評価急上昇の森田大翔(履正社)と仲田侑仁(沖縄尚学)
2023年08月22日

この夏『ビッグ3』と騒がれた3人のスラッガーは、甲子園で柵越えを記録できなかった。高校通算140本塁打の花巻東の佐々木麟太郎内野手(動画)、通算62本の広陵の真鍋慧内野手(動画)、それに通算32本の九州国際大付の佐倉侠史郎内野手(動画)は、アーチをかけることができずに甲子園を去った。
大舞台で本塁打を放つことが指名の大きなポイントになるわけではないが、「ここで打ってくれ」という期待される場面で打つことは、将来的なイメージを膨らませることにつながる。
そうした中、この夏2本の本塁打を放った履正社の森田大翔内野手(動画)、選抜大会に続き、左翼席にほうり込んだ沖縄尚学の仲田侑仁内野手(動画)は、右の強打者リストに少なくともプラスαが書き加えられたといっていいし、スカウトがこの後の木製バットで練習する姿を多く視察する可能性が出てきた。
狙えるなら、この秋高校生スラッガーを指名した方がいいのではないかという声さえ聞こえてくる。2024年の選抜大会から、これまでより飛ばない新規格の金属バット使用になることが関係しているからだ。
「新しい規格の金属バットでは、これまでのものより10%飛ばなくなると考えた方がいい」。日大三島の永田裕治監督が新規格の金属バットでの打撃練習を見た感想をこう話していた。
打球が強く、速くなり、投手や野手に打球によるけがなどの危険性が高くなるという観点から、打球のスピードが減る新規格が設けられ、各メーカーも新製品を作り上げ、すでに練習で使用しているチームも多い。
「木製バットに近いものに」という感覚的な要望については、まだわからないが、試打段階で、芯で捉えなければ、強い打球になりにくいという点では、木製に近くなるかもしれないという声は出ていた。
高校2年、3年の時期の本塁打数や飛距離だけで選手の能力を評価するものではなく、体格、走力を含む運動能力、練習に対する姿勢もしっかりと見ていくが、ふだんの練習で外野手の頭を越えないとスラッガーとしての素材的な魅力は減る。
それに飛距離が出なくなれば、三塁に走者がいる無死あるいは1死の場面で、外野フライに期待するかスクイズに賭けるかの戦術的な面も変わってくるだろう。
今までだったら、「外野フライ(犠飛)でいい場面だったので」と本塁打後に出ていたコメントも減ってくることになりそうで、試合で強打、強振することが少なくなれば、スラッガーを発掘する機会も減り、ふだんの練習を数多く見て、将来的な能力の見極めが迫られることになる。



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