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ドラフト選手の家庭の事情、金丸夢斗(関西大)

2024年11月20日

11/20、日刊ゲンダイ22面「ドラフト選手の家庭の事情」より 

2024中日ドラフト1位 金丸夢斗
関西大・投手・動画

「子どもの頃を考えると、プロどころか大学でエースになることすら信じられませんでした」。こう話すのは金丸の父・雄一さん(48)だ。

母の淳子さん(47)、兄・翔太さん(23)との4人家族。小学1年時に地元・神戸市の広陵少年野球部に入団したが、「体が小さくて、試合で代打に行くのすら嫌がっていました。『僕はいい』と、違う子を指さす。そんな子でした」。

雄一さんは阪神水道企業団に勤めながら、ボランティアでアマチュア野球の審判を務めている。甲子園大会で試合を裁いた経験も豊富だ。

「夢斗は体こそ小さかったですが、それでも野球が大好き。私が審判をしている姿を何度も見ており、『お父さんが審判をしてる甲子園に行きたい』と。『それなら努力せなあかんぞ』と言って、毎朝、走り込みで体を鍛えさせました。本人にしたら当時は『やらされていた』のでしょうけど、今は『やってよかった』と言っています」

雄一さんも元高校球児。須磨友が丘高(兵庫)で甲子園を目指したものの、夢はかなわなかった。

「高校野球自体は大好きです。何というか、高校野球は人生に置き換えることもできると思う。みんなで夢に向かって頑張るけど、うまくいかないこともある……。人生の縮図みたいなものですね。だから、高校野球に関わる何かをしたかった。そんな時、高野連に連絡したら、『審判はどうだ』と。高校野球に関わる仕事などはさまざまですが、審判は選手と同じグラウンドに立てる。それが24歳の時に大学、社会人を含めたアマ野球の審判になった経緯です」

雄一さんはすでに淳子さんと結婚していた。野球の試合は土日がほとんど。審判をすれば休日が丸々潰れる。当初は淳子さんも渋々だったという。

「翔太と夢斗が野球をするようになると、『子どもが野球するのに、自分は(別の球場に)審判しに行くの?』と言われました(笑)。妻には『2018年は甲子園が100回大会。そんな記念大会に、翔太は高3、夢斗は高1。僕が審判で、親子3人が甲子園に出られるかもしれない。そこを目指してやりたいんだ』と私の情熱を訴えて、納得してもらいました」

アマチュアの審判は多忙だ。雄一さんは年間平均およそ70~80試合を裁いた。最も忙しいのは高校野球の夏の地方大会から。兵庫大会で7、8試合、甲子園で7試合を担当したため、仕事を休まざるを得ないこともあった。

「『続けたいけど仕事が……』と、泣く泣く辞める方もたくさんいます。私の場合は会社と、理解ある上司に恵まれました。甲子園で審判をするようになったのは11年から。模範試合というものがあり、関西なら近畿大会がそれに当たる。正確なジャッジはもちろん、ハツラツとキビキビと審判としての務めをこなせるかを審査され、『全国に発信する試合でも大丈夫』と合格すれば、日本高野連から推薦をもらえます」

甲子園の審判はプレッシャーも大きい。

「我々は『正しいジャッジをして当たり前』ですが、どうしてもミスをしてしまうこともある。近年はSNSが大きな重圧になっていますね。ミスに怒る人がいるのは理解できます。でも、今はその様子がすぐにSNSやユーチューブなどにアップされ、『選手の進路にも影響するだろ!』など、厳しめのコメントが書かれ、炎上してしまう。それが怖いのです」

13年間務めた甲子園の審判は今年で“引退”したが、アマ野球の審判は続けている。

「公式大会では選手の血縁者は審判ができません。でも、少年野球や、高校の練習試合などで担当したことはあります。緊張? 子どもの方がしたんじゃないですかね? 球審の父親めがけてボールを投げなきゃいけないわけですから(笑)。家で野球の話をすることもよくありました。夢斗からは『こういう動作はボークじゃないの?』『お父さんが見ている甲子園の投手と、僕の投球を比べてどう?』など質問を受けた。高3の最後の大会の時には私から、『甲子園で決勝に行った投手のボールと遜色ないぞ』と声をかけました。本人にとっては励みになったと思います」



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draftkaigi at 07:10│ │中日 
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