日本ハム
日本ハムの話題の新人、中山晶量(四国IL徳島)
2023年01月27日

2022日本ハム育成2位 中山晶量 徳島インディゴソックス・投手・動画 |
日本ハム育成ドラフト2位指名の中山晶量投手(動画)は一言で表せば「実直な男」だ。年明けに千葉・鎌ケ谷の勇翔寮に入寮した際は「隣の部屋の方に配ろうかな」と、愛飲しているスポーツ飲料の“手土産”を持参したほど。律義な性格は経営者家系で形成されてきた。
祖父は徳島市で一般廃棄物の収集・運搬などの事業を行う会社「三幸クリーンサービスセンター」を立ち上げ、父は専務を務める。「家族も含めて自分の周りの人は大切にしなさい、とずっと言われてきた」。
指名漏れした明大卒業後、自身も同社の取締役に就任。役員報酬という金銭サポートを受け、独立リーグで挑戦することができた。
独立リーグ時代は金銭面で苦労していなかったが、中山は「社会勉強がしたい」と、自主的にマクドナルドでアルバイト。オフシーズンには多い時で週5日、平日6時間ほどレジに立った。「接客は人とのコミュニケーションが大事」。時にはファンや友人らが立ち寄り、応援が自身の力になってきた。
体づくりを一から見直した2年目の昨季は最速150キロを計測。先発、救援とフル回転して22試合で4勝4敗3セーブを挙げ、育成契約ながらプロ入りという夢をかなえた。
「家族にも1年でNPBに行きます、と言っておいて2年かかってしまったので。その分、受けた恩も大きい。NPBでいいニュースを届けて恩返しがしたい」。「取締役」の肩書を持つ異色のルーキー。まずは春季キャンプで“名刺代わり”の快投を見せ、支配下登録に向けてアピールする。

日本ハムの2022育成ドラフト指名選手 | |||
1位 | 藤田 大清 | 花咲徳栄高 | 外野手 |
2位 | 中山 晶量 | 四国IL徳島 | 投手 |
3位 | 山口 アタル | テキサス大タイラー校 | 外野手 |
4位 | 山本 晃大 | BCリーグ信濃 | 投手 |
★プロ入り後の成績★ |
draftkaigi at 07:01|この記事のURL│
あの甲子園優勝投手は今、南竜次(ドラフト4位)
2023年01月17日

1990日本ハムドラフト4位 南竜次 天理高・投手 |
「もともと全然大したことない選手でしたから、プライドが邪魔をするなんてことはありませんでした」。こう話すのは、現在、家電製品の設置や飲食店経営などを手掛ける「株式会社AIRECサービス」の代表取締役を務める南氏(1990日本ハム4位)だ。
天理高時代の1990年、夏の甲子園優勝投手となり、日本ハムにドラフト4位で入団。4年目に肘を痛めたことが原因で、97年に戦力外に。一軍での登板はわずか11試合にとどまった。翌年、米独立リーグに挑戦するも、半年後に帰国。最初に就いた職は引っ越しのアルバイトだった。
「大阪の実家に帰って、すぐバイトを始めました。日本ハムからもらった契約金は両親に渡していましたが、もう残ってなかったんですよ(笑)。とりあえず割のいい仕事ということで日当1万円ほどの引っ越しバイトを。『あれ、南君じゃない?』なんて話しかけられても、恥ずかしいとかまったく思わなかった。元プロ野球選手だぞ! 甲子園V投手だぞ! なんて、おごることもない。そもそも甲子園優勝はトーナメントによる運も大きいですから!」
一般人が音を上げるような作業でも難なくこなし、3カ月ほどで正社員に勧誘された。しかし、給料面の問題で断り、次に灯油の巡回販売員のアルバイトに就いた。
灯油を積んだ車で、スピーカーで宣伝しながら決められた道を巡回するこの仕事の給与は歩合制。繁忙期の冬は朝7時に出社し、8時ごろにタンクローリーに乗り込む。順路の途中で灯油が空になったら、事務所に戻って補給し、中断地点から再開。仕事を終えて会社に戻るのは夜10時ごろで、そこから精算作業をすると、退社時には日付が変わっていたという。
「週6回の勤務でした。そんな生活を送りながら、引退後初めての冬を越しました。月収は70万円ぐらい。しんどかったけど、稼げたんです。この会社は冬に灯油を売り、夏はエアコンの設置を請け負っていた。だから、夏場は先輩の見習いとしてエアコン設置に付いていき、ノウハウを学びました」
会社の業績は好調で、99年10月には名古屋支店がオープン。南氏にとっては願ってもない展開となった。
「現役時代から付き合っていた当時の彼女で今の妻は、名古屋に住んでいました。それまで、大阪から会いに行っていたので、本当にラッキーだと。名古屋支店の立ち上げメンバーに立候補して、正社員になった。支店の課長の肩書も付きました。店長と私の2人だけでしたけどね(笑)。ちょうどこの時期に結婚しました」
新生活を始めた南氏だが、思わぬ事態に見舞われる。(つづく)

日本ハムの1990ドラフト指名選手 | |||
1位 | 住吉 善則 | プリンスホテル | 内野手 |
2位 | 石本 努 | 別府大付高 | 内野手 |
3位 | 小島 善博 | NTT九州 | 投手 |
4位 | 南 竜次 | 天理高 | 投手 |
5位 | 小牧 雄一 | 三菱自動車水島 | 捕手 |
6位 | 真栄喜 正和 | 川崎製鉄水島 | 外野手 |
★プロ入り後の成績★ |
draftkaigi at 06:53|この記事のURL│
度会隆輝(ENEOS)、日本ハム絶賛「天才的」
2023年01月06日

度会隆輝(ENEOS・外野手) 183cm・右投左打・動画 |
フルスイングを身上とするなかで、対応力の高さを示す。昨夏の都市対抗は、ENEOS・度会(動画)の魅力が最大限に発揮された大会だった。
大会4本目のホームランは、決勝の大舞台。昨秋のドラフトで広島が3位指名した東京ガス・益田武尚投手の直球を右翼席へ打ち込んだ。「落ちる球を意識するなか、真っすぐに反応して打てた。自分の成長を感じたし、一年で最も記憶に残る一打でした」と振り返る。
「天才的。うまい。この言葉しかありません」と日本ハム・坂本スカウトは評する。「外の球を待っているところに内が来たら、くるっと(体が)回ってライトスタンドへ。逆の場合は、うまく(バットを)遅らせて左中間へヒットを打つ。教えてできることではないですね」
久々に現れた社会人野手のスター候補生は、熱い気持ちを前面に出すスタイルでも魅了する。決勝のヒーローインタビューでは「絶対やってやると決めてました! 最高で~す」と絶叫し、東京ドームを沸かせた。
「父は、ガッツにあふれ負けん気が強い選手でした。意識しているというより、自然とそうなりました」。最近「お父さんに似てるね」と声をかけられることが増えたといい、「父は僕の憧れ。『お前は頑張った』と言ってもらえるようになりたい」と目を輝かせた。
度会には、自身の言葉で紡いだ人生の指針がある。夢は、夢のままじゃかなわない。夢を目標に変えた時、初めて近いものになる・・・。
名門・横浜3年の時にプロから声がかかることはなく、いったんはついえた夢。それでも「攻走守の全てにおいて自分を超える」と心に決めてENEOSで鍛え、50メートル走は6秒1から6秒0に。遠投は110メートルから118メートルへ伸びた。
「成長があったから、目標に変えることができた。かなえなければならないな、と思えるようになりました」。伸びしろ十分の二十歳は、確かな自信を胸にドラフトイヤーに臨む。


draftkaigi at 06:52|この記事のURL│