巨人、美馬(楽天)&鈴木(ロッテ)獲り明言
2019年11月05日

巨人・原監督は4日、FA宣言選手の所属球団以外との交渉が3日に解禁されたことを受け、球団幹部が調査を行う意向を示していた楽天・美馬学投手(2010楽天2位)とロッテ・鈴木大地内野手(2011ロッテ3位)の獲得に乗り出すことを明言した。
「まず、美馬君に対しては、手を挙げたということですね」と明かし、「150(イニング)近く投げられる人というのは、なかなかいそうでいない」と、今季143回2/3を投げ、通算でも4度、シーズン140投球回以上をマークしている右腕の魅力を語った。
内野の全ポジションを守れる左打者の鈴木には「(阿部)慎之助の穴を埋め、選手層を厚くするというのにおいては、非常に今のジャイアンツには必要な選手じゃないかと思います」と、評価を口にした。

スカウトの逆襲、秋山翔吾に立ちはだかる年齢の壁
2019年11月04日

2010西武ドラフト3位 秋山翔吾 八戸大・外野手 |
海外FAでメジャー挑戦する秋山翔吾(2010西武3位)に需要があるのは間違いない。すでに外野が埋まっているわたしの球団はともかく、中堅手が補強ポイントの球団が少なくないからだ。是が非でも欲しい球団でも「2年10億円」が精いっぱい、3年目は球団側のオプションだろうと以前コラムで書いた。
長打力や肩の強さに疑問があるうえ、打席で淡泊な点が気になる。三振数が多いのだ。似たタイプでメジャー挑戦した青木(現ヤクルト)の前年までの三振数が47、65、61、55だったのに対し、秋山は103、97、96、108とほぼ倍近い。
加えて致命的なマイナスは年齢だ。秋山がシーズンを迎えるのは32歳。ごく一部のスーパースターを除き、メジャーは30歳を過ぎた選手に対してシビアなのだ。
昨オフ、クオリファイング・オファー(約19億3000万円)を蹴ってアストロズからFAになったサイ・ヤング賞左腕カイクルは、今季開幕後も移籍先が決まらず、6月に約14億円でブレーブス入り。
同様の金額を拒否してレッドソックスからFAになった4年連続セーブ王のキンブレルも、6月になってようやくカブスへ移籍。金額は3年総額4300万ドル(年平均約15億5000万円)。カイクル同様、FAになったがゆえに結果としてクオリファイング・オファーを下回る金額しか手にすることができなかった。
30歳を過ぎたとたん、メジャーを代表する投手ですら買いたたかれるのが現状だ。
メジャーのほぼ全球団がデータを重要視するようになったここ3、4年は、特に30歳を過ぎた選手が冷遇される傾向が強い。各球団は選手の年齢とパフォーマンスをデータ化しており、30歳を境にガクンとパフォーマンスが落ちるという結果が出ている。
むろん、データは重要だが、個人差はある。同じ30歳でも性格や取り組み方次第で、おのずとパフォーマンスも変わってくる。データだけを根拠に十把ひとからげにしてしまえば、我々、スカウトの存在価値自体もなくなってしまうが、メジャーはデータ重視の傾向にいよいよ拍車がかかっている。
秋山は10月31日の強化試合で死球を食らい、右足薬指の骨折が判明。プレミア12の辞退が決まったが、それより何より大きな障害となるのは年齢の壁だ。
(メジャーリーグ覆面スカウト)

西武の2010ドラフト指名選手 | |||
1位 | 大石 達也 | 早稲田大 | 投手 |
2位 | 牧田 和久 | 日本通運 | 投手 |
3位 | 秋山 翔吾 | 八戸大 | 外野手 |
4位 | 前川 恭兵 | 阪南大高 | 投手 |
5位 | 林崎 遼 | 東洋大 | 内野手 |
6位 | 熊代 聖人 | 王子製紙 | 外野手 |
★プロ入り後の成績★ |
中日、福田秀平(ソフトバンク)獲り参戦
2019年11月03日

2006ソフトバンク高校ドラフト1巡目 福田秀平 多摩大聖ヶ丘高・内野手 |
FA宣言選手が公示されたこの日、中日・加藤球団代表は本紙の取材に対し、こう答えた。「走攻守そろった素晴らしい選手。獲得に向けた交渉をすることになると思います。競合は必至ですが、ドラゴンズの良さを訴えたい」。改めてソフトバンクからFA宣言した福田秀平外野手(2006ソフトバンク1巡目)の獲得に乗り出す意向を示した。
今季FA権を取得した福田は、2015年に当時のプロ野球記録となる32連続盗塁をマーク。その俊足を生かした外野の高い守備力を誇り、打撃でも、今年のポストシーズンで2本塁打を放つなど長打力もある。
福田がFA宣言をした10月25日に与田監督は「もちろん興味がある選手」と明言し、加藤代表も「調査に値する選手」と語っていた。その後も調査と議論を重ねた結果、出した答えが「参戦」だ。
福田はFAの人的補償のいらないCランクと見られ、激しい争奪戦が必至。西武、ロッテは獲得に乗り出すことを既に表明しており、ヤクルトや楽天も興味を示す。ソフトバンクも工藤監督が直接出馬して残留要請するなど流出阻止に必死だ。
中日は交渉では最大限の誠意を見せ、条件面では4年の長期契約提示を検討しているもよう。交渉が解禁となる3日以降にアタックし、その熱い思いを伝える。

ソフトバンクの2006高校ドラフト指名選手 | |||
1巡目 | 福田 秀平 | 多摩大聖ヶ丘高 | 内野手 |
2巡目 | 指名権なし | ||
3巡目 | 伊奈 龍哉 | 近江高 | 外野手 |
4巡目 | 李 秉諺 | 岡山共生高 | 内野手 |
★プロ入り後の成績★ |
巨人・原監督、「FAしたら参加するのが巨人」

巨人・原辰徳監督がFA獲得に乗り出すことを表明した。FA宣言選手が公示された2日、具体名は挙げなかったが「FAしたら参加するのがジャイアンツ。そうしないとFAがダメになる。やっぱりFAというのは選手の名誉なこと。誰かは参戦すると思う」と明かした。
球団は楽天・美馬(2010楽天2位)、ロッテ・鈴木(2011ロッテ3位)を本格的に調査し、慎重に動向を見極めている。
巨人は13年から6年連続でFA選手を獲得。昨年も西武から炭谷、広島から丸が入団して優勝に貢献。原監督は「(交渉で)こちらの意見を聞いてもらうのは大事。選手、ルールに対する感謝と敬意だと思う。今年は(FAに行かない)なんて楽観視していたらいけないと思う」と新たな血を入れる意義を強調した。
育成も目指す原監督は「与那原は面白いよね。沼田はきっぷのいい球を放るよね」と秋季キャンプに抜てきした育成選手の投手たちに期待。補強と並行して若手を鍛えていく。

巨人、FA補強は鈴木(ロッテ)と美馬(楽天)狙い
2019年10月30日
10/30、日刊ゲンダイ31面より
巨人の大塚淳弘球団副代表編成担当が28日、国内FA権行使を表明したロッテ・鈴木大地の獲得に乗りだすと明言した。鈴木は今季、打率・288、15本塁打、68打点。いずれもキャリアハイの成績をマークした。
内野の全ポジション、外野も守れるユーティリティープレーヤーで、大塚副代表は「阿部が引退して、どこでも守れるとなると魅力的ですね」と明かした。鈴木はこの日、ZOZOマリンで「今季の起用やポジションがFAにつながったわけではない。新しいことをやらせてもらって、すごく勉強になった一年だった」と振り返っていた。
巨人はさらに、楽天・美馬学も調査することを明かした。大塚副代表によると、8勝5敗だった今季の143回3分の2の投球回数を評価。「開幕からシーズンを通して投げる投手は貴重。日本シリーズで負けて投手力不足というのがはっきり見えた」と説明した。さる球界関係者がこう言う。
「関東でのプレーを希望している美馬については、ロッテも手を挙げているが、巨人入りが濃厚です。鈴木もしかり。美馬、鈴木は2人ともBランクのため、規定ではこれでFA補強は終了。早々と2人との獲得交渉を表明するリスクは大きい。これから大物が表明しても身動きが取れなくなるからです」
どういうことか。これは沖縄で侍ジャパンの強化合宿中の西武・秋山翔吾が関係している。今季は179本で最多安打のタイトルを獲得。2015年には日本新記録となる年間216安打をマークした球界屈指の安打製造機だ。メジャー挑戦を最優先として移籍先を探る一方、条件面などで折り合わず、国内移籍の選択肢が出てきた場合に備え、楽天、ソフトバンク、DeNAなどが調査を進めている。
「秋山はこのオフの目玉。当然、巨人も調査しました。でも、メジャー志向が強いのか、はたまた日本球界の可能性はありでも巨人には来ないのか。いずれにしても、秋山が巨人へ移籍する可能性はないと判断したのでしょう。だから、大塚副代表が早々と2人の名前を出したんです」(前出の関係者)
FA権行使の申請は11月1日が締め切り。3日から交渉が可能になるが、電光石火の表明は自信の表れだ。かつてない速さでFA補強は片付きそうだが、果たしてこれで巨人は強くなるのか――。昨オフの内海、長野のように人的補償として2選手を失う可能性もある。疑問符が拭えない関係者は多そうだ。巨人の歴代ドラフト指名選手はこちら