巨人のドラフト戦略は混沌、1位は大学生投手か?
2023年09月06日

2日に開幕した東都大学野球リーグで、ドラフト1位候補が上々発進した。3日には最速155キロ右腕の中大・西舘勇陽(動画)が7回2安打1失点と好投。青学大・常広羽也斗(動画)とのドラフト1位候補対決を制した。
ある球団のスカウトがこう言った。
「西舘は7月の中ごろに右太ももを肉離れしたこともあって、巨人をはじめとするスカウトたちは、状態を気にかけていました。ケガの影響もあって2戦目の先発に回ったが、能力の高さと完全復調をアピール。西舘が調子を上げてくれば、各球団の1位候補を絞る作業は難航しそうです」
西舘の他に、再びプロの評価が急上昇しているのが、東洋大の左腕・細野晴希(動画)である。先月28日、大学日本代表の5番手として、高校日本代表との壮行試合に登板。2者連続空振り三振を取った後に158キロをマークし、自己最速を一気に3キロ更新した。これはアマチュアの左投手最速で、視察したプロのスカウトをうならせた。
球界関係者がこう言う。
「巨人も複数の幹部が視察していた。細野は元々、ドラ1リストの上位にいたけど、東都2部の春のリーグ戦で『右打者のインコースに投げ込めないし、制球難で自滅する傾向がある』とプロの評価を落とした。ただ、1部に復帰した秋のリーグ戦開幕前に158キロをマークしたので、巨人のスカウトもザワついた。全日本大学選手権で優勝した青学大の常広も、回転数の多い直球を武器に、6月の段階ではトップクラスの評価だった」
巨人投手陣は1日からの3位DeNA戦との3連戦で計29失点。2日の試合では、野手の北村拓が登板する非常事態に陥った。チーム防御率3.70は12球団中11位。3位と3ゲーム差の4位で自力CSの可能性が消滅しないギリギリのラインをさまよっている状態である。
「台湾でU18W杯を戦う大阪桐蔭の左腕エース前田(動画)も1位リストから消えていないものの、こんなチーム状態で今秋のドラフト1位指名選手に求められるのは『即戦力で1年目から2ケタ勝てる先発投手』。今年に限っては、高校生を1位指名している場合ではなさそう」(同前)
ドラフト上位候補の宝庫といわれる東都のリーグ戦開幕で、巨人の1位戦略は混沌としてきたようだ。



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