田嶋大樹(JR東日本)、阪神スカウトが追う!
2017年02月28日

田嶋 大樹 (JR東日本・投手) 180cm・左投左打・動画 |
アマナンバー1左腕の呼び声も高いJR東日本・田嶋大樹投手(動画)。高校時代も上位候補の評価を受けたが、社会人野球で己を磨くことを選んだ。社会人と23歳以下の日本代表も経験するなど、順調な成長の背景にあったのは、プロ入り後も見据えた3年計画の体作り。期待され続けた大器が、ドラフトイヤーで集大成を披露する。
天性のしなやかさに、芯の通った強さが備わってきた。ギリギリとバネを引き絞り、ビュンと力を放つ。田嶋の快速球は、そんなイメージがふさわしい。
佐野日大では3年春にセンバツ4強。肩の広い可動域を生かしたキレのある140キロ台中盤の直球、鋭いスライダーで甲子園を沸かせた。スカウト陣もそろって上位候補にリストアップした。
社会人入りは、3年夏の敗戦が大きかった。2季連続の甲子園をかけた栃木大会決勝。満を持して先発したが、左脇腹を痛めて途中降板。エースの務めを果たせなかった。痛感したのは体の弱さ。プロで通用する投手になるべく、3年間をかけた体作りを決意した。
入社直後から公式戦に登板しながら、長期の計画を立てた。1年目は基礎体力の強化を重視。持久力をつけようと、とにかく走り込みに励んだ。2年目のテーマは投げるスタミナ。キャンプでは定期的に150球以上の球数を設定し、ほぼ毎日ブルペン入りした。
「だいぶ強くなったと思います。ランニングが苦手だったけど、いいペースで走れた」。今年1月の始動日には、充実の表情を浮かべていた。体重は入社時の72キロが77キロに。最速も145キロから152キロに伸びた。「体重はあと2、3キロ増やしたい。体が細いと言われるので、そこも強くすれば球速ももう少しいけるかな」と、3年目の青写真を描く。
日本代表の経験も生かした。15年に社会人代表でチームメートだった山岡(オリックス)には、メンタル面の助言を仰いできた。「打たれたらどうしようとか細かいことを気にせず、堂々とやる」という姿勢を身に付けた。昨秋のU―23代表では、腰を痛めて登板はなかったが、プロの若手に生活面の実態をリサーチ。体のケアなど自己管理の重要性を確認した。
高校時代から担当する阪神・平塚スカウトは「一番いいところは、やっぱり腕の振り」と魅力を説明。社会人野球の厳しさに身を置いて「1年目は崩れ出すとガタガタいったが、2年目は修正されてきた」と、精神的な成長も感じ取った。
過去2年間は都市対抗出場に貢献しながら、本大会では2年連続初戦敗退。「今度こそ優勝したい。先に点を取られることが多かったので、味方が点を取るまでゼロに抑える」と、今季の目標を掲げる。
平塚スカウトは「球がいいのは分かっている。注目したいのは結果かな。局面でのメンタルや自覚はどうなのか」とポイントを挙げた。誰にもケチをつけられることのない内容と成績こそ、田嶋にとって集大成となる3年目のノルマ。「プロに行くなら、1位で行きたい」という言葉を現実にする社会人野球の修了証となる。


2017社会人のドラフト候補 <投手> | |
鈴木康平(日立製作所) | スカウト評 |
田嶋大樹(JR東日本) | スカウト評 |
西村天裕(NTT東日本) | スカウト評 |
柏原史陽(JX-ENEOS) | スカウト評 |
江口昌太(JX-ENEOS) | スカウト評 |
鈴木博志(ヤマハ) | スカウト評 |
山本大貴(三菱自動車岡崎) | スカウト評 |
中山匠(キャプテイ) | スカウト評 |
阪神ドラ1・大山悠輔、マルチ安打に監督も絶賛

2016阪神ドラフト1位 大山悠輔 白鴎大・三塁手・動画 |
これが本来の姿だ。阪神のドラフト1位・大山(動画)は紅組の「7番・三塁」で出場しマルチ安打を記録した。3回、先頭で打席に入ると岩田から、チーム初安打となる三遊間突破の左前打。5回無死二塁では、岩貞の外より直球を捉え二遊間突破の中前打と、キャンプ中盤までの不振がウソのように、快音を連発した。
「形というよりも、積極的に振れているから結果が出ていると思う。しっかり振りにいけているのはいいこと。自分の持ち味でもあるので、続けていきたい」
別人のようにバットが走る。8日の紅白戦から5試合15打数無安打とどん底に沈んでいたが、22日の紅白戦で「プロ初安打」を放って以降は3試合連続安打で計8打数5安打。「全体的にレベルアップできた」と言う手応え通り、打席での戸惑いやスイングの迷いが感じられなくなってきている。
追い込まれてからの余裕が結果に結びついている。チームミーティングでは「(追い込まれてから)違うスポーツというくらい意識を変えろ」と言われている。7回、同期の小野との対戦でカウント3―2からファウルを打った際にバットを折られたが、冷静に対処し続くボールを選び四球。安打が出ない呪縛から解き放たれたことで、対応力も発揮しつつある。
金本監督は「良いポイントで打っている。あれだけ前で打つ打者、少ないからね。だんだん慣れてきたら、もっと良いものが出てくる」と評価。「(引き続きオープン戦で打席に)立たせたいよね」と、今後も1軍に帯同させることを明言した。
「これからもオープン戦は続く。もっとレベルアップできるように、一日一日無駄にせずにやっていきたい」。トンネルは抜けたが、本当の勝負はこれから。立ちはだかる壁を乗り越えた先に、目標の「開幕1軍」が見えてくる。
(2月27日 阪神紅白戦 紅組 2―2 白組)

阪神の2016ドラフト指名選手 | |||
1位 | 大山 悠輔 | 白鴎大 | 内野手 |
2位 | 小野 泰己 | 富士大 | 投手 |
3位 | 才木 浩人 | 須磨翔風高 | 投手 |
4位 | 浜地 真澄 | 福岡大大濠高 | 投手 |
5位 | 糸原 健斗 | JX-ENEOS | 内野手 |
6位 | 福永 春吾 | 四国IL・徳島 | 投手 |
7位 | 長坂 拳弥 | 東北福祉大 | 捕手 |
8位 | 藤谷 洸介 | パナソニック | 投手 |
高卒2年目・広岡大志(ヤクルト)、開幕1軍へ前進

2015ヤクルトドラフト2位 広岡大志 智弁学園高・遊撃手・動画 |
ヤクルトは27日、沖縄・浦添キャンプを打ち上げた。真中満監督はキャンプを総括し、2年目の広岡大志内野手(動画)を3月4日のソフトバンクとのオープン戦以降も1軍に帯同させることを明言。ルーキーイヤーの昨季は
9月29日に初めて1軍に昇格した山田2世が、初の開幕1軍へ大きく前進した。
1カ月間のキャンプを打ち上げた燕軍団。強い日差しの下、真中監督は「(1、2軍の)入れ替えは考えていない」とし、今後も広岡を1軍に帯同させると明言。若き大砲に期待を寄せた。「1軍のキャンプでいろんなコーチと接して、普段学べないことができたと思う。3月のオープン戦には帯同させる。チャンスがあれば使っていく」
今キャンプ、誰よりも泥臭く練習したのが広岡だった。初の実戦となった13日の韓国ハンファとの練習試合では初打席本塁打もマークした。本職は遊撃手だが、川端が椎間板ヘルニアで離脱したことで空席となった三塁でも存在感を示した。
首脳陣の評価は高い。杉村チーフ打撃コーチは「(打撃は)まだまだ。でも、若手だから山田みたいに急に伸びるかも」。守備と走塁は三木ヘッドコーチと二人三脚で磨いており、前日26日には室内練習場で約1時間の特守。盗塁時の重心のかけ方や膝の送り方など、徹底的にたたき込まれている。
広岡は「充実していた。一つと言われても表せないぐらい、いろいろな練習ができて役に立った」とキャンプを振り返った。昨季はDeNA・三浦大輔氏の引退試合となった9月29日の試合で1軍に初昇格し、本塁打を放った。自身初の開幕1軍を引き寄せた19歳は、3月31日の開幕・DeNA戦での先発出場を視野に、さらなるアピールを期す。

ヤクルトの2015ドラフト指名選手 | |||
× | 高山 俊 | ||
1位 | 原 樹理 | 東洋大 | 投手 |
2位 | 広岡 大志 | 智弁学園高 | 内野手 |
3位 | 高橋 奎二 | 龍谷大平安高 | 投手 |
4位 | 日隈 ジュリアス | 高知中央高 | 投手 |
5位 | 山崎 晃大朗 | 日本大 | 外野手 |
6位 | 渡辺 大樹 | 専大松戸高 | 内野手 |
★プロ入り後の成績★ |
ロッテドラ1・佐々木千隼、シンカー封印で巨人抑えた
2017年02月27日

2016ロッテドラフト1位 佐々木千隼 桜美林大・投手・動画 |
上々のデビューにも笑顔はなかった。実戦初登板となった佐々木(動画)は、1回を無安打に抑えながら失策絡みで1失点(自責0)。「これからの課題が見つかったので、それは良かったかなと思います」。デビュー戦の緊張から解き放たれても表情は険しいままだった。
高いレベルで課題を見つけた。1点リードの4回、2番手として登板したドラ1右腕は先頭の重信を2球で追い込みながらも仕留め切れず、8球目に遊ゴロ失策で塁に出した。その後、1死三塁から阿部に初球をあっさり中犠飛され、1点を献上。苦しい投球のようにも見えたが、実は違う。
19日の紅白戦後、伊東監督からこう言われていた。「できるだけシンカーを使わずに抑えろ」。この日は田村と「左打者にシンカー以外を決め球に使おう」と決めてマウンドへ。重信に苦戦したのも、伝家の宝刀を封印したことが影響している。
勝負球には、外角のボールゾーンからストライクに入ってくる「バックドア」のスライダーを3球投げた。いずれも決まらず「うまく投げられなかったです」と肩を落としたが、結果を求めがちなデビュー戦で見せたしたたかな投球は、高い能力の表れ。指揮官も「良かったんじゃないかな」と評価した。
(2月26日 オープン戦 ロッテ 6―2 巨人)

ロッテの2016ドラフト指名選手 | |||
1位 | 佐々木 千隼 | 桜美林大 | 投手 |
2位 | 酒居 知史 | 大阪ガス | 投手 |
3位 | 島 孝明 | 東海大市原望洋 | 投手 |
4位 | 土肥 星也 | 大阪ガス | 投手 |
5位 | 有吉 優樹 | 九州三菱自動車 | 投手 |
6位 | 種市 篤暉 | 八戸工大一高 | 投手 |
7位 | 宗接 唯人 | 亜細亜大 | 捕手 |
育1 | 安江 嘉純 | BCL・石川 | 投手 |
育2 | 菅原 祥太 | 日本ウェルネス大 | 投手 |