前田悠伍(大阪桐蔭)、中日は辛口評価
2023年07月25日

前田悠伍(大阪桐蔭高・投手) 180cm・左投左打・動画 |
今秋ドラフト候補の最速148キロ左腕、大阪桐蔭の前田悠伍主将(動画)は先発で今大会初登板し、6イニングで2本塁打を浴びながらも4安打、4奪三振の2失点にとどめ、チームをベスト16進出に導いた。
フェンスを越えていく打球を、マウンドで2度も見送った。「1年生のときに紅白戦で池田(現オリックス)さんの代に2本打たれたことはあります。公式戦ではないですね」と前田。
記憶に残っていなかったようだが、1年秋の神宮大会で、九州国際大付に2本塁打されたことがあった。その一人が今春、U18日本代表候補の強化合宿で一緒になった佐倉侠史朗内野手だった。
東海大大阪仰星には、2回の2死から6番・中村優遊撃手に左越えへ先制アーチをかけられ、6点リードで迎えた6回には5番・米沢康太右翼手に右翼席へ放り込まれた。いずれも直球を捉えられた。
「インコースへ投げる球が甘くなりました。まだまだ力不足です。少し甘く入れば、夏は打たれることは分かっていました。シングルヒットはOKという気持ちでいたんですが。力不足です」。何度も「力不足」という言葉が前田の口をついて出た。さすがに悔しさを隠せない。
今春センバツの準決勝で報徳学園(兵庫)に逆転負け。その後、春季大阪大会から春季近畿地区大会と、前田はメンバーから外れた。その間、下半身を中心としたトレーニングに励み、最後の夏に備えた。
今大会前、奈良商工との練習試合では13三振を奪い、ノーヒットノーランの快投も。公式戦から離れた春の成果を、南川幸輝捕手は「センバツのときよりも球は強い。きょうはスライダーも良かったです」と話す。
ネット裏にはプロ野球12球団スカウトらが集結し、前田の投球に注目した。この日の最速は146キロ。中日・山本将道スカウトは「本来の持ってるものをまだ出し切れていない。チェンジアップが決まるから、どうしてもチェンジアップを放りたがる。状態の良いときに戻ってきてくれることを期待しています」と“全開”を心待ち。
オリックス・谷口悦司スカウトは「尻回りが大きくなり、しっかりトレーニングをしてきたことが見て取れる」と成長の跡を確認した。
(7月24日 大阪大会4回戦 大阪桐蔭 10―2 東海大大阪仰星)

