高校
有名高校球児が軒並みドラフト指名漏れのカラクリ
2024年10月30日
10/30、日刊ゲンダイ23面より
今年のドラフトで目に付いたのは、プロ志望届を出しながら指名漏れした有名な高校生が多かったことだ。
U18日本代表の正捕手だった箱山遥人(健大高崎)や、同じく日本代表で甲子園に4回出場の右腕・高尾響(広陵)が指名漏れ。甲子園を沸かせた岡本琉奨投手(八戸学院光星)、小川哲平投手(作新学院)、颯佐心汰遊撃手(中央学院)らも指名されなかった。
セ・リーグのスカウトが言う。
「彼らはみな、事前に育成契約ならプロ入りしないという意思をプロ側に伝えていたのです。中でも小川、高尾は社会人、颯佐は大学を受け皿にしながら、支配下でのドラフト指名を待った。ただ、今年は人件費削減で、支配下指名を5人で打ち切った球団が4つあった。6人目以降の選手は育成で獲得するつもりだったのかもしれませんが、そんなプロ側の意向が選手たちに敬遠されたのですよ。
契約金を安く抑えられ、なおかつ結果が出なければ2、3年でクビになるなんて、甲子園で活躍したり、日本代表に選ばれた選手のプライドが許さなかったのではないか」
とはいえ、指名漏れした名のあるドラフト候補の大半は、5位までにピックアップされるだけの実力がなかったということだ。
「それにしても育成はよくよく嫌われたもの。早大、法大、青学大、立正大などの選手に加えて、社会人を受け皿に育成を拒んだ大学生もかなりいたといいます。ドラフト前に育成契約を拒否した高校生に至っては20人はくだらないと聞きました」(同)
本来なら6位以下の評価だった名のある高校生たちが指名を見送られる一方で、育成で指名されたのは全国的に知名度が低かったり、無名校の選手が多かったわけだ。
2024ドラフト会議、12球団の指名選手はこちら
今年のドラフトで目に付いたのは、プロ志望届を出しながら指名漏れした有名な高校生が多かったことだ。
U18日本代表の正捕手だった箱山遥人(健大高崎)や、同じく日本代表で甲子園に4回出場の右腕・高尾響(広陵)が指名漏れ。甲子園を沸かせた岡本琉奨投手(八戸学院光星)、小川哲平投手(作新学院)、颯佐心汰遊撃手(中央学院)らも指名されなかった。
セ・リーグのスカウトが言う。
「彼らはみな、事前に育成契約ならプロ入りしないという意思をプロ側に伝えていたのです。中でも小川、高尾は社会人、颯佐は大学を受け皿にしながら、支配下でのドラフト指名を待った。ただ、今年は人件費削減で、支配下指名を5人で打ち切った球団が4つあった。6人目以降の選手は育成で獲得するつもりだったのかもしれませんが、そんなプロ側の意向が選手たちに敬遠されたのですよ。
契約金を安く抑えられ、なおかつ結果が出なければ2、3年でクビになるなんて、甲子園で活躍したり、日本代表に選ばれた選手のプライドが許さなかったのではないか」
とはいえ、指名漏れした名のあるドラフト候補の大半は、5位までにピックアップされるだけの実力がなかったということだ。
「それにしても育成はよくよく嫌われたもの。早大、法大、青学大、立正大などの選手に加えて、社会人を受け皿に育成を拒んだ大学生もかなりいたといいます。ドラフト前に育成契約を拒否した高校生に至っては20人はくだらないと聞きました」(同)
本来なら6位以下の評価だった名のある高校生たちが指名を見送られる一方で、育成で指名されたのは全国的に知名度が低かったり、無名校の選手が多かったわけだ。
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高尾響(広陵)に9球団から調査書
2024年10月22日
中国新聞websiteより (source)
2024高校生のドラフト候補一覧はこちら
2024大学生のドラフト候補一覧はこちら
2024社会人のドラフト候補一覧はこちら
2024ドラフト指名予想はこちら
プロ野球ドラフト会議が24日、東京都内である。指名を待つ、中国地方のチームの高校生と大学生、社会人を紹介する。
高校生は8人がプロ志望届を提出した。評価が高いのは、エースとして4季連続甲子園に出場した広陵の高尾響(動画)。切れ味鋭い直曲球とピンチに強い投球で甲子園通算5勝。9球団が調査書を求め、各球団との面談も済ませた。「プロ入りが目標ではなく、活躍する選手になりたい」と誓う右腕が、指名を待つ。
昨夏の甲子園で8強入りしたおかやま山陽の田内真翔(動画)は、右打ちで好打の内野手。矢上の右腕・皆吉赳翔は、140キロ台後半の直球が魅力で、ともに指名を受ける可能性がありそうだ。
大学生では、4人が志望届を出した。大学日本代表候補に選ばれた経験があり、150キロを超す直球を誇る左腕、環太平洋大・徳山一翔(動画)が、上位指名の可能性がある。広島商高出身でフルスイングが魅力の外野手、広経大・寺本聖一(動画)は、複数球団が興味を持つ。
社会人では、日鉄ステンレスの2年目・江原雅裕(動画)に数球団から調査書が届く。150キロを超える直球が武器の右腕だ。ともに右打ちの内野手のJR西日本・土居拓海、JFE西日本・土井克也に関心を寄せる球団もある。
高校生は8人がプロ志望届を提出した。評価が高いのは、エースとして4季連続甲子園に出場した広陵の高尾響(動画)。切れ味鋭い直曲球とピンチに強い投球で甲子園通算5勝。9球団が調査書を求め、各球団との面談も済ませた。「プロ入りが目標ではなく、活躍する選手になりたい」と誓う右腕が、指名を待つ。
昨夏の甲子園で8強入りしたおかやま山陽の田内真翔(動画)は、右打ちで好打の内野手。矢上の右腕・皆吉赳翔は、140キロ台後半の直球が魅力で、ともに指名を受ける可能性がありそうだ。
大学生では、4人が志望届を出した。大学日本代表候補に選ばれた経験があり、150キロを超す直球を誇る左腕、環太平洋大・徳山一翔(動画)が、上位指名の可能性がある。広島商高出身でフルスイングが魅力の外野手、広経大・寺本聖一(動画)は、複数球団が興味を持つ。
社会人では、日鉄ステンレスの2年目・江原雅裕(動画)に数球団から調査書が届く。150キロを超える直球が武器の右腕だ。ともに右打ちの内野手のJR西日本・土居拓海、JFE西日本・土井克也に関心を寄せる球団もある。
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冨士大和(大宮東)に8球団調査書
2024年10月19日
スポニチwebsiteより (source)
正直に白状する。大宮東(埼玉)の左腕・冨士大和(動画)の投球を見た第一印象は「よくわからない」だった。昨年、ドラフト候補に挙がった兄・隼斗(日本通運)は150キロ台の剛球を武器にするパワー型右腕。
ところが、その弟は同じドラフト候補でも毛色がまったく違った。左腕で、細身のシルエット。腕を振る角度はサイドハンドに近く、いわゆる「肘が落ちる」故障が懸念される使い方。セットポジションに入る前には、両腕を左右に広げて胸を開く独特のルーティンまである。
はっきり言って絵にならない、「クセスゴ」なスタイルだ。それなのに、投げ込むボールはすさまじい勢いでホームベースを通過し、捕手のミットを激しく叩く。最速144キロという数字以上に圧力を感じるボールだった。
この投げ方で、なぜこんなボールが投げられるのか。私は謎を解明するため、何度も大宮東グラウンドに通った。冨士は自身の投球スタイルが特殊ということを自覚していた。チームメートが冨士のマネをしようとしても、まったくフィットしないという。
左肘が落ちる点について聞くと、冨士はハキハキとした口調で答えた。「自分は胸郭を柔らかく使う腕の振りなんですけど、テイクバックで胸を張ると両肘の位置が下がるのは自然だと考えています。技術を勉強するのが好きな兄からも“それで大丈夫だよ”と言われています」
肩・肘の故障歴は皆無。長いイニングを投げても、張りがくるのは背中付近の筋肉だという。つまり、ダメージを軽減できる冨士大和オリジナルのフォームと言えるかもしれない。
甲子園出場歴はないものの、投げればいつも奪三振ショーが展開された。自慢のストレートは「指にかかった球は打たれたことがありません」と豪語する。チェンジアップも一般的な軌道ではなく、100キロ前後で緩やかに届き、打者を幻惑する。
投げ腕もメカニクスも異なるが、冨士を見ていると戸郷翔征(巨人)の高校時代が思い出される。戸郷もまたクセの強い腕の振りをしていたが、放たれたボールにはすさまじい勢いがあった。ともに指導者に個性を認められ、腕の振りをいじられていないという共通点がある。
現時点で全国的な注目度はないが、冨士は「左の戸郷」になれる逸材かもしれない。ドラフト会議を前に、冨士の元には8球団から調査書が届いている。唯一無二の個性を持ったサウスポーは「プロ一本」と退路を断って、10月24日を待つ。
冨士君のスカウト評はこちら
冨士君のピッチング動画はこちら
冨士大和(大宮東高・投手) 186cm・左投左打・動画 |
正直に白状する。大宮東(埼玉)の左腕・冨士大和(動画)の投球を見た第一印象は「よくわからない」だった。昨年、ドラフト候補に挙がった兄・隼斗(日本通運)は150キロ台の剛球を武器にするパワー型右腕。
ところが、その弟は同じドラフト候補でも毛色がまったく違った。左腕で、細身のシルエット。腕を振る角度はサイドハンドに近く、いわゆる「肘が落ちる」故障が懸念される使い方。セットポジションに入る前には、両腕を左右に広げて胸を開く独特のルーティンまである。
はっきり言って絵にならない、「クセスゴ」なスタイルだ。それなのに、投げ込むボールはすさまじい勢いでホームベースを通過し、捕手のミットを激しく叩く。最速144キロという数字以上に圧力を感じるボールだった。
この投げ方で、なぜこんなボールが投げられるのか。私は謎を解明するため、何度も大宮東グラウンドに通った。冨士は自身の投球スタイルが特殊ということを自覚していた。チームメートが冨士のマネをしようとしても、まったくフィットしないという。
左肘が落ちる点について聞くと、冨士はハキハキとした口調で答えた。「自分は胸郭を柔らかく使う腕の振りなんですけど、テイクバックで胸を張ると両肘の位置が下がるのは自然だと考えています。技術を勉強するのが好きな兄からも“それで大丈夫だよ”と言われています」
肩・肘の故障歴は皆無。長いイニングを投げても、張りがくるのは背中付近の筋肉だという。つまり、ダメージを軽減できる冨士大和オリジナルのフォームと言えるかもしれない。
甲子園出場歴はないものの、投げればいつも奪三振ショーが展開された。自慢のストレートは「指にかかった球は打たれたことがありません」と豪語する。チェンジアップも一般的な軌道ではなく、100キロ前後で緩やかに届き、打者を幻惑する。
投げ腕もメカニクスも異なるが、冨士を見ていると戸郷翔征(巨人)の高校時代が思い出される。戸郷もまたクセの強い腕の振りをしていたが、放たれたボールにはすさまじい勢いがあった。ともに指導者に個性を認められ、腕の振りをいじられていないという共通点がある。
現時点で全国的な注目度はないが、冨士は「左の戸郷」になれる逸材かもしれない。ドラフト会議を前に、冨士の元には8球団から調査書が届いている。唯一無二の個性を持ったサウスポーは「プロ一本」と退路を断って、10月24日を待つ。
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田中大貴(山村学園)、育成指名でもプロ入りへ
2024年10月18日
日刊スポーツwebsiteより (source)
プロ野球ドラフト会議が24日に行われる。プロ志望届を提出した選手、ドラフト指名を待つ選手。吉報を待つグラウンドに、日刊スポーツの記者が思いを尋ねに向かった。
山村学園(埼玉)の田中大貴外野手(動画)は「夏にそんな目立った活躍ができなかったので…」と恐縮しながら、NPB球団との面談も済ませた。「スイングがきれいと言っていただけて、素直にうれしかったです」
そのきれいなスイングで高校2年半で20本近い本塁打を重ね、スカウト陣の視察もあったことからプロ志望届の提出を決断した。
スーパー小学生だった。川口リトルリーグ時代には小6の夏に全国大会で優勝している。「中1の先輩も出場できる大会だったので。自分は7番ライトでした」。貢献し優勝メンバーになり、でっかい“おまけ”まで。米ペンシルベニア州で行われるリトルリーグのワールドシリーズに日本代表として出場した。
「人生初の飛行機でした。上空に上がっていく感じが気持ち悪いなっていうのを覚えてます。気圧とかで寝たいのに寝られなくて」
人生初の飛行機がいきなり10時間超コース。ニューアーク空港に着陸し、外に出ると「うわー、広いなーって」。アメリカ生活を重ねていく中で「ペプシコーラが多いなーって」。大会では世界3位に。刺激的な夏休みだった。
高校卒業となって、世界は再び広がるか。インパクト率が高く、広角に打てるところを売りにしてきた。「性格は…優しいって言われますね。優しくて聞き上手、かもしれません」。照れながら話す18歳は、バットを持てば目力を強く一点集中。たとえ育成指名だとしても、戦いの世界へ入る覚悟はできている。
田中君のバッティング動画はこちら
田中大貴(山村学園高・外野手) 179cm・右投右打・動画 |
プロ野球ドラフト会議が24日に行われる。プロ志望届を提出した選手、ドラフト指名を待つ選手。吉報を待つグラウンドに、日刊スポーツの記者が思いを尋ねに向かった。
山村学園(埼玉)の田中大貴外野手(動画)は「夏にそんな目立った活躍ができなかったので…」と恐縮しながら、NPB球団との面談も済ませた。「スイングがきれいと言っていただけて、素直にうれしかったです」
そのきれいなスイングで高校2年半で20本近い本塁打を重ね、スカウト陣の視察もあったことからプロ志望届の提出を決断した。
スーパー小学生だった。川口リトルリーグ時代には小6の夏に全国大会で優勝している。「中1の先輩も出場できる大会だったので。自分は7番ライトでした」。貢献し優勝メンバーになり、でっかい“おまけ”まで。米ペンシルベニア州で行われるリトルリーグのワールドシリーズに日本代表として出場した。
「人生初の飛行機でした。上空に上がっていく感じが気持ち悪いなっていうのを覚えてます。気圧とかで寝たいのに寝られなくて」
人生初の飛行機がいきなり10時間超コース。ニューアーク空港に着陸し、外に出ると「うわー、広いなーって」。アメリカ生活を重ねていく中で「ペプシコーラが多いなーって」。大会では世界3位に。刺激的な夏休みだった。
高校卒業となって、世界は再び広がるか。インパクト率が高く、広角に打てるところを売りにしてきた。「性格は…優しいって言われますね。優しくて聞き上手、かもしれません」。照れながら話す18歳は、バットを持てば目力を強く一点集中。たとえ育成指名だとしても、戦いの世界へ入る覚悟はできている。
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モイセエフ・ニキータ(豊川)に全12球団調査書
2024年10月17日
中日スポーツwebsiteより (source)
甲子園史に歴史を刻んだ男が、プロの世界に挑戦する。今春のセンバツで、反発を抑えた新基準バットで史上初のホームランを放った豊川のモイセエフ(動画)。高校入学時からプロ入りを目指して鍛錬を積み、満を持してプロ志望届を提出した。
「夏の大会が終わってからずっとプロを意識して練習してきた。この数カ月が一番成長できる時期」と向上心を持って野球と向き合っている。
高校では1年春からベンチ入りし、2年秋からはチームの大黒柱。チームメートの合言葉は「ニキータに回せ」。打率を残せて、チャンスにも強い3番打者として打線をけん引し続けた。2年秋の東海大会は4試合で打率.625、6打点と大暴れ。チームを初優勝に導くとともに、今春のセンバツ出場を決めた。
最後の夏は5回戦で大成に敗れて甲子園出場は逃したが、すぐに次の目標に向かって歩み出した。寮から実家へ一時帰宅し、7月22日の敗戦から1週間で再始動。長谷川裕記監督から「今からはプロになることだけを考えろ」と背中を押されて、今度は自分のためだけに時間を費やした。
目標としているのは、ソフトバンクの柳田悠岐外野手。「トリプルスリーを達成できるような走攻守そろった選手になりたい」とプロ入りだけでなく、その先も見据える。得意の打撃以外も磨くため、力を入れたのはスピードの強化。チューブを使ったトレーニングで走り方から見直し、守備や走塁に生かせる瞬発力を養った。
入学時の66キロからコツコツと増量してきた体重は87キロに到達。練習で握ってきた木製のバットは8本ほど折れて、努力の証しとしてロッカーで大切に保管している。着実に成長を刻んできた。
愛知県で生まれ育ったが、両親はロシア出身。息子のために一から野球を勉強し、高校では全ての試合に駆けつけてくれた。「成長した姿を見せられることが一番うれしい。プロに入って活躍する姿を見せたい」。
調査書は12球団から届いた。家族への恩返しを誓う高校生屈指のスラッガーが、ドラフト会議での吉報を待つ。
モイセエフ君のスカウト評はこちら
モイセエフ君のバッティング動画はこちら
モイセエフ・ニキータ(豊川高・外野手) 180cm・左投左打・動画 |
甲子園史に歴史を刻んだ男が、プロの世界に挑戦する。今春のセンバツで、反発を抑えた新基準バットで史上初のホームランを放った豊川のモイセエフ(動画)。高校入学時からプロ入りを目指して鍛錬を積み、満を持してプロ志望届を提出した。
「夏の大会が終わってからずっとプロを意識して練習してきた。この数カ月が一番成長できる時期」と向上心を持って野球と向き合っている。
高校では1年春からベンチ入りし、2年秋からはチームの大黒柱。チームメートの合言葉は「ニキータに回せ」。打率を残せて、チャンスにも強い3番打者として打線をけん引し続けた。2年秋の東海大会は4試合で打率.625、6打点と大暴れ。チームを初優勝に導くとともに、今春のセンバツ出場を決めた。
最後の夏は5回戦で大成に敗れて甲子園出場は逃したが、すぐに次の目標に向かって歩み出した。寮から実家へ一時帰宅し、7月22日の敗戦から1週間で再始動。長谷川裕記監督から「今からはプロになることだけを考えろ」と背中を押されて、今度は自分のためだけに時間を費やした。
目標としているのは、ソフトバンクの柳田悠岐外野手。「トリプルスリーを達成できるような走攻守そろった選手になりたい」とプロ入りだけでなく、その先も見据える。得意の打撃以外も磨くため、力を入れたのはスピードの強化。チューブを使ったトレーニングで走り方から見直し、守備や走塁に生かせる瞬発力を養った。
入学時の66キロからコツコツと増量してきた体重は87キロに到達。練習で握ってきた木製のバットは8本ほど折れて、努力の証しとしてロッカーで大切に保管している。着実に成長を刻んできた。
愛知県で生まれ育ったが、両親はロシア出身。息子のために一から野球を勉強し、高校では全ての試合に駆けつけてくれた。「成長した姿を見せられることが一番うれしい。プロに入って活躍する姿を見せたい」。
調査書は12球団から届いた。家族への恩返しを誓う高校生屈指のスラッガーが、ドラフト会議での吉報を待つ。
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