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スカウトの苦悩と本音「高校生を指名するのが怖い」

2023年08月23日

日刊ゲンダイwebsiteより (source)
プロ野球選手を志す高校球児たちのアピール場となる夏の甲子園がいよいよ大詰めを迎える。これまではプロのスカウトたちに良いプレーを見せようと懸命になる選手が大勢みられたが、「プロに行けるうちに行っとけ」と考える指導者や選手、その保護者は近年、減少傾向にあるようだ。

決勝進出を決めた仙台育英(宮城)のバッテリーや、徳島商(徳島)、北海(北海道)、沖縄尚学のエースらも大学進学や社会人への道を選ぶという。

考え方が変わったのは高校野球関係者だけではない。あるベテランスカウトのひとりは、「大卒が当たり前になっているし、日本の景気も悪い。高校生を指名するのがおっかなくなりました」と言い、こう続ける。

「若い頃は、『もしかしたら化けるかも……』というような確実性のない選手でも、球団にダメ元で猛プッシュしていました。ドラフト下位で獲得した選手が大化けしてくれたら、自分の評価がハネ上がる。野心に燃えていた時代もありましたが、今は違います」

スカウトは選手を獲得したら、それっきり――というわけではない。入団までの練習メニューを考えたり、入団直後のキャンプでも不便が無いようにサポートしたりする。

例えば、昨秋のドラフト1位で日本ハムに入団した矢澤宏太は日刊ゲンダイにこう語っていた。「新人合同自主トレが始まる前から、担当スカウトさんと話し合って、今年は“知る1年”にすると決めていました」

前出のスカウトはさらにこう言った。

「さながら親代わりです。入団から何年経っても、マメに連絡を入れる。新たに選手を獲得した際は、それ以前に自分が担当した選手たちに『コイツを気にかけてやってくれ』と頼んでいます。そして、彼らがクビになった時は真っ先に自分たちに連絡が来るのです。この瞬間が何よりもつらい」

高卒選手はセカンドキャリアに難儀するケースが多い。ほとんど“野球漬け”だったといってもいい状態から一転し、社会に放り出されるからだ。

「選手が望むのであれば、就職先の口利きをすることもあります。ただ、もう自分も若くないし、景気も悪くなる一方です。担当した選手の面倒をいつまで見られるか分かりません。高校生の選手はプロの世界でやっていけそうかどうか、より慎重に見極めるようになりました」

前出のスカウトは最後にこう漏らし、締めくくった。

「高卒の育成ドラフトは反対です。華々しくキャリアアップする選手が注目されがちですが、その陰で散っていった選手の方が圧倒的に多いから。私の立場で言うことじゃないけど、本音を言えば、よほど家庭の事情に困っていないのならば進学か就職すべきだと思っています」



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