪痕を残したかったんです」

監督を務めていた葛飾野高の海洲安希央教諭(45)はこう話す。

「私はブライト選手が3年生の4月に赴任しましたが、1、2年生のときは鳴かず飛ばずだったと聞いていた。でも、バッティングやトレーニングに対しても人一倍意識が高かった。当時、三鷹にある野球塾にも週1回通っていて、そこで教わったバッティングフォームや指導内容を僕に教えてくれていました」

無名の都立高校から強豪の上武大(群馬)に進学。入部から半年が経とうとしていた9月、寮からの脱走事件を起こす。

「大学で初めて全国レベルの野球をやることになった。部の上下関係や技術面でもついていけないと思って逃げ出した。朝4時半に自転車こいで駅まで行って、始発を待って実家に帰りました」(健太)

すぐに実家まで部員が迎えに来た。キャプテンから「将来4番を打つ選手なんだから帰ってきてくれ」と言われ、自身はその姿がまったく想像できなかったものの、その言葉に感動して寮へ戻ることを決めたという。

父のジョンさんとは幼少期、自宅近くの公園でよくキャッチボールをしたというが、健太には「第二の父」もいた。足立区立第十一中学校軟式野球部とクラブチーム「シニアクラーク」でもチームメートだった親友の父親だ。「当時、勉強はまったくしていなかった」という健太。そんな“息子”を見かね、一冊の本を渡してきた。

「中学時代、そのお父さんから『百歩譲って勉強はできなくてもいいから、文字くらい読めるようになれ』と言われて、渡されたのが伊坂幸太郎の『グラスホッパー』という小説でした。それまで小説はまったく読んだことがなかったのに、没頭しちゃって2日くらいで読み終えた。大学に入ってからは年末に実家に帰ったときに読んだ本と新しい本を入れ替えています。最近は『ゴールデンスランバー』(伊坂幸太郎)を読みました。そのお父さんは実家に帰るたびに会うし、よく電話もする。第二の父です」

2人の父に活躍を誓う。



下は2021ドラフト会議で中日が指名した選手です。1位指名・ブライト君のスカウト評はこちら

中日の2021ドラフト指名選手
1位ブライト 健太上武大外野手
2位鵜飼 航丞駒沢大外野手
3位石森 大誠火の国投手
4位味谷 大誠花咲徳栄高捕手
5位星野 真生豊橋中央高内野手
6位福元 悠真大阪商大外野手



draftkaigi at 06:55│ │中日 
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