中日ドラ1・柳裕也、自滅で1イニングで降板
2017年03月03日

2016中日ドラフト1位 柳裕也 明治大・投手・動画 |
ひとつのアウトが重い。「見ての通りでしょ」。先発マウンドに上がったドラフト1位の柳裕也(動画)は、苦笑いするしかなかった。中田と大谷の二枚看板が不在とはいえ、1軍クラスが居並ぶ日本ハムの上位打線。意識するなというほうが難しかった。
先頭の西川は2球で二ゴロに仕留めたが、続く中島の術中にはまる。カット打ちの名手に追い込んでから3球連続でファウルで粘られ、根負けの四球。2死となり、レアードへの4球目で盗塁を許すと、打席にいた昨季の本塁打王には外角低めのカットボールを左前に運ばれた。
4試合目の実戦で初めて許した生還。何とか炎上は食い止めたが、1イニングで30球もの球数が苦しさを象徴していた。2回裏に場内アナウンスが告げる投手交代。「僕からは何も言えません」。オープン戦初登板は、1安打2四球の1失点。結果的に勝ち投手にはなったが、苦い記憶となった。
複数イニングを予定していた中での降板に、友利投手コーチは「点を取られたら替えると言ってあった。だから替えた。あれ以上見ても一緒でしょ」と説明。昨季の日本一に敵地で先発した姿には「あのカクテル光線の中で雰囲気も違う。(精神的に)変わるのは当然」とフォローした。
開幕ローテを争う他の若手が5イニング前後を投げている時期に、いまだ最長で2イニング。ふるい落としの3月に入り、後退にも近い足踏みは否めない。友利コーチは今後も先発機会を与える方針を示しながらも「投げ込みしないとね」と指摘。試合をつくっていく体力面の向上も求めた。
それでも、ただでは転ばないのがドラフト1位。試行錯誤の姿も見せた。「すべての球種で抑えにいく」と語っていた通り、春季キャンプで練習してきたチェンジアップを解禁。1死一塁で迎えた田中賢には外角低めに制球して三邪飛に仕留め、温めてきた武器に兆しも見えた。北の大地で得た経験と教訓。胸に刻み付け、しぶとく前進してみせる。
(3月2日 オープン戦 中日 5―1 日本ハム)

中日の2016ドラフト指名選手 | |||
1位 | 柳 裕也 | 明治大 | 投手 |
2位 | 京田 陽太 | 日本大 | 内野手 |
3位 | 石垣 雅海 | 酒田南高 | 内野手 |
4位 | 笠原 祥太郎 | 新潟医療福祉大 | 投手 |
5位 | 藤嶋 健人 | 東邦高 | 投手 |
6位 | 丸山 泰資 | 東海大 | 投手 |
育1 | 木下 雄介 | 四国IL・徳島 | 投手 |
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│中日