吉岡暖(阿南光)、日本ハム「山本由伸のよう」
2024年03月20日

吉岡暖(阿南光高・投手) 182cm・右投右打・動画 |
やられたまま終わらなかった。7点リードの9回2死満塁。阿南光のエース吉岡(動画)は、豊川の3番・モイセエフ相手に「運命。もう三振を取るしかない」と覚悟を決めた。カウント0―2。143球目に選んだフォークに、バットが空を切った。11個目の三振で試合を締めた右腕は「借りは返せた」とホッ。
8回1死一塁の場面では、それまで2三振と右飛に封じていた強打者に、高めに浮いたフォークを右翼ポール際に運ばれており「失投だった。めっちゃ悔しい」と反省も忘れなかった。
昨秋は8戦7完投、66奪三振、防御率2.44。チームを32年ぶりのセンバツに導いたが、安定は求めなかった。取り組んだのは、今春解禁の2段モーション。高校1年時から遊び程度には投げており「軸が安定し、制球力が上がる。自分にはメリットしかない」と解禁を知り、すぐに実践した。
調整期間はわずかだが、日本ハム・山田スカウト顧問からは「山本由伸(ドジャース)のような投げ方。これから体も出来上がってくれば、さらに楽しみな存在になる」と高評価を受けた。
中学3年時に硬式のヤングリーグ全国大会で優勝。現在の阿南光には、捕手の井坂琉星ら当時のVメンバーが多く在籍する。ただ、県内では徳島商や鳴門が甲子園常連校で、進学時に友人から「甲子園に行けないチームに行ってどうする」とまで言われた。
悔しさを覆した32年ぶり春1勝。現校名「阿南光」では春夏通じて初の聖地白星だ。吉岡は満足することなく「(次戦で)熊本国府を倒すことだけ」ときっぱり。光差す道を真っすぐ歩む。
(3月19日 センバツ甲子園1回戦 阿南光 11―4 豊川)

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│日本ハム