清水智裕(中部大)、打てる捕手としてプロ注目
2024年03月13日

清水智裕(中部大・捕手) 181cm・右投右打・動画 |
大学最後の1年も想像以上の未来を描く。昨年12月にあった大学日本代表候補の強化合宿で、初招集された中部大の清水智裕捕手(動画)。自身は「びっくりした」と振り返るが、好投手の多い愛知大学リーグで打点王を獲得するなど「打てる捕手」として注目を浴びている。
パンチ力は一級品だ。2000年から中部大で指導する堀田崇夫監督は「入った時からよく飛ばすなと。24年でここまでのスイングができる選手は初めてです」と太鼓判を押す。
清水は入学時「周りを見ると自分は細くて、もっとパワーをつけないといけないと思った」。努力を惜しまず、3年間でコツコツと20キロの増量。食事とは別に自作のおにぎりを1日に2~3個持参するなど、ウエートトレーニングに加え、独自の「食トレ」で体重は90キロ台に達した。
練習中に“伝説”も残した。使い古した練習球での打撃練習で、左中間へ飛距離130メートル超を連発。大学の施設があり、当たって跳ね返ると近くの車にぶつかる可能性があるため、2年時に「清水対策」のネットが設置された。
チームの主力になったのは、突然舞い込んだチャンスがきっかけだった。2年春のリーグ開幕直前にけがで離脱した先輩捕手に代わり、正捕手として完走。先輩投手陣に支えられて乗り切ったが、ひと夏を越えて送球も安定した。秋には4本塁打と持ち前の打棒も発揮し、初のベストナインを受賞するまでに成長した。
3年春には18打点で打点王に輝き、再びベストナインに選ばれた。6年ぶりのリーグ制覇にも貢献。人生初の全国大会となった大学選手権では東京ドームの左翼席上段へ特大ソロ本塁打を放ち、一躍プロ注目の存在になった。入学当初は想像もしなかった未来だ。
大学の先にプロという選択肢は「全くなかった」。純粋に野球がうまくなるために、部員150人超と競争の激しい中部大の門をたたいた。今はプロ球界への意識も芽生えつつある。
「今年はMVPを狙います。優勝しないと取れないので」。先日、侍ジャパンで好投した愛工大の中村優斗投手ら好投手がそろうリーグ。パンチ力のある打撃と好リードで強敵を倒し、チームを春秋連覇に導く。

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