広島
広島の話題の新人、清水叶人(健大高崎高)
2023年01月26日

2022広島ドラフト4位 清水叶人 高崎健康福祉大高崎高・捕手・動画 |
広島4位・清水(動画)が打てる捕手として自信を深めたのは、高2の秋季大会だった。群馬県大会と関東大会で計3本塁打。青柳博文監督から「プロに行けるぞ」と背中を押されたことがきっかけで、目指すべき場所が変わった。
「当初は東京の大学に進学したいと思っていたが、監督の言葉でプロを意識するようになった」
捕球から二塁送球の到達まで1秒77と、強肩には自信があったが、打撃でも頭角を現し、高校通算25本塁打をマーク。そして憧れのプロのユニホームに袖を通した清水は「最終的には3割30本を目指したい」とプロでも“打てる捕手”を理想に掲げた。
目標となるのが、広島の先輩・坂倉だ。同じ高卒捕手でドラフト4位。右投げ左打ちと共通点が多い。入寮直後には大野練習場で偶然、坂倉のバットを見つけると、メーカーの担当者に直談判して坂倉から譲り受けた。新人合同自主トレでは早速、先輩捕手の道具を使用して練習に励む。「先輩にも自分から話しかけますし、緊張しないタイプ」。物おじしない性格も魅力だ。
入寮の際には幼い頃から趣味だという素潜りに使用する「シュノーケル」を持参して、同期たちを驚かせた。「父がもともと(素潜りが)好きで、自分も川に行ってみたら楽しくて、はまった。広島でも潜れる機会があればと思って…」。
夏休みにはモリを持って、近所の川で魚を捕っていたといい、少年時代は自然と触れ合う機会が多かったという。野性的な性格も野球に生かされるはず。「いずれは1億円プレーヤーになれたら」と夢は果てしなく大きい。

広島の2022ドラフト指名選手 | |||
1位 | 斉藤 優汰 | 苫小牧中央高 | 投手 |
2位 | 内田 湘大 | 利根商高 | 内野手 |
3位 | 益田 武尚 | 東京ガス | 投手 |
4位 | 清水 叶人 | 健大高崎高 | 捕手 |
5位 | 河野 佳 | 大阪ガス | 投手 |
6位 | 長谷部 銀次 | トヨタ自動車 | 投手 |
7位 | 久保 修 | 大阪観光大 | 外野手 |
★プロ入り後の成績★ |
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広島がスカウト会議、「今年は高校生中心で行く」
2023年01月13日

広島は12日、マツダスタジアム内の球団事務所で約1時間の第1回スカウト会議を開き、高校生147人など計265人をリストアップした。
今秋ドラフトに向けて白武佳久スカウト部長は「方針として今年は高校生中心でいく。毎年即戦力も取るのですけど、次世代を見ると薄いんじゃないかということで高校生中心でいい選手を取って、ところどころで即戦力を取れるように」と次代を担う高校生中心の指名方針を明かした。
会議の中では大阪桐蔭の左腕、前田悠伍投手(動画)、同じく左腕の享栄・東松快征投手(動画)、地元広陵のスラッガー、真鍋慧内野手(動画)ら目玉といわれる選手たちを映像で確認。高校通算106本塁打の花巻東・佐々木麟太郎内野手(動画)も話題に上がったという。
1位指名が投手、野手いずれになるかは決めていないというが「先発は大瀬良とか25歳以上の選手が多いので次世代の投手を取りたい。将来的に先発のできる高校生の投手を探さないといけない」と素材重視で将来のエース候補を探す。
昨年のドラフトでは1位・斉藤(苫小牧中央)、2位・内田(利根商)と高校生2人を上位指名。今年も同様の方針で未来の常勝軍団構築を目指す。




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中山勝暁(高田)、巨人・広島など視察済み
2022年12月27日

中山勝暁(高田高・投手) 178cm・右投右打・動画 |
三重県内屈指の進学実績を誇る高田の6年制コースに在籍する中山勝暁(動画)が実力の片りんを見せたのは、2年夏の三重大会1回戦だった。23年春の選抜21世紀枠の東海地区候補校に選ばれた木本相手に5回まで最速146キロを計測し無安打投球。右手中指の爪が割れて6回1失点で降板し、チームも敗れたが、その名を上げた。
「夏にはこのチームで甲子園に行きたい。胸を張って言えるよう取り組んでいきます」。2年秋は爪の回復が遅れて公式戦登板なしも、10月末以降の実戦登板では享栄・東松と投げ合って145キロを計測するなど23年へ向け順調。
医学部進学も狙えるほど成績優秀だが、プロ入りも含めて「全て可能性の一つ」と文武いずれも手を抜くことなく、可能性を探っていく。巨人、広島なども視察済みの秀才右腕。ドラフト戦線をにぎわせるか。

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ドラフト選手の家庭の事情、斉藤優汰(広島1位)
2022年12月03日

2022広島ドラフト1位 斉藤優汰 苫小牧中央高・投手・動画 |
北海道岩見沢市。冬場には積雪2メートルを越えることもある雪深い町で生まれ育った。厳しい寒さの中、母の明美さん(56)は夜勤の看護職をしながら女手ひとつで斉藤をプロの世界へ送り出した。
同じ苫小牧中央で投手をする弟の翔太さんと共にドラフト会議の指名を待った明美さんは斉藤から「ここまで育ててくれてありがとう」と花束を贈られ、「本当にうれしいです」と涙ぐんだ。感謝の向かう先は、母親だけではない。野球部の副部長を務める横井美可教諭(養護担当)はこう言う。
「非常に気遣いができる子で、友人に対しても教員に対しても、次にしようと思っている動作を先に読んで行動する。例えば何かを取ってほしそうだったら、『取りますか?』と声をかけたり。そういう気配り、目配りができる子でした」
また、勉学の分野でも優等生。苫小牧中央は特別進学コースと一般コースに分かれているが、斉藤は特別進学コースで入学。常に学年1、2位を争う好成績だったという。
「入学当初から非常に勉強ができる生徒で、本人は数学が得意だと言っていました。野球部の練習で時間がない中、時間を見つけて寮に帰ってから30分でも机に向かう時間を自分なりにつくっていたようです。5時半ごろに起きて勉強している日もあるというのを同じ寮生が目撃していて、(目撃した生徒が)『自分にはできません……』と話していました」(横井副部長)
入学式翌日から新型コロナウイルスの影響で高校は休校に。1カ月間登校できず、部活動も禁止になった。寮も一時的に出ることになったが自宅で自主練習に励み、体づくりを続けていたという。ただ、その優しく生真面目な性格が、時にはアダとなることも。渡邊宏禎監督はこう話す。
「おとなしくて真面目な性格。そのおとなしい性格が影響して、勝負勘というのが少し足りないところもあった。バッターに向かっていく気持ちとか、責任を感じすぎる部分があったので、『ひとりで野球をやってるんじゃない』というようなことはよく言ってきました。それはプロ入り後の課題でもあると思う。未完成なので、広島カープには伸びしろを買っていただいたと思っています。もしかしたら、優しすぎるところは変えていかないといけない部分かもしれないですが、広島という地域の人から好感を持たれるような、息の長い選手になってほしい」
現役引退後も寮生活を続け、グラウンドで300メートル走20本など走り込みや体幹トレーニングに毎日精を出しているという。優等生の「伸びしろ」は広島でどこまで開花するか。


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