番記者イチ推しルーキー、林優樹(楽天6位)
2023年01月17日

2022楽天ドラフト6位 林優樹 西濃運輸・投手・動画 |
デイリースポーツの番記者がピックアップした「イチ推しルーキーズ2023」。第1回は楽天のドラフト6位・林優樹投手(動画)を取り上げる。高校時代の挫折や指名漏れ、社会人時代のケガを乗り越えて夢を実現。同世代のロッテ・佐々木朗、オリックス・宮城に追いつき、追い越す意気込みでプロの世界に飛び込む。
野球ファンなら林といえば、あのシーンを思い浮かべるはずだ。2018年夏の甲子園準々決勝。近江2年の林は吉田(現日本ハム)擁する金足農と対戦。1点リードの九回に逆転サヨナラ2ランスクイズを決められ、泣き崩れた場面だ。
「自分にとって分岐点だった。負けて悔しかったけど、本当にいい経験をさせてもらった」。野球人生で最も心に残る試合だった。
高校時代の林にとってプロは、ぼんやりと描く大きな目標だった。そんな考えが大きく変わる瞬間が訪れる。高校3年時に選出された高校日本代表で、佐々木朗(現ロッテ)に出会った。「今まで見たことのないようなボールを投げていた」と衝撃を受け、同時に「今の自分の力ではプロで通用しない」と強い危機感を覚えた。
その後、プロ志望届を提出したが、2019年ドラフト会議では指名漏れ。社会人の名門・西濃運輸に進み、危機感をレベルアップにつなげた。入社直後に左肘を疲労骨折したが「一番の課題だった体作りに重点を置けた」と肉体改造。3年間で直球の最速は15キロアップし、147キロを計測するまでになった。
高校日本代表でチームメートだった宮城が、オリックスで活躍する姿からも刺激を受けた。「こういうタイミングでカーブを投げるんだとか勉強させられた」。同じ左腕の投球術を参考にしてきた。
そして、2022年ドラフトで楽天から6位指名を受けた。「ホッとした気持ちと、3年間逃げずにやってよかった」。林の目から自然と涙があふれた。
佐々木朗からはドラフト当日に連絡が入り、入寮前日には電話をするなど頻繁に連絡を取っているという。世代を代表する右腕を含め、同級生はすでにプロで活躍している。「自分も同じ舞台に立ちたい」と1軍での活躍を誓う。
聖地への熱い思いもある。京都府出身の林は、父・雅之さんの影響で幼少期は阪神ファン。「ファンクラブに入って、甲子園には頻繁に行っていました」と振り返る。「そんな時がきたらいいなと思う」と甲子園での阪神戦登板を熱望した。
「1年でも1日でも長くプロ野球選手でいられるように」。何度も壁を乗り越えてきた苦労人は、プロでも強打者に挑み続ける。

楽天の2022ドラフト指名選手 | |||
1位 | 荘司 康誠 | 立教大 | 投手 |
2位 | 小孫 竜二 | 鷺宮製作所 | 投手 |
3位 | 渡辺 翔太 | 九州産業大 | 投手 |
4位 | 伊藤 茉央 | 東農大北海道 | 投手 |
5位 | 平良 竜哉 | NTT西日本 | 外野手 |
6位 | 林 優樹 | 西濃運輸 | 投手 |
★プロ入り後の成績★ |
draftkaigi at 06:54│
│楽天