村上泰斗(神戸弘陵)に8球団、オリックス高評価
2024年07月14日

村上泰斗(神戸弘陵高・投手) 180cm・右投右打・動画 |
球場内だけでなく神戸弘陵・村上(動画)自身も意識したノーヒットノーランまであと2人だった。9回1死、ライナー性の打球に対し中堅手が目測を誤り、背走しながらグラブに当てて落球。電光掲示板に「H」がともると、マウンド上の右腕は悔しさ…ではなく、白い歯を見せた。
「あそこまで打たれたのは、自分の今の実力。チームを勝ちに導くのが一番の目標なので良かった」。その後は2死三塁から投ゴロの処理に手間取り(記録は内野安打)完封も逃したが、被安打2の完投勝利に納得の表情を浮かべた。
阪神など複数球団が今秋ドラフトの上位候補に挙げる実力を、存分に示した。初回から直球を軸に押し、中日のスピードガンで最速149キロを計測。2回2死から連続四球で招いたピンチを切り抜けるとギアを上げ、5回1死からの中飛まで外野に打球を運ばせなかった。
ライバル校へ手の内を明かさないよう、6回までに使った変化球はカーブのみ。7回はカットボールを解禁し、3つの球種を結果球にして3者三振に仕留めるなど抜群の内容だった。
「去年は力を入れて、どれだけ三振を取るか、みたいな感じだった。個人で戦ってしまっていたな、と」。昨秋県大会3回戦の彩星工科戦では三振を狙うあまり力みが目立ち、四球で崩れて自滅。反省から脱力を意識し、メンタル面の成長も加わったこの日は危なげない投球に加え11個の三振を奪った。
注目右腕の夏初戦に楽天や巨人など8球団のスカウトや編成担当者が集結。オリックス・谷口悦司スカウトは「股関節を柔らかく使っていて、ウチの山岡のように力を無駄なく伝えて放ることができている」と評価した。
「甲子園にどれだけ自分が中心として導けるか」と村上。憧れの聖地のマウンドに上がるまで“戦国兵庫”を戦い抜く覚悟だ。
(7月13日 兵庫大会2回戦 神戸弘陵 6―1 飾磨工)


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