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阿部(巨人)、ドラフトで最も熱心だったのはヤクルトだった

2017年08月16日

8/15、日刊ゲンダイ26面より

2000巨人ドラフト1位 阿部慎之助
中央大・捕手・21歳

長年、激務の捕手を務め、故障も多かったが、よくぞたどり着いた。慎之助(2000巨人1位)が中大に在籍していた頃、私はOB会長だった。リーグ戦で初めて見た時の印象は「強肩」。ガッチリした体格で肩が強い、捕手らしい捕手だと思った。

東京の安田学園高時代は高校通算38本塁打というものの、中央球界で名の知れた捕手ではなかったと思う。中大は当時、東都リーグの2部に低迷。父の東司氏が中大出身ということで入学したようだ。

大学4年の2月、招待選手として日本ハムの春季キャンプに参加していた慎之助を現地で視察した。逆方向のレフトへ本塁打していて、その場にいた東司氏に「打撃もいいね」と言うと、「今、知りました?」とニヤリと笑っていた。

2000安打の達成にもつながるが、技術的には右腕のたたみ方が抜群にうまい。だからインコースを苦にしない。これは教えてもなかなかできない。社会人野球を経験している父の指導か天性か大学時代にはもう武器にしていた。

この頃のプロ野球のドラフトには逆指名制度があった。早くから熱心だったのは実はヤクルト。担当スカウトが通い詰めていた。当時のヤクルトは古田敦也が全盛期で正捕手として君臨していた。慎之助が2、3年の頃だったか、東司氏が「ヤクルトの古田さんの下で2、3年鍛えてもらって・・・と言うので、私は「とんでもない」と反対した。

コーチならまだしも、バリバリの現役捕手が新人を指導するはずがない。それより、正捕手の村田真一(現ヘッドコーチ)がベテランに差し掛かっていた「巨人の方がいいよ」と進言したのを覚えている。


私が2008年から中大の監督を務めた際、オフに「時間があったら大学のグラウンドに顔を出してやってくれよ」と電話をかけたことがある。すでに巨人の中心選手だったが、「分かりました」と二つ返事で来てくれ、選手たちは大喜びだった。

定期的にバットや打撃用手袋、プロテクターやレガースなどの用具類をポンと寄付してくれたのも随分助かった。4年時は主将だった。後輩の面倒見がいい兄貴分のような性格は、今も変わっていない。



上の記事は巨人、東映(現日本ハム)で活躍し、引退後は中央大監督を務めた高橋善正氏が書かれたものです。

下は2000ドラフトで巨人が指名した選手です。阿部慎之助は1位指名入団。プロでの成績はこちら

巨人の2000ドラフト指名選手
1位阿部 慎之助中央大捕手
2位上野 裕平立教大投手
3位三浦 貴東洋大投手
4位根市 寛貴光星学院高投手
5位川本 大輔広陵高投手
6位山下 浩宜九共大八幡西高内野手
7位小野 剛武蔵大投手
8位李 景一敦賀気比高捕手
プロ入り後の成績


draftkaigi at 11:08│ │ドラフトのウラ話 
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