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ドラフト選手の家庭の事情、西舘昂汰(専修大)

2023年12月13日

12/13、日刊ゲンダイ22面「ドラフト選手の家庭の事情」より 

2023ヤクルトドラフト1位 西舘昂汰
専修大・投手・動画

「背が大きくなってほしいと、中学生の時も夜9時半には早く寝なさいと。夜更かししたい年頃なので本人は嫌がっていましたが『早く寝ないと添い寝しちゃうぞ』と冗談を言って無理やり寝かせました(笑)」

こう話すのは、母の祐三子さん(55)だ。身長188センチの大型右腕は4人きょうだいの末っ子として、スポーツ一家で生まれ育った。東大卒の8歳上の長男は野球とソフトボール、6歳上の次男はラグビーとアメフト、3歳上の姉はバスケットボールと陸上にそれぞれ打ち込んだ。

祐三子さんも学生時代にスポーツ経験こそないが、趣味でスイミングやサッカーをするなど大の運動好きだ。そんな家庭で育った西舘は小学校低学年はラグビーをやっていた。小学4年になって長男の影響でソフトボールの吉木オリオールズに入団。全国大会にも出場した。同チームの迫雄介監督(45)が言う。

「主に捕手をやり、座ったまま約23メートル先の二塁に矢のような送球を投げ、盗塁を刺すほど肩が強かったですね。アタマも良くて、しっかりと配球も考えていた。チェンジアップを見せておいてズバッと内角を突いたり、ボールを1個分、2個分外すという細かいサインも駆使するほどでした」

中学時は二日市ボーイズで投手と二塁手を務めた。高山喜好監督(69)がこう言う。

「センスがいい、というのが第一印象です。投手では捕手経験を生かし、配球を捕手任せにせず自分でも考えて投げていた。ランニングや冬場の体力トレーニングもまじめに取り組んでいました」

ひたむきな姿が、筑陽学園の江口祐司監督(61=現総監督)の目に留まった。

「入学時に身長185センチほどありましたが、体重は70キロ弱と線が細かった。1年の5月の練習試合で1イニング10失点して、『この体格ではパフォーマンスは上がってこない。体力づくりが大事だ』と。3年になってからが勝負だと思っていたので、2年夏はあえてベンチに入れず筋トレなど体づくりに励んでもらった。本人は悔しかったと思いますが、2年秋には体重が80キロを超えてきて、中学時代に最速113キロだった直球は、2年秋の九州大会で144キロをマークするまでになった。西舘は体を大きくしようと、大きな弁当箱にパンパンに詰め込まれた白米とおかずを長い時間をかけて胃袋に詰め込んでいました」

西舘の食トレを支えたのが、調理師免許を持つ祐三子さんだ。かつて高校の学食で働いていた際に調理師免許を取得。現在はデイサービスで介護食を作る仕事をしているだけに、家族の食生活には人一倍、気を配っている。祐三子さんが言う。

「子供たちがよく食べるので、ご飯は多い時に朝8合、1日で1升5合を炊くことも。炊飯ジャーがなく、大きな鍋で2回に分けて炊いていました。昂汰は2年夏にベンチ入りできなかったのが悔しくて、『お母さん、お願いします』と、多くの食事を取るように。おかずは、体が大きくなるようにカルシウムとたんぱく質をバランスよく取らせました。いりこや鶏の天ぷらが好きでよく食べていました。おにぎり、ゆで卵、煮干しはいつでも食べられるように、食卓に常備していました」

祐三子さんが続ける。

「子供たちが頑張っている姿を見ているのが楽しすぎて、幸せでした。子育て以上に楽しいことってもうあるのかな」と言う祐三子さんだが、一つだけ楽しみにしていることがある。

「昂汰には『お母さん、アメリカに行きたいな』って言ってます。メジャー挑戦? 正直、そういう意味もありますね(笑)。高校の時も『お母さんを甲子園に連れていく』といって、本当に連れていってくれたので」

プロ野球選手になった西舘はこれからも親孝行を重ねていく。



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