阪神
阪神、ドラフト大成功でセ・リーグ優勝!
2023年09月15日

スターティングメンバーには新外国人ノイジーを除いて生え抜き野手が並ぶ。中軸を担う森下(2022阪神1位)、大山(2016阪神1位)、佐藤輝(2020阪神1位)はいずれもドラフト1位で獲得した選手。「ドラ1クリーンアップ」は後半戦の阪神打線で“顔”の一つとなった。
2018年から本格的にチーム編成に関わっている嶌村球団本部長は「5年前からこういうチーム、こんな感じのチームがいいなと思っていた、想定していたチームに近いところに来ている」と胸を張る。
金本、矢野両監督が率いた8年間を「改革期」と位置付け、それまでの外国人選手やFA選手に頼った「対症療法」から方針転換し、日本人を中心とした長期的に戦えるチーム作りに着手した。
端緒となったのが18年度ドラフトだった。1位で藤原、辰己を外した後に近本(2018阪神1位)を獲得。さらに2、3位で手薄だった遊撃手を連続指名し、将来のレギュラー候補として小幡、即戦力候補で木浪が入団した。徹底した戦略で課題だったセンターラインの強化を図った。
19年度は一転して西純、及川ら高校生を中心に指名。20年度には即戦力として大卒、社会人を求め、1位で佐藤輝、2位で伊藤将らを獲得した。この年度は5位村上、6位中野、8位石井と今季の主力が数多く名を連ねており、“神ドラフト”として称賛を浴びた。
忘れてはならないのが現役ドラフトでの成功だ。今季加入した大竹は自身初の2桁勝利で大躍進を果たした。2軍戦での投球も見ていたという嶌村氏は「全会一致」で獲得に踏み切ったと明かした。
嶌村氏は「ドラフトは何を捨てるか」と語る。18年度ドラフトは極端な戦略でもあったが「『センターライン』と決めたら後は捨てていく作業も必要」と説明する。
フロント主導でも現場主導でもない。「現場とフロント、親会社が三位一体となり、当事者意識を持って同じ目標に向かうことが大事」と力を込める。「正当性を持って、道理にかなうというか、ファンの方が見ても分かるような、そういう編成をしたい」。地道な戦略がようやく実を結んだ。

draftkaigi at 07:03|この記事のURL│
阪神の1位指名は前田と佐々木の一騎打ちのウワサ
2023年09月10日

台湾でU18W杯を戦っている日本が8日、プエルトリコに10-0の五回コールド勝ちで決勝進出を決めた。先発した沖縄尚学・東恩納蒼が5回を完全投球。10日に行われる地元・台湾との決勝の先発は、馬淵史郎監督にエースに指名されている大阪桐蔭・前田悠伍(動画)である。
今大会は3日の米国戦で6回途中無失点。7日の韓国戦も4回無失点とほぼ完璧な内容で、中2日で迎える大一番の登板に備える。そんな前田のプロの評価が再上昇しているという。
「ウチは台湾には行っていないけど、東京ドームでの大学との壮行試合を視察に行って『夏の大阪大会の時より良くなった』と話題になった。今年の1位候補は、全体では大学生がメインだけど、前田も1位の12人には入ってくる」とはある球団のスカウトだ。
そこで優勝マジックを10として「アレ」目前の阪神が浮上する。在阪の球界関係者がこう言った。
「ひと昔前、『阪神はドラフトベタ』と揶揄されましたけど、今は補強組よりドラフトで獲得した生え抜きが投打で主力に成長。特に本格派右腕の才木や西純といった高卒でイキのいい投手が多い。戦力に余裕が出てきたことで、東洋大・細野や青学大・常広といった競合しそうな大学生より、地元・大阪桐蔭の前田を1位候補として見直しているようです。高校生では通算140本塁打で歴代1位の花巻東・佐々木麟太郎(動画)も最上位にリストアップされています」
前田vs佐々木麟──。「虎の恋人」は高校生ナンバーワン投手とスラッガーの一騎打ちの様相を呈しそうな気配だ。


draftkaigi at 07:04|この記事のURL│
津田淳哉(大経大)、巨人と阪神が熱視線

津田淳哉(大阪経済大・投手) 178cm・右投右打・動画 |
プロ注目の最速152キロ右腕・津田淳哉投手(動画)が9回5安打2失点と好投し、延長10回での勝利を呼び込んだ。直球は140キロ台前半ながら変化球を織り交ぜ、龍谷大打線を抑えた。
1-0の5回に四死球から味方の失策やスクイズで2点を失って逆転されても、崩れなかった。同点の9回は2死三塁から真っすぐと緩いカーブで追い込み、最後はスライダーで空振り三振。サヨナラ負けのピンチを切り抜け、直後の味方の勝ち越しにつなげた。
「相手が完全に真っすぐしか狙っていなかったので、しっかりバッターを見ながらキャッチャーと相談しながら投げれたのが成長できた。いつもよりスピードがあまり出ていなかったんですけど、それでも9回を通して真っすぐで押せたので質は良くなっていると思います」
阪神などでコーチを務め、今年から就任した高代延博監督は春との違いを力説した。
「真っすぐの質と角度が春と違う。あとはフォークボールがいいね。それと何よりいいのが、ストライク先行するコントロールがいい。春みたいに球が高く浮いてフォアボールがきっかけでというのがあったけど、それがなくなってきた」。さらに「この先の進路のことを考えるといいアピールをしたんと違うかな」と続け、目尻を下げた。
すでにプロ志望届を提出すると明言している津田に対し、この日は阪神と巨人が視察。巨人・桜井スカウトは「うまく緩急を使って投げている。コントロールがいいし乱れることないので、先発でゲームを作れる。試合で投げながら調整している」と評価した。
(9月9日 関西六大学野球 大阪経済大 3―2 龍谷大)


draftkaigi at 07:03|この記事のURL│
生田惇一郎(北九大)志望届提出へ、阪神・広島ら視察
2023年09月04日

生田惇一郎(北九州市立大・投手) 178cm・右投左打・動画 |
プロ注目の北九大150キロ右腕・生田惇(動画)が2番手で今季初登板した。2年春、秋に3勝し、最速150キロを記録したがここ1年は未勝利。「制球難で苦しんだが腕を下げスリークオーターぎみにしたら安定した。打者に向かっていく投球が戻ってきた」
阪神、広島など複数球団スカウトが視察する中で2回無失点。ドラフトに向け「志望届を出します」と吉報を待つ。
(9月3日 九州六大学野球 北九大 13―0 九国大)

draftkaigi at 10:00|この記事のURL│
首位快走の阪神、裏にはドラフト戦略の成功あり
2023年08月19日

優勝マジック29が点灯している阪神は17日の広島戦で今季12度目の零封負け。8カード、約1カ月ぶりのカード負け越しも18年ぶりのリーグ優勝へ突き進んでいる。
岡田彰布監督の采配が注目されているが、その土台には、近年、大卒、社会人を重点的に指名してきた球団のドラフト戦略の成功がある。一方、4位に低迷する原巨人は「発掘と育成」を掲げ、数年後を見据えたチーム作りに取り組んでいる。現時点で明暗をわけている両軍は、どんな近未来が待ち受けているのだろうか。
阪神は近年のドラフト戦略が見事にハマり、結果として実を結びつつある。
あるパ・リーグ球団幹部は「阪神は大卒、社会人のドラフトで成功している。2016年の大山、18年の近本、木浪に20年は佐藤輝と伊藤将、村上、中野と今季の主力を獲得できている。去年のドラフト1位の森下もこのまま1軍に定着しそう。ここ数年のドラフトの勝者じゃないか」とたたえる。
「派手さはないけど確実にヒットを積み重ねている。ドラフトにおける大ホームランを狙っていない。投手でも野手でもそう。即戦力の見極めがうまいというのかな」と同幹部。戦力の積み重ねが、今季の快進撃につながったとみる。
一方で、近未来に目を向けると不安な面ものぞく。「阪神は高校生の野手が育ってないんだよな。あまり上位の枠を使ってこなかったのも一因だろうけど。坂本、岡本(ともに巨人)や村上(ヤクルト)はあのドラフト戦略からは出てきづらい」と指摘。17日の広島戦でスタメンに高卒野手は0人で、ベンチ入りも原口、小幡の2人しかいない。
同幹部は「だから今の阪神からWBCの日本代表でレギュラーになれる選手が何人いるかというと難しい。将来メジャーに行く選手がいるか、と言い換えてもいい」と堅実な即戦力志向のチーム戦略のために小さくまとまった選手が多くなる傾向にあると分析した。
一方でライバルの巨人は阪神から11.5ゲーム差のかなたに置いていかれている。すでに自力優勝も消え、開幕前に読売上層部から厳命された優勝はライバルにさらわれそうな情勢だ。
しかし球団幹部は「ある程度この結果は想定していた部分もある。『発掘と育成』元年の20年に育成選手を含めて20人以上入れ替えた。芽が出るにはもうしばらく掛かる」と世代交代に時間がかかっていると説明する。
今季は20年ドラフト5位の秋広優人内野手がレギュラーに定着。
「秋広は本当に順調に出てきてくれた。いま、ウチのファームの試合には他球団の編成担当が毎日のように来ている。オフに戦力外になりそうな選手に目を付けようとしてるってことだよ。それくらいファームへの評価は高い。来年、再来年に花が咲くはず」と手応えを感じている。
現状のファームから大きく開いた戦力差をひっくり返せるほどのインパクトを生み出せるのか。
今秋のドラフトでは高校生は花巻東・佐々木麟太郎、広陵・真鍋彗、九州国際大付・佐倉俠史朗の各内野手が目玉とされ、大学生投手にもドラフト1位クラスが多く豊作とみられている。数年先を左右する秋がまもなくやってくる。



draftkaigi at 06:43|この記事のURL│