涌井秀章(中日)、トレードの舞台裏
2023年02月21日

2004西武ドラフト1巡目 涌井秀章 横浜高・投手 |
──スポーツ紙のインタビューでは、楽天の石井監督からトレードを受け入れるかどうか、事前に意思確認されたと話していました。あらためて、移籍を決断した際の心境は?
▼涌井秀章
「トレードの話をもらったということは、ドラゴンズから(自分を)欲しいと言われたということ。そうやって言われたらやっぱり、選手としては心が動きます。それが一番の理由です。楽しそうだなっていうのもあった。奥さんに相談すると、すごく、『いいんじゃない?』って言ってくれました。(ロッテで2015年から3年間、投手コーチとして接した)落合英二さん(現・中日ヘッド兼投手コーチ)がいたのも理由のひとつです」
──西武、ロッテ、楽天とパ・リーグを渡り歩き、初めてのセ球団。
▼涌井秀章
「交流戦とかでやっているから、リーグの意識は全然なかったです。まったく対戦していないとかだったら戸惑いはあると思うんですけど。いくら『セとパで違う』と言われていても、やることは一緒。でも、投手が打席に立つから、そこは大きい。DHではなく投手と対戦するから、確実に……ではないけど、アウトは取りやすくなる。逆に、そこで打たれたらダメージは大きくなるかもしれないですけど。自分にはプラスだと考えています」
──自身が打席に立つことについて。
▼涌井秀章
「全然楽しみじゃないですね。できれば立ちたくない(笑)。打席に立つとピッチングのリズムが変わってきちゃうんで。でも、それは大きなマイナスにならないと思います」
──立浪監督は先発ローテの一角としてはもちろん、後輩のお手本としても期待を寄せている。
▼涌井秀章
「立浪監督からは『後輩とかは一切気にしなくていいから、ちゃんと自分の成績を残すことだけ考えてくれ。自分からは教えにいかなくていい』と言われています。もちろん尋ねられたらいろいろアドバイスはできるし、するつもりです」
──連日のブルペン入りの意図は?
▼涌井秀章
「シーズン中は投げ込みやフォーム固めをできないので。この時期に徹底してピッチングで体をつくっていこうと。全身を使って投げているので、疲れは出やすいですね」
──体が早く開かないための新フォームを模索するなど、進化を遂げようとしています。
▼涌井秀章
「もちろん。やっぱりスピードはもっと出したい。まずはスピード。そうしたらもっと楽に抑えられると思うので。そのために体全身を使って投げられるようなフォームに変えたんです」
──昨年痛めた右手中指の状態は?
▼涌井秀章
「感覚は普通に戻っているとは思いますけど、一年間しっかり投げてみて、どんな影響が出るか。去年は復帰して4試合しか投げていませんから。でも、(病院の)先生は『投げ続ければ感覚が戻ってくる』と言ってくれています」
──かつて目標は「50歳まで現役」と話したことがあります。
▼涌井秀章
「プロ入りした時の目標設定で、たぶんふざけていたと思うんですけど。やっぱり、山本昌さんが50歳までやったので、そこまでやれるように頑張りたい。むしろ、この年になってからそういう気持ちが強くなっています。でも、あと何年だ? ……13、14年って考えたら果てしないですよね、まだ(笑)。ようやく折り返したくらいですから。現実味はないですけど、一年一年しっかり結果を残していけば、そこまでできると思っています」

西武の2004ドラフト指名選手 | |||
1巡目 | 涌井 秀章 | 横浜高 | 投手 |
2巡目 | (指名権なし) | ||
3巡目 | 片岡 易之 | 東京ガス | 内野手 |
4巡目 | 山岸 穣 | 青山学院大 | 投手 |
5巡目 | 星 秀和 | 前橋工高 | 捕手 |
6巡目 | 藤原 虹気 | 琴丘高 | 投手 |
★プロ入り後の成績★ |
draftkaigi at 07:00│
│中日