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あのドラフト選手は今・・・

あのドラフト選手は今、仲田幸司(阪神3位)

2021年03月20日

スポーツニッポン2面「タテジマ選手のその後」より

1983阪神ドラフト3位 仲田幸司
興南高・投手

人懐っこい笑顔は変わらなかった。重機が行き交い作業員が慌ただしく動く建築現場で、ヘルメットをかぶった仲田幸司(1983阪神3位)は現場を指揮していた。

一日の作業は朝早く始まる。ミーティングで作業内容の確認と安全注意事項について報告を受け、注意を促す。現場を統括するゼネコンの責任者と打ち合わせし工事の進捗をチェックする。

担当するのは主に基礎部分。一つの油断が建物の安全性、耐震性に影響するから気が抜けない。基礎部分の杭の本数や深さ、コンクリートの量が設計通りか、常に確認し細かく写真を撮り万全を期す。冬は寒く、夏は暑い。ハードな環境だが、やりがいを感じている。

「似ているところがあるんです。野球と。ミーティングをして準備し確認し、そして実行する。現場は一つのミスが大事故にもつながる。命に関わるから、決して気を緩めることはできません」

基礎部分の工事が終われば、次の現場に移る。後日、関わった現場にマンションやショッピングセンターができ、多くの人の生活の拠点になったことを確認すると、笑顔になる。

「気持ちがいいですね。決して目立つことはないけど、職人さんたちと一つになった結果、街ができれば本当にうれしい」。勝利投手になったときの充実感に似ているかもしれない。

83年ドラフト3位で入団し阪神が日本一になった85年5月12日のヤクルト戦で初勝利を完封で飾った。88、89、93年と3度の開幕投手を務めた。ボール連発で首脳陣をハラハラさせたかと思えば、はまったときは巨人打線も沈黙させる。

89年7月の伝統の一戦では完封勝利で、11試合連続完投勝利中だった相手エース斎藤雅樹に土をつけた。だが、その後は厳しい人生が待っていた。「悔いがあるとすれば、あのFA。阪神を出るんじゃなかった」。

95年オフのロッテへのFA移籍から暗転。97年限りで引退し野球解説、ラジオのパーソナリティーなどにチャレンジしたが、露出は次第に減り、仕事も私生活もうまくいかない時期を経験した。そんな時に声をかけてもらったのが掛布雅之。

「一度きりの人生。マジメに取り組め」とかつて自身のマネジャーで阪神OBの西浦丈夫が経営する建設会社「山河企画」を紹介された。「中途半端なままでは、応援してくれる人、現場の人に迷惑をかける。もう逃げない」。仕事に打ち込むことを誓い、現在に至る。

応援しているのは掛布だけではない。「マイク、元気か。メシを食おう」と昨年、連絡をくれたのが笑福亭鶴瓶だった。仲田のノーコンぶりをトークのネタにした縁はあったが、会うのは久しぶり。

近況報告を笑顔で聞いた鶴瓶からは「マイクが関わった建物なんて危なくて入れんわ」と一流のジョークで、日々の頑張りをねぎらわれた。「逃げずにやっていれば、誰かが見てくれる。だから、今できることを精いっぱいやるしかない」。仲田は再び重機の動きに視線を走らせた。



下は1983ドラフトで阪神が指名した選手です。仲田幸司は3位指名入団。プロでの成績はこちら

阪神の1983ドラフト指名選手
1位 中西 清起 リッカー 投手
2位 池田 親興 日産自動車 投手
3位 仲田 幸司 興南高 投手
4位 川原 新治 大阪商大 投手
5位 吉川 弘幸 大成高 外野手
6位 岩切 英司 住友金属鹿島 捕手
プロ入り後の成績


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あのドラフト選手は今、岩本貴裕(広島1位)

2021年03月13日

スポーツニッポン4面より

2008広島ドラフト1位 岩本貴裕
亜細亜大・外野手

サングラスとマスクを取ると、日焼けの跡がくっきりと表れる。2月のキャンプ中。岩本スコアラー(2008広島1位)は宜野座のバックネット裏が仕事場だった。

スコアラー1年目の昨季はヤクルトを担当。今年から阪神を分析する。昨季は8勝13敗3分けで負け越し。猛虎の印象は「梅野や原口、糸原が一生懸命やって、他の選手を引っている。若返ったし、良いチーム」と警戒する。

ドラフト1位の佐藤輝(近大)についても「振れる力、飛ばす力がある。あまい球は確実に捉えている。(10日に甲子園で打たれた)本塁打も外寄りの高い球だった。怖い存在」と徹底分析中だ。

広島商、亜大を経て08年度ドラフト1位で入団。地元出身の大砲として期待され、2年目に14本塁打を放ったが、その後はケガと戦う野球人生だった。右膝の痛みや血管の不具合「左腋窩動脈閉塞症」もあって、19年限りで現役を引退した。

スコアラーは分析から導き出したデータをもとに攻略の糸口を探す。「迷いを消して送り出すことが大事。思い切りプレーできる環境を作っていきたい」

限られた時間のミーティングで気をつけるのは伝え方だ。「要点をまとめ、短く言って頭に入れてあげることが大事」。コミュニケーションの本を読み込んで勉強。端的で分かりやすい言葉を選ぶことを心掛けている。

昨季を振り返り、課題は投手への助言だという。打者出身だけに、自身には投手を打ち崩すイメージがある。だから、助言しやすかった。

一方で投手への伝え方は「もっと簡潔に言った方が良かったかな」と反省があった。それでも「僕から聞いた部分もある」と、九里や森下ら多くの投手と話して投手心理を学べたことは財産だ。

「チームが勝つことが一番。そのために選手が自信を持ってグラウンドに出ていかないといけない。少しでも背中を押してあげたい」。現役時代は“ガンちゃん”と呼ばれて親しまれた優しい男は、そう言って前を向いた。



下は2008ドラフトで広島が指名した選手です。岩本貴裕は1位指名入団。プロでの成績はこちら

広島の2008ドラフト指名選手
1位岩本 貴裕亜細亜大外野手
2位中田 廉広陵高投手
3位小松 剛法政大投手
4位申 成鉉京都国際高内野手
プロ入り後の成績


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あのドラフト選手は今、遠藤良平(日本ハム7位)

2021年02月26日

デイリースポーツ7面より

1999日本ハムドラフト7位 遠藤良平
東京大・投手


現役引退から今年で20年が経つ。遠藤良平さん(1999日ハム7位)は今もグラウンド外から日本ハムを支えている。仕事は戦力編成。日本ハムGM補佐として2軍中心の若手育成プラン作成や、アマ野球の現場でスカウティングに力を注ぐ。

一方で1、2軍首脳陣とコミュニケーションを取り、方針を現場へ伝える橋渡し役でもある。「楽しいですね。忙しいと思ったことはない」。快活な笑顔が印象的だ。

昔から野球への情熱は人一倍強かった。日本屈指の進学校・筑波大付から、東京六大学でのプレーを目指して東大へ進学。1年春から神宮のマウンドに立ち、4年間で57試合に登板。東大歴代5位の8勝を挙げた。

最高峰で力を試したい・・・。東大時代に芽生えた願いはかない、99年度ドラフトで日本ハムの7位指名を受け、4人目の東大出身選手としてプロ入り。2年目に初の1軍登板を果たしたが、同年オフに戦力外通告を受けた。

「大学ではたくさん投げ、たくさん負けて、たくさん悔しさを味わった。プロでは、それすら味わえず苦しい日々だった」

ただ、戦力外通告とともに、球団から米・大リーグ球団への研修留学を提案された。「負けてばかりだけど負けず嫌い」という遠藤さん。プレー以外で野球に関わるつもりはなかったが、「魅力的だった。メジャー球団の内部に入って、見たことのない米国野球を間近で見られる」。再び情熱に火が付き、2年間の留学を選択した。

米球界で学んだ経験を生かし、帰国後からチームの強化編成に携わってきた。目に見える成果が現れにくい分、「チームの成績、勝敗はすごく気になる」。結果を唯一の評価基準として受け止める。

遠藤さんにとっての裏方とは・・・。しばらく間を置いて、こんな答えが返ってきた。「グラウンドを輝かせるための役割。選手がどう輝くかで評価される仕事」。そして、「こちらにライトが当たり過ぎても困るよ」と、こそばゆそうに笑った。

現役時代の経験を踏まえて、選手には尊敬の念を持つ。「みんな、僕にできなかったことをやっている。華々しく見えても、彼らなりの苦しみやつらさがある。それを実感できるところは、今の仕事に役に立っているかもしれない」。

胸にあるのは、選手へのリスペクト。遠藤さんは今日も人情味あふれるまなざしで選手を見つめている。



下は1999ドラフトで日ハムが指名した選手です。遠藤良平は7位指名入団。プロでの成績はこちら

日本ハムの1999ドラフト指名選手
1位正田 樹桐生第一高投手
2位田中 賢介東福岡高内野手
3位吉崎 勝ミキハウス投手
4位佐々木 貴賀高松西高投手
5位藤崎 大輔中央学院高捕手
6位神島 崇インディアンヒルズ短大投手
7位遠藤 良平東京大投手
プロ入り後の成績


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あのドラフト選手は今、佐藤達也(オリックス3位)

2021年02月21日

デイリースポーツ5面より 

2011オリックスドラフト3位 佐藤達也
ホンダ・投手

2013年、14年と2年連続でパ・リーグ最優秀中継ぎ投手を獲得した右腕はいま、ユニホームを着ていない。その人、佐藤達也さん(2011オリックス3位)オリックスの球団広報を務めている。

キャンプでは午前8時、選手より早く球場入り。午後6時ごろ、誰も居なくなったことを確認して宿舎へと帰る日々を送る。仕事はとても多い。新聞、テレビ、雑誌などメディアからの取材依頼をさばく。セッティングをして、立ち会って、原稿のチェックを行うこともある。

「選手の時は取材を受ける側だったので広報さんは大変だろうなと思っていたんですが、いざ自分がその立場になったら(笑い)。こんなにいろいろやってくれてたんだなって思いました」

現役時代の活躍を覚えているファンは多いと思う。プロ2年目に67試合に登板すると、4年連続40試合以上に登板。毎日毎日投げる姿から“鉄腕”と呼ばれるようになった。

こんな話がある。登板過多を危惧した当時のコーチ陣からオフのノースローを言い渡された。にもかかわらず、佐藤さんは隠れて投げた。神戸にあった青濤館のブルペンに一人で現れると、300個は入るボールカゴを横に置いて延々と投げた。当然、見つかって怒られた。

「下手なんで、投げないと不安なんです」。広報になってもその姿勢は変わらない。休みのはずの移動日。取材現場に佐藤さんが現れることはしばしば。町豪将広報部チーフは「休めって言ってるんですけど」とあきれ顔。そんな光景はこの2年、何度も見てきた。

なぜ休もうとしないのか、聞いてみるとしばらく考え込んだ。「もしかしたら子供の頃、母親に『他人に迷惑だけはかけたらダメ』と言われたのが残っているのかもしれません。野球も下手でしたし、仕事もまだ全然できていませんから」

苦笑いでこう話した。

1月11日、佐藤家に第3子が誕生した。周囲からはキャンプ前半で育休をとることも勧められたが、断ったという。強い責任感と、手を抜かない姿勢。報道陣は尊敬の意味を込めて佐藤広報のことを“鉄腕”と呼んでいる。



下は2011ドラフトでオリックスが指名した選手です。佐藤達也は3位指名入団。プロでの成績はこちら

オリックスの2011ドラフト指名選手
1位 安達 了一 東芝 内野手
2位 縞田 拓弥 JR東日本 内野手
3位 佐藤 達也 ホンダ 投手
4位 海田 智行 日本生命 投手
5位 庄司 龍二 ジェイプロジェクト 捕手
6位 堤 裕貴 佐賀龍谷高 内野手
7位 小島 脩平 住友金属鹿島 内野手
8位 川端 崇義 JR東日本 外野手
プロ入り後の成績


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あのドラフト選手は今、藤井秀悟(ヤクルト2位)

2021年02月16日

2/16、デイリースポーツ4面より

1999ヤクルトドラフト2位 藤井秀悟
早稲田大・投手

藤井秀悟さん(1999ヤクルト2位)は現役時代に4球団を渡り歩いた。ヤクルト、日本ハム、巨人、DeNAで計15年間プレーし、引退後は15~19年に巨人で打撃投手。20年からはDeNAで打撃投手と広報を兼務している。

DeNAの裏方は、二つの仕事を兼務することが必須。藤井さんは「もう1段階挑戦しようと思い、もし野球が終わっても世界が広がる」と、打撃投手と広報の“二足のわらじ”を選択した。

広報としては、主に球団公式Twitterで撮影から編集、投稿までを担当。「多くの選手を知っていただけるように心掛けています」。DeNAは若手が多い。彼らの認知度を上げるために、露出を増やすことに重点を置く。

「野球好き以外の人にも興味を持ってもらえるTwitterにしたい」と意欲的だ。今春キャンプは無観客で、来場できないファンのためにも選手たちを追い続けている。

藤井さんはもう一つの仕事である打撃投手を「天職」と言う。言い切れる背景には、現役時代の苦しい経験がある。今治西高、早大時代に「左肘内側側副靱帯」を損傷した。

プロ入り後も03年に違和感を覚えた。四つの病院を回った結果、全てで「手術が必要」と言われた。開幕後、初めての手術に踏み切った。

140キロ台後半だった直球は術後、140キロを切った。手術前の変化球はカーブだけ。当時の正捕手・古田(現野球評論家)から「カーブだけでは通用しない」と言われたことでモデルチェンジを決断した。後輩左腕の石川たちに質問攻め。ボールに指で握る位置を書き、感触を確かめながら変化球を覚えた。

結果、04年以降も10年間、現役を続けられた。だからこそ、今は打撃投手として、何よりも投げることに生きがいを感じる。

逆指名でヤクルトに入団し、手術を経て日本ハムへトレード。そこから巨人へFA移籍し、村田修一の人的補償で巨人からDeNAへ。最後は自由契約…。貴重な経験を積んだ。酸いも甘いも味わった現役時代の財産は、広報にも打撃投手にも生きている。藤井さんはあらゆる形で選手をサポートしていく。



下は1999ドラフトでヤクルトが指名した選手です。藤井秀悟は2位指名され入団。プロでの成績はこちら

ヤクルトの1999ドラフト指名選手
1位 野口 祥順 藤代高 内野手
2位 藤井 秀悟 早稲田大 投手
3位 米野 智人 北照高 捕手
4位 細見 直樹 比叡山高 捕手
5位 花田 真人 中央大 投手
6位 本間 忠 日本文理高出 投手
プロ入り後の成績


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